新型レンジローバー イヴォークは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型レンジローバー イヴォークの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
目次
インテリアは格上級、走りはゆったり
《web CG より引用》
P300 MHEV、ハイブリッド効果は限定的
引用:https://response.jp/article/2019/07/16/324452.html
引用:https://autoc-one.jp/landrover/rangerover_evoque/report-5004796/0002.html
高級感溢れる点は継承
初代イヴォークのキモは、新型でもすべて受け継がれている。
兄貴分のヴェラールに基本意匠がそっくりなインテリアも、調度類の高級感は素直に素晴らしい。
なんとも手ざわりのいいダッシュボードや分厚いレザーパッド、ガラスを思わせるセンターパネルなど、各部の素材づかいはヴェラールより巧妙にコストダウンされているものの、絶対的な質感レベルは他社Dセグメントに完全匹敵する印象だ。
運転席はまさしくランドローバー伝統の“コマンドポジション”、中途半端なSUVより小高く、操作系を見下ろすように見晴らしがいい。
フロントウィンドウが強く傾斜したクーペルックなので、最初は無意識にステアリングを低めに調整した姿勢を取ってしまうのだが、慣れるとピシッと背筋を伸ばした掛け値なしのコマンドポジションが完成する。
こうして正しいドラポジが決まると、フロントウィンドウが目前にせまってけっこうな圧迫感がある。
新型イヴォークの最大渡河水深は600mm。先代より100mmも増強されている。
マイルドハイブリッドは、最新技術を取り入れている程度
引用:https://www.autocar.co.uk/car-review/land-rover/range-rover-evoque
今回試乗したR-DYNAMICは、標準よりもさらに偏平の21インチタイヤを履いていた。その乗り味は、見た目のイメージとは真逆、おっとりゆったり、柔らか系。
パワートレインで、P300はもっともパワフル。そしてMHEVの名のとおり、この300PSガソリン版のみ、48Vのベルト駆動スターター兼発電機(BISG)を備えたマイルドハイブリッドだ。
その電動機構はすべて居室床下に収納される。
新型イヴォークのBISGに使われるモーターの出力は15PS。
停止直前17km/hからエンジンストップするというトリッキーなシステムだ。ただハイブリッドを乗り味として体感するのは、ほぼ不可能。
パワーが楽しい P300
引用:https://www.whatcar.com/land-rover/range-rover-evoque/4×4/review/n109
スロットルペダルを踏み込むと、P300 MHEVのパワートレインはだれもが看取できる比較的ハッキリとした“間”の直後に、いきなり目覚めたかのように爆発的に吹け上がる。
最近ではめずらしい、ターボらしいターボだ。いったん過給が立ち上がればトルク特性はフラットだが、スロットルのオンオフ反応にクセがあるので、滑らかに走らせるにはコツを要する。
新型イヴォークのマイルドハイブリッドは、そういう味つけよりも燃費向上やピーク性能の後押しに特化しているようだ。
300PSに対する15PSだから、どう使ったところ効果は限定的だろうが。
さらに、新型イヴォークのR-DYNAMICはフットワークも基本的に柔らかい。
またロール剛性は高めだが、前後方向のピッチングはあえて抑制しすぎず、ゆったり大きめに動かすランドローバーの独特さ。
そのためか、ピーキーなパワートレインの影響がクルマ全体の動きに波及しやすく、無造作なスロットルワークでは、車体が前後に大きく揺れてしまうのだ。
オプションの可変ダンパー(アダプティブダイナミクス)と統合制御の「テレインレスポンス2」(標準装備)をすべてオンロード/ダイナミックモードに設定すれば、上屋の動きや過給ラグも少しは抑制されるが、それでもピタリとはおさまらず、寸止めがきいている。
「P250」とは別格にパワフルなP300 MHEVは「とにかく速いイヴォークがほしい!」あるいは「なにがなんでも最新技術を試したい」という上級好事家向けグレードと見るべきだろう。
SUVというよりは、5ドアハッチバック
《Response より引用》
P250ファーストエディション
引用:https://autoc-one.jp/landrover/rangerover_evoque/report-5004796/0002.html
※ファーストエディションは、《R-DYNAMIC SE/HSE》がベースモデルです。
試乗したグレードは「P250ファーストエディション」で、直列4気筒2リットルターボエンジンを搭載する。2リットルターボには3種類のチューニングがあり、P250は中級だ。
1400回転以下ではターボの過給効果が薄れて駆動力も落ち込むが、それ以上の回転域では自然吸気の3リットルエンジンに相当する性能を発揮する。吹き上がりは少し鈍いが、実用回転域の駆動力が高く運転しやすい。
走行安定性と操舵感は、SUVというより低重心の5ドアハッチバックに近い。操舵感が適度に機敏で良く曲がる。ゆったりとボディが傾くSUVらしさは乏しいが、イヴォークの性格には合っている。
引用:https://www.autocar.jp/specialissues/2019/10/16/425782/7/
乗り心地は試乗車が21インチタイヤ(245/45R21)を装着していたこともあって硬めだが、突き上げ感は抑えた。
全幅は今のSUVの流行に沿って、1905mmとワイドだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2680mmを確保するが、最小回転半径は5.5mに収まる。
全長も4380mmだから、全幅を除けば不満はない。後方視界は良くないから、購入時には縦列駐車と車庫入れを試したい。
居住性は先代型に比べると後席が若干広くなった。腰が落ち込んで快適とはいえないが、レクサス『UX』に比べると少し余裕がある。
基本的には2名乗車向けだが、長距離を移動しないのであればファミリーカーとしても使える。
なお先代型のATセレクターはダイヤル式で、イグニッションに連動して、ダイヤルが持ち上がった。これは北米で不評だったから、新型は一般的なレバー式に変更されている。
価格はベーシックなガソリンエンジンの「P200」が461万円で、中心価格帯は600~650万円だ。日本車ならレクサス『RX』に近い。外観と内装の雰囲気が気に入ったなら、選ぶ価値があるだろう。
300Pと250Pは走りの違いが大きい
引用:https://www.gqjapan.jp/car/review/20190627/range-rover-evoque
《MOTA より引用》
※「300P」(300PS/400Nm)のベース仕様は「R-DYNAMIC HSE」
P300はランドローバーらしい乗り心地
引用:https://response.jp/article/2019/07/16/324452.html
P300で特筆な部分は、レンジローバーと呼ぶに相応しい操作感だ。
現代感覚で洗練されたSUVデザインを持ちながらも、その動きにはクロスカントリーを感じさせる温厚さがあり、なおかつ乗り心地にはトゲがない。
初期操舵における反応は21インチの大径タイヤを履きながらもおっとりとしていて、今風なハンドリングゲインは立ち上がらない。
サスペンションはフワフワというよりも腰があるしなやかさが英国的。単なる乗り心地の良さではなく、ランドローバーテイストを味わうことができる。
またモードを「ダイナミック」へと変更してもややダンパーの伸びが規制される程度で、むしろ「リアシートの横揺れ感が収まって快適」だと、当日移動を共にしたスタッフからは好評であった。
そんな温厚な第一印象だった300Pだが、ダイナミックモードを選ぶと元気があふれ出して来る。
アクセルの踏み込み量に対して予想以上に加速するのは、ターボの過給圧が上がった以上にモーターのトルクが効いているせいだろうか。
加速感の印象はランドローバーというよりもジャガーライク。ここに先代と通じる若々しさを表現しているようだが、上級仕様ということも含めパワーの出し方はもう少し洗練されてもよいと思えた。
反応のいい操舵感、P250
引用:https://www.autocar.co.uk/car-review/land-rover/range-rover-evoque
2リッターのガソリンモデルは、「P250」(249PS/365Nm)の「First Edition」。
P300と比べてわかったのは、より操舵レスポンスがリニアになっていることだった。
これは即ちマイルドハイブリッドを搭載しない分だけの軽さだが、お互いのキャラクターとしてもうまく棲み分けている。
ちなみにその車重は1840kgで、P300に比べ110kgほど軽い。
動力性能的にもよりガソリンエンジン感が自然だ。
出足のトルク感こそ300Pに一歩譲るけれど、カラッと吹け上がるターボの過給は素直に心地良い。
そしてここに9速ATのピックアップが加わり、よりスポーティに走ることができた。
レンジローバーのたおやかさを求めるならP300。
値段的な買いやすさも含めて、より本来のイヴォーク感を楽しみたいならばP250がお勧めだ。
まとめ
引用:https://response.jp/article/2019/07/16/324452.html
新型イヴォークの試乗レポートをご紹介しました。エンジンごとに乗り味が変わることがわかりますが、ディーゼルに関してのみレポートが少ないため、実車で試乗することをお勧めします。
マイルドハイブリッドの場合、もともとのエンジンパフォーマンスが高いため、加速感が半端ない…というレポートもあります。その分燃費は一桁台、6km/L程度というデータもあります。
完全に趣味としての一台となりそうなイヴォーク。知り尽くしてから乗るか、衝動買いするか…おもしろいクルマとなりそうですね!