2019年の新型デリカD5は試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは2019年の新型デリカD5の試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
新型デリカD5に試乗してみました
引用:https://autoc-one.jp/news/5003236/photo/0042.html
今回筆者は、新型デリカD5の試乗を行うことができましたのでそのレポートをお届けしたいと思います。
試乗をしたのはもちろんビッグマイナーチェンジを受けたディーゼル仕様で、グレードはノーマルバージョンのPです。
新型デリカD5のディーゼル仕様はビッグマイナーチェンジでその外観を大きく変えました。
三菱自動車で新型デリカD5の企画を担当された渡邉玲子氏によると「お寄せいただいた声の9割ほどは(賛否両論の)“否”のほう」とのことですが、個人的にこれはよくわかります。
筆者もどちらかといえば「否」です。
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/newmodel-5003910/photo/
三菱といえばかつてはジープを製造していましたし、パリダカで活躍していたパジェロのイメージも相俟って無骨で硬派で男らしいイメージがあります。
デリカもスターワゴン、スペースギアの時代はこのイメージが継承されていたように思います。
デリカD5になってからもオフロードのイメージは残されていました。
しかし今回のビッグマイナーチェンジでは明らかに方向性を大きく変え、売れ筋のミニバンに合わせて来た感があります。
前出の渡邉氏の声を借りれば、これは多くの三菱ファン、デリカファンを失望させた、ということになるでしょう。
ただ、登場後の口コミを見ると意外に高評価が多く、少なくとも「9割が否」という様子はありません。
これはつまり「実車を見れば印象が変わる」ということだと思います。
そんなことを考えながら新型デリカD5と対面したところ・・・見ただけで印象は変わりませんでした。
決して悪くはないものの、かつてデリカが持っていた唯一無二な感じが(少なくとも外観からは)なくなってしまっています。
最近流行りの押し出しの強いミニバンに姿を変えてしまった、という感じです。
「これはデリカだ」とは思わずに「これは最近のミニバンだ」と思えば納得がいきます。
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/newmodel-5003910/photo/0035.html
これならかつてはデリカに見向きもしたかった層を振り向かせることができるかもしれません。
しかし今までデリカが好きで乗っていた層が離れる可能性はあります。
今回のビッグマイナーチェンジが三菱にとって悪手だったかどうかは今後の売れ行きが答えを出すでしょう。
車内に乗り込んでみると、ひと目で質感が高くなったことがわかりました。
三菱の車はデリカD5に限らず質感もデザインもいまいち、という感じでしたが、ビッグマイナーチェンジを受けて明らかに質感は向上しています。
デザインが直線基調なのは従来通りですが、イメージを踏襲しつつも全体的に一体感のある作りに改められました。
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/special-5003301/photo/0084.html
ちなみにこれがビッグマイナーチェンジ前のデリカD5の内装です。
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/newmodel-5003910/photo/0101.html
1点気になったのは、シートにステッチが細かく入ってトランプのダイヤのような模様です。
細かく刻まれているのはちょっとうるさい印象を受けました。
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/special-5003301/photo/0150.html
ここまでどちらかと言えば否定的な感情しか持てなかったのですが、実際に新型デリカD5を走らせてみるとその評価は一転しました。
まず街乗りレベルでディーゼルエンジン特有の騒音や振動がかなり軽減されました。
たとえば赤信号からの発進でアクセルをじわっと踏み込んで加速をしていく過程で、ビッグマイナーチェンジ前のモデルはガラガラという音が聞こえましたが、新型デリカD5はかなり抑え込まれています。
これはエンジン自体が発する音が低減されたのと同時に、遮音性も向上させているようです。
走行時に路面からの衝撃などもあまり感じませんが、新型デリカD5は衝撃吸収や吸音といったところにかなり気を配っていると思います。
そのため総合的な快適性が大幅に向上しています。
そして加速が非常にスムーズになりました。これは従来までの6速ATを8速ATに多段化したことが奏功していると思います。
1,500回転くらいからターボが利いてくる感じがありますが、4,000回転くらいまでの間ではディーゼルエンジンらしいトルク感もあって細かいシフトチェンジをしながらグイグイと加速していきます。
引用:https://gqjapan.jp/car/review/20190103/mitsubishi-delica/page/3/gallery/4
ハンドリングもかなり改善されています。何でもない交差点やカーブを曲がるだけでも足回りがシャキッとしている感じがわかります。
これはパワーステアリングが電動式に変わったことと、サスペンションのセッティングが見直されたことが原因でしょう。
ビッグマイナーチェンジ前のモデルは多少もっさりした感じがありましたが、新型デリカD5は手応えのあるハンドリングとなりました。
以上、総じて見ると「見た目はイマイチなものの乗ってみると非常に良い」という評価です。
三菱曰く事前のアンケートでは9割が「否」だったにも関わらず、口コミを見てみると意外に高評価が多い理由がこれでよくわかりました。
つまり見ただけでは評価は変わらずとも、乗れば評価が変わる可能性がある、ということです。
三菱ファンの人、デリカファンの人外観だけを見て否定するのではなく、これは実際に乗ってみて評価するべきだと思います。
新型デリカD5の実質的なライバルは存在しない
引用:https://autoc-one.jp/news/5003236/photo/0005.html
新型デリカD5は価格帯や車体サイズという点で直接的に競合するライバル車はほとんどありません。
あえて言えばトヨタのノア/ヴォクシー、エスクァイア、日産のセレナ、ホンダのステップワゴンあたりが近いですが、価格帯もエンジンの大きさも新型デリカD5の方が上です。
かといってトヨタアルファード/ヴェルファイアや日産エルグランドなどに比べると小さく、価格も下です。
そしてコンセプト的にも新型デリカD5と共通するミニバンはありません。
ミニバンとしては唯一ディーゼル仕様をラインナップしますし、そのディーゼル仕様は全車4WDとなっています。
グランドクリアランスも大きくとられており、普通のミニバンでは走れないような悪路でもどんどん進んでいくことができます。
つまり新型デリカD5の実質的なライバルはいません。
引用:https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5_standard/index.html
新型デリカD5を買うべき人は、ズバリ「多人数でアウトドアレジャーに出かける機会の多い人」です。
デリカは最大で8人が乗れますので、大家族でも、友人や仲間が多い人でも大丈夫です。
パジェロなどのSUVではこれほど大人数が乗ることはできません。
アウトドアでも、山深く本格的なフィールドでキャンプなどをしようとすると「下を擦らないか」と気にするような場面が多々あります。
このような場所にノア/ヴォクシーのような普通のミニバンで入っていくのはかなり怖いです。
新型デリカD5なら大人数を乗せて悪路をグイグイと進んでいくことができるわけです。
これが想像できる車は新型デリカD5以外にはありません。
新型デリカD5の試乗レポートのまとめ
引用:https://autoc-one.jp/mitsubishi/delica_d5/newmodel-5003910/photo/0007.html
ここまで新型デリカD5の試乗レポートを紹介しました。
新型デリカD5の外観は賛否両論ですが、見た目が好みではないからといって「食わず嫌い」をするのはもったいないと思います。
そのくらい中身は劇的な進化をしましたし、他メーカーのミニバンと比べても遜色はありません。
進化は試乗レベルで十分に感じることができますので、購入を考えている人はぜひディーラーで試乗をしてみてください。
ノア/ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンなどを購入しようとしている人も、予算が許せば新型デリカD5も検討されることをおすすめします。