新型ゴルフは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型ゴルフの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
新型ゴルフ(クリーンディーゼル仕様)の試乗レポート
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/
新型ゴルフは2019年10月1日に待望のクリーンディーゼル仕様を追加投入しました。
ドイツ本国を始めヨーロッパでは既に販売されていましたが、日本市場への投入は遅れていました。理由は2015年に発覚したVWの排出ガス規制不正問題です。
引用:https://www.sankei.com/economy/photos/150928/ecn1509280004-p1.html
これはアメリカにおける排出ガス検査の際に、一部の車種に搭載された不正なソフトウェアが検査であることを検知すると排出ガスに含まれる有害物質が大幅に減るように設定されていた、というものです。
この不正が行われた車種の中にゴルフは入っており、事件の影響でクリーンディーゼル仕様の日本投入が数年遅れた、というのがもっぱらの噂です。
この話の真偽のほどはともかくとして、2012年に発売された(日本市場では2013年)ゴルフのクリーンディーゼル仕様が8年目にようやく投入されるというのは若干「遅きに失した」感が否めません。
既に次期ゴルフの発売も噂されている中で、今ゴルフを買うのは二の足を踏む人もいるかもしれません。どうせ売るのであればもっと早く売って欲しかった、というのが正直なところです。
何となくもやもやした気持ちを抱えながらも、今回筆者は新型ゴルフのクリーンディーゼル仕様に試乗をしてきましたので、その感想を紹介したいと思います。
試乗を行ったのは都内の某VWディーラー、試乗車はTDI Comfotline Meisterです。
新型ゴルフはガソリン仕様は「TSI」ですが、クリーンディーゼル仕様は「TDI」となります。グレード展開はガソリン仕様の5つに対してクリーンディーゼル仕様は4つで、下からComfortline、Comfortline Meister、Highline、Highline Meisterとなります。
このうちComfortlineとHighlineは受注生産ですので注意してください。受注生産ということは納車までに時間がかかるということです。「Meister」とついていないグレードは受注生産、と覚えておいてください。
なおガソリン仕様はHighlineより上は1.4Lエンジンになりますが、クリーンディーゼル仕様はどのグレードも同じ2.0Lエンジンです。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/3/#contents
エクステリアデザインはガソリン仕様とまったく同じで、違いは後部につく「TDI」というクリーンディーゼル仕様であることを表すエンブレムくらいです。
どちらかといえば直線的なデザインですが、デザイン的に特に古さは感じられません。何の変哲もない、と言ってしまえばそれまでですが、普遍性のあるコンサバティブなデザインで好感が持てます。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/9/#contents
インテリアデザインもガソリン仕様と同じです。こちらも直線で構成されたデザインとなっていますが、インパネ上部のラインがメーターから真ん中のエアコン吹き出し口からナビ画面に至っているのが個人的には気に入りました。ドライバーを最優先にして作られていることが伺えるからです。
運転席に座ってすぐに目を惹くのがデジタルメータークラスターのActive Info Displayです。
引用:https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html#item=1&gallery=150510734745230863
これは速度計と回転計に加えて、両者の間に好みに合わせた数種類のモードから選んだ情報を表示できるというものです。上の画像ではナビ(標準装備されるDispley Pro)と連動させてマップが表示されています。
ここにマップが表示されると、大きな視線移動をせずに確認をすることができるのでとても便利です。
インテリアでもう1つ気に入ったのはシートの出来です。どちらかというと硬めではあるのですが、適度にコシがあって長時間運転していても疲れを感じにくいように思いました。
なお新型ゴルフの内装色は基本的にブラックで、最上位グレードのTDI/TSI Highline Meisterのみシートに薄茶色のシェトランドを選ぶことができます。生地はTDI/TSI Highline Meisterがレザー、TDI/TSI Highlineがマイクロフリース、それ以外のグレードがファブリックです。
インテリア全体の質感は決して低くはないものの、取り立てて高いという印象はありません。「クラス相応の質感」といった感じです。質感の低さにがっかりする、ということはあまりないでしょう。
ただ、このクラスのインテリアの質感はひと昔前に比べると確実に上がっていますので、数年ぶりに新車を買う、という人は「ゴルフなのにずいぶん高級感があるなあ」と感じることになると思います。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/20/#contents
実際に走らせてみた感想ですが、真っ先に感じたのは「え、速い!」というものです。
筆者はかつて新型ゴルフのガソリン仕様を丸1日借りて乗った経験があるのですが、その時に感じた印象よりも今回クリーンディーゼル仕様に乗って感じた印象の方が「速い」のです。
これは当たり前の話で、その時乗った1.4Lガソリンエンジンが140PS、トルクが25.5kgfmなのに対してクリーンディーゼル仕様が150PS、34.7kgfmです。馬力は10PSアップですが、トルクは1.5倍弱にもなっています。
クリーンディーゼル仕様はガソリン仕様に対して車両重量が約100kgほど増えているので、トータルで考えればそれほど差はないだろう、と予想していましたが、予想はいい意味で裏切られました。
発進から街乗りレベルでの巡航速度での走行までは完全にクリーンディーゼル仕様の方がパワフルです。この常用域での使い勝手の良さこそクリーンディーゼル最大の特徴といえます。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/21/#contents
ただ、クリーンディーゼル最大の欠点が「エンジン自体が発する騒音」です。これは昔に比べてかなり改善されていますし、普通の人がディーゼルと聞いて想像するほどの騒音は出ませんが、それでも完全に消し切れないようで、どのクリーンディーゼル車に乗っても騒音は気になります。
問題はどの程度のレベルか、ということなのですが、新型ゴルフは信号待ちなどのアイドリング時に「ブーン」という音が耳に入るレベルです。同乗者との話に夢中になっていれば気になりませんが、ラジオも音楽もかけずに1人で乗っていて信号待ちになれば恐らく耳に入ります。
走ってしまえばもちろん気になりませんが、静粛性という点では間違いなくガソリン仕様に劣りますので、この点が許容範囲かどうかは試乗時によくチェックをする必要があるでしょう。
それにしても驚かされたのは新型ゴルフのボディ剛性の高さと足回りの良さです。筆者は先日新型ゴルフと同じカテゴリのマツダ3(旧アクセラ)に試乗をしたのですが、その時の印象よりも今回の新型ゴルフの方が上なように感じました。
マツダ3が発売されたのが2019年5月ですが、新型ゴルフが発売されたのはそれよりも7年も前の2012年です。7年かけて他メーカーが追いつけるか追いつけないかというクオリティであるところにゴルフという車の素晴らしさというか恐ろしさを感じました。さすがに世界中のメーカーが「追いつき追い越せ」とターゲットにするだけのことはあります。
新型ゴルフの素性の良さに、低燃費かつパワフルなクリーンディーゼルエンジンが組み合わされるともはや無敵ではないか、と思った今回の試乗でした。
新型ゴルフの後席&ラゲッジルームの使い勝手
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/15/#contents
最後に新型ゴルフの後席とラゲッジスペースの使い勝手について触れておきましょう。
新型ゴルフの後席の居住性は実に快適です。その理由は恐らく「窓の大きさ」だと思います。
ハッチバックに限らず最近の車のデザインは、窓の「上枠のラインが下さがりに」「下枠のラインが後ろ上がり」になっていることが多いです。すると後席の窓は前席の窓に比べると小さくなる上、窓も後ろに行くに従って小さくなります。
たとえばこれはマツダ3を横から見た図です。
引用:https://www.goodspress.jp/reports/232918/2/
そしてこちらが新型ゴルフを横から見た図です。上枠のラインが下がる点、下枠のラインが上がる点はマツダ3と同じですが、その角度が小さいことがわかると思います。
引用:https://autoc-one.jp/volkswagen/golf/report-3340404/photo/0012.html
その結果、新型ゴルフの後席の窓はマツダ3に比べると非常に大きいです。
そして後席の居住性とは関係がありませんが、後席窓の後ろにある三角窓の大きさも意外に重要で、左方向に向かってバックをする時に左後部の三角窓が大きいと障害物の確認が非常にしやすくなります。この点でも新型ゴルフは素晴らしいです。
話を戻しますが、後席の窓が大きいことによって視覚的な圧迫感がなく、ストレスがかかりません。これが新型ゴルフの居住性が良い最大のポイントだと思います。
気になる足元空間の広さですが、決して広々とはしていないものの、身長178センチの筆者が普通に運転できるシートポジションにセットした上で後席に乗り込むと、ひざにこぶし1.5個ほどの余裕がありました。
体格や足の長さによっては多少窮屈さを感じる場面はあるかもしれませんが、ハッチバックにミニバン並みの居住性を求めることはできないので、これは諦めて及第点と評価するのが適当だと思います。
次にラゲッジスペースですが、容量はVDA方式で380Lとなっています。
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20190913-20105553-carview/photo/16/#contents
左右の出っ張りが比較的少なくスクエアな形状ですので、無駄なく荷物を積むことができると思います。週末の買いだめなど、日常的な使い勝手において不満を感じることはなさそうです。
開口部も大きくとられているので、荷物も積みやすくなっています。
新型ゴルフの試乗レポートのまとめ
引用:https://clicccar.com/2019/10/08/915956/golf_tdi-7/
以上、新型ゴルフの試乗レポートを紹介しました。
新車を購入する際に試乗は必須です。ネットや雑誌の試乗レポートや口コミをチェックしていただけではわからないことはたくさんありますし、同じ事象でも感じ方は人それぞれだからです。
最近は多くのメーカー、ディーラーがネットでの試乗受付を行っていますので、事前に予約をしてから試乗をすることをおすすめします。飛び込みで試乗に行ってもお目当ての車種の試乗車がないこともあるからです。
VWの場合、公式サイトで車種ごと、グレードごとに試乗車の検索と予約を行うことができます。
この記事を書いている時点で、都内のVWディーラーのうち新型ゴルフのクリーンディーゼル仕様の試乗ができるのは18カ所でした。
引用:https://web.volkswagen.co.jp/tdr_xhs/map/result/?lat=35.68944&lon=139.69167&zoom=3&model_id=53
逆に言えばこの18カ所以外のディーラーに行ってもクリーンディーゼル仕様の試乗はできない、ということになるわけで、いかに事前の調査・予約が必要かがわかると思います。
真剣に購入を検討している人はぜひ予約をした上で試乗に出かけてください。