シャトルはハイブリッドとガソリン、どちらが得?スペックや維持費を比較!

シャトル

ホンダシャトルは2011年から2015年まで発売されていたフィットシャトルの後継モデルとして2015年にデビューしました。

フィットはご存じのようにホンダが生んだ大ヒットコンパクトカーですが、フィットのリヤオーバーハングを拡大してステーションワゴンにしたのがフィットシャトルでした(フィットシャトル自体はエアウェイブの後継モデル)。

フィット自体は2015年にフルモデルチェンジされましたが、フィットシャトルはそのまま販売を継続。フィットとは異なる「趣味やレジャーを愉しむユーザー」をメインターゲットとすべく、フィットの冠を外す形でシャトルとして再登場したわけです。

フィットシャトルは誰が見てもフィットの派生モデルとわかるスタイルでしたが、シャトルはフィットがベースでありながらもフィットとの関係性は車に詳しい人でなければわからないような作りになっています。

これが奏功したかどうかは不明ですがシャトルは目立たないながらもじわじわと売れ続けており、2016年度の新車販売台数ランキングを見るとホンダ車の白ナンバー車としてはフィット、ヴェゼル、ステップワゴン、フリードに続く5番手に位置し、中々の健闘を見せています。

そんなシャトルですが、フィットと同じようにハイブリッド仕様とガソリン仕様がラインナップされています。

誰もが燃費の良いハイブリッド車に目が行きがちですが、車両本体価格が高くなるため躊躇してしまう人も多いと思います。そこで今回は、シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様を主にお金の点で比較を行い、どちらを買った方が得なのかを考えてみたいと思います。







シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の代表的なグレードを比較

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引用:http://autoc-one.jp/honda/shuttle/whichone-2227814/photo/0010.html

それではまず最初にシャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の中から代表的なグレードを1つピックアップしたいと思います。

と言っても、実はシャトルのガソリン仕様は「G」という1グレードしかありません。

ハイブリッド仕様は上から「HYBRID Z」「HYBRID X」「HYBRID」という3つのグレードがあります。

搭載されるエンジンはハイブリッド仕様、ガソリン仕様共に1.5L i-VTECエンジンで同じで、ハイブリッド仕様はもちろんここにモーターが組み合わされます(i-DCD)。

トランスミッションはハイブリッド仕様が7速DCT、ガソリン仕様はCVTです。

駆動方式はハイブリッド仕様、ガソリン仕様全てのグレードで2WD(FF)と4WDが用意されています。

つまりハイブリッド仕様のグレード間の差は基本的に装備の差となり、上のグレードになればなるほど装備は充実する、ということになります。

あとはグレード間の装備差と価格差を考えながら、それがお買い得なのか、納得出来るのかを考えれば良いわけです。

ちなみにガソリン仕様のGに相当するハイブリッド仕様のグレードは、あえて言えばHYBRIDになります。

「あえて言えば」とわざわざつけたのは、正確にはGの装備はHYBRIDに比べてもやや劣るからです。

それはさておきハイブリッド仕様のおすすめグレードですが、ここは無難に最上位グレードのHYBRID Zとしたいと思います。

HYBRID Z(FF)の価格は2,395,000円、HYBRID X(FF)は2,195,000円、価格差は20万円です。4WDは167,600円です。

装備差ですが、「運転席&助手席ヒートシーター」「トノカバー」「ルーフレール」がHYBRID Zにはつき、HYBRID Xにはつきません。

またエアコンがHYBRID Zには左右独立温度コントロール機能がつき、タイヤ&ホイールがHYBRID Zは「16インチアルミ+タイヤ」が標準装備ですがHYBRID Xは「15インチスチールホイール+タイヤ+フルホイールキャップ」が標準装備となります。アルミホイールにしたければオプションを装備するしかありませんが、それでも15インチです(下記画像はHYBRID Zの16インチアルミ+タイヤ)。

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引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20150605-20102472-carview/photo/11/#contents

これら以外には「コンフォートビューパッケージ」(親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラス+熱線入りフロントウインドウ)がHYBRID ZとHYBRID Xの4WDでは標準装備されますが、HYBRID XのFFではオプション装備となります。

「HYBRID ZにあってHYBRID Xにないもののうち、HYBRID Xでオプション装備が可能なもの」は唯一これだけです。他はオプションであってもHYBRID Xでは装備することが出来ません。

これらの装備差を考えると、20万円の価格差はまあ妥当なところと考えることが出来ます。



シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の燃費を比較

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引用:http://autoc-one.jp/honda/shuttle/special-2238543/photo/

それでは次にシャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の燃費を比較してみたいと思います。

メーカーが公表しているシャトルの燃費は、ハイブリッド仕様が25.8~34.0km/l、ガソリン仕様が19.4~21.8km/lとなっています。

幅が広いので少々補足をすると、ハイブリッド仕様のFFが29.6~34.0km/l、4WDが25.8~27.6km/l、ガソリン仕様のFFが21.8km/l、4WDが19.4km/lです。

先ほどハイブリッド仕様のおすすめグレードに挙げたHYBRID Z(FF)は29.6km/lで、ハイブリッド仕様のFFでは唯一30km/lを切っています。

ホンダのハイブリッドシステムにはシンプルな作りの「IMA」、最も効率が良い「i-MMD」、デュアルクラッチを採用した「i-DCD」の3タイプがありますが、シャトルに採用されているのはヴェゼルなどと同じi-DCDです。

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引用:http://autoc-one.jp/honda/fit_hybrid/whichone-1446421/photo/0014.html

I-DCDは7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせて燃費性能と動力性能を高次元で両立させており、「走って愉しいハイブリッド」と言われています。

さて、燃費についてはカタログ燃費よりも実際に乗っている人からの口コミの方が気になるものです。

そこでここからはシャトルの燃費に関する口コミをご紹介したいと思います。

まず最初に燃費口コミサイト「e燃費」に寄せられているシャトルの実燃費データから見てみましょう。

ハイブリッド仕様の燃費の口コミの平均は21.91km/l、ガソリン仕様は17.84km/lです。

対カタログ燃費比での達成率はハイブリッド仕様が64.43 %、ガソリン仕様は81.82 %となります。

この結果を見る限り、ハイブリッド仕様は残念ながらカタログ燃費ほどの実燃費が出ていないようです。ガソリン仕様も実燃費がカタログ燃費に劣るのは同じですが、達成率は8割を超えているのでこれは優秀な方だと言えます。

続いて「価格.com」に掲載されているシャトルの実燃費に関する口コミをご紹介します。

まずはハイブリッド仕様(FF)からです。

高速7割、郊外(若干山道)2割、市街地1割でメーター表示24km/lでした。高速は半分渋滞にはまって20-30km/hでノロノロ動いていて、かつ途中Sモードやパドルシフトを試してこの燃費はすごいの一言です。

表示燃費20.3km/lです。スタッドレスタイヤ着用なのでまあ良いのでしょうか。

街乗りエアコンガンガンだと10km/lぐらいの時もあったような、とりあえず今は平均19km/lです。インパネで確認した数値です。

20~22km/l位です。ホンダのネットデーターだと上位1/3位なのでまだまだ頑張ります。

ガソリン仕様に関する口コミは以下の通りです。

都心部での街乗り・高速・郊外の長距離ドライブ・アイドリングのままでの休憩と、かなり様々なシチュエーションで使っているが、平均15km/l前後ってとこ。先代フィットでは12~13km/lくらいだった。

平均移動距離が長いということもあるかと思いますが、ほぼカタログ値が出ます。高速メインですが、約700キロ走って20.4km/lを記録しました。追い越しや飛ばし気味、街中での渋滞を考えてもこの燃費は驚異ですね。瞬間燃費計で巡航速度に乗れば25km/lを切ることはないですね。(上り坂などは除く)ガソリン車でこれだけ燃費がいいとは恐れ入ります。

燃費は、チョイ乗りばかりなので12~13km/lですね。距離をあんまり乗らないので(3か月で1000km位)、最初からガソリン車にしました。

気をつけて走って大体16km/l。雑に走ると13km/l程度かな。まぁガソリン車なこんなもんでしょうか。

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シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の維持費を比較

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引用:http://autoc-one.jp/honda/shuttle/report-2203869/photo/0004.html

それでは次にシャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の維持費を比較してみたいと思います。

ここではハイブリッド仕様からはHYBRID Zを、ガソリン仕様からはGをそれぞれ代表グレードとして取り上げることにします。

まず最初に比較するのは車両本体価格と購入時に必ず納める必要がある自動車重量税と自動車取得税、そして自動車税です。

2017年現在、いわゆる「エコカー減税」制度が施行されており、国が定める排気ガス基準や燃費基準の達成度合いによってこれらの税金が一定割合減免されることがあります。

シャトルはハイブリッド仕様もガソリン仕様もエコカー減税の対象になっており、減免を反映させた金額は以下の通りです。

HYBRID Z(FF)G(FF)
車両本体価格(税込)2,395,000円1,695,000円
自動車取得税免税約33,900円(20%減税)
自動車重量税免税16,800円(25%減税)
購入時に納める自動車税0円~31,600円0円~31,600円
翌年度の自動車税9,000円(75%減税)34,500円(減免なし)
購入時に納める税金の合計0円~31,600円50,700円~82,300円

なお、ハイブリッド仕様でもHYBRID Zの4WDは「自動車取得税60%減税・自動車重量税75%減税・自動車税50%減税」となり、ガソリン仕様のGの4WDはエコカー減税が適用されませんので注意して下さい。

まず自動車取得税ですが、これは50万円以上の車を購入する際に発生する税金です。

税額は財団法人地方財務協会が発行する「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」に車種ごと、グレードごとに細かく記載されていますが、課税標準基準額は概ね車両本体価格の90%で、税額はその3%と見ておけば大丈夫でしょう。

自動車取得税はHYBRID Zは免税、Gは20%減税です。

自動車重量税は購入時と車検時に発生する税金で、車両重量が重くなれば重くなるほど税額が上がっていきます。

自動車重量税はHYBRID Zは免税、Gは25%減税です。

エコカー減税で自動車重量税が減免されるのは通常購入時の1回のみですが、シャトルのハイブリッド仕様は全てのグレードで「平成32年度燃費基準+50%達成」「平成32年度燃費基準+40%達成」をクリアしているため、3年後に受ける1回目の車検時も免税となります。

自動車税は毎年4月1日時点で登録されている車に発生する税金です。購入時は本来の税額の翌年3月分までの月割りを納めることになり、エコカー減税の減免を受ける場合は翌年度分が対象となります。

翌年度の自動車税はHYBRID Zが75%減税、Gは減免なしです。

なお、ハイブリッド仕様は全てのグレードで2018年度も引き続き同じようにエコカー減税が適用されますが、ガソリン仕様のG(FF)は2017年6月時点で燃費基準が「平成27年度燃費基準+10%達成」に留まっているため、このままでは2018年以降はエコカー減税が適用されなくなってしまいますので注意して下さい。

もし仮にエコカー減税がなかった場合、本来は以下のような税額となります。

HYBRID Z(FF)G(FF)
車両本体価格(税込)2,395,000円1,695,000円
自動車取得税約59,800円約42,400円
自動車重量税22,500円22,500円
購入時に納める自動車税0円~31,600円0円~31,600円
翌年度の自動車税34,500円34,500円
購入時に納める税金の合計82,300円~113,900円64,900円~96,500円

つまりエコカー減税制度によりHYBRID Zは約107,800円、Gは約14,200円の税額が安くなっている、ということになります。

次にカタログ燃費を元に、年間走行距離を1万キロ、および2万キロと仮定した場合のガソリン代を計算してみましょう。

シャトルのカタログ燃費はHYBRID Z(FF)が29.6km/lで、ガソリン仕様のG(FF)が21.8km/lです。

どちらも使用燃料はレギュラーガソリンとなっていますが、今回はガソリン1リットルあたり127円と仮定して計算することにします。

HYBRID Z(FF)G(FF)
リッター127円のレギュラーガソリンで年間1万キロ走行した場合のガソリン代42,926円58,293円
リッター127円のレギュラーガソリンで年間2万キロ走行した場合のガソリン代85,852円116,586円

年間走行距離が1万キロであればガソリン代の差は15,367円、2万キロであれば30,734円です。

1回目の車検までは3年ありますので、3年間で計算すると1万キロで46,101円、2万キロで92,202円ということです。

ちなみにHYBRID ZとGの車両本体価格の差は約70万円です。

HYBRID Zを買った人が70万円の元を取ろうとすると、年間走行距離1万キロで約46年、2万キロで約23年かかる計算になります。

現実問題として元を取るのは非常に厳しいと言わざるを得ません。年間4万キロで11年半なので、その位でようやく可能性があるかな、というところですが、そうなると総走行距離が46万キロを超えてきますので別の問題が出て来るかと思います。

HYBRID Zはハイブリッド仕様の最上位グレードなので、シャトル全体の中で最も装備が簡略化されているGとの比較には本来適当ではありません。そこでハイブリッド仕様の最廉価グレードであるHYBRID(FF)とも比較を行ってみましょう。

HYBRID(FF)の車両本体価格は1,995,000円なので、G(FF)との価格差は30万円になります。

HYBRID(FF)の燃費は34.0km/lなので、年間走行距離1万キロでかかるガソリン代は37,338円、2万キロで74,676円、つまりG(FF)との差額がそれぞれ20,955円、41,910円となります。

HYBRID (FF)G(FF)
リッター127円のレギュラーガソリンで年間1万キロ走行した場合のガソリン代37,338円58,293円
リッター127円のレギュラーガソリンで年間2万キロ走行した場合のガソリン代74,676円116,586円

ということは30万円の元を取るには、年間走行距離1万キロで約14年、2万キロで約7年かかります。

HYBRID Zに比べてHYBRIDはGとの価格差が小さくなること、HYBRID Zに比べてHYBRIDは燃費が良く、Gとの燃費差(=ガソリン代の差)が大きいことから、一気に現実的な数字になりました。

もしもどうしても「同じ車のガソリン仕様に対して元を取るんだ」という強い執念があるのであれば、シャトルの場合はHYBRIDを買えば達成出来る可能性は高い、ということになります。

しかしGはHYBRIDに比べてもまだ装備が落ちるので、同じ土俵の上で戦っているとは言い難い点は頭に入れておいて下さい。

最後に購入した年、2年目、3年目でそれぞれ必要になる金額の合計を計算してみましょう。

■購入した年(購入月~翌年3月まで)

HYBRID Z(FF)G(FF)
車両本体価格(税込)2,395,000円1,695,000円
自動車取得税免税約33,900円(20%減税)
自動車重量税免税16,800円(25%減税)
購入時に納める自動車税0円~31,600円0円~31,600円
ガソリン代(年間走行距離1万キロと仮定)3,112円~37,338円4,858円~58,293円
合計2,398,112円~2,463,938円1,750,558円~1,835,593円

前述のように購入した年は自動車税が月割りとなります。そのため購入した月によって税額が変わります。ガソリン代も自動車税に合わせる形で購入した月によって翌年3月までの残月数が変わるので、幅を持たせています。

年間走行距離が2万キロの場合のガソリン代はHYBRID Zが6,223円~74,676円、Gは9,716円~116,586円となりますので、合計はそれぞれ2,401,223円~2,501,276円、1,755,416円~1,893,886円です。

■2年目

HYBRID Z(FF)G(FF)
自動車税9,000円(75%減税)34,500円(減免なし)
ガソリン代(年間走行距離1万キロと仮定)37,338円58,293円
合計46,338円92,793円

HYBRID Zは2年目にエコカー減税による自動車税の減免が受けられます。Gは減免がないので正規の税額となります。

年間走行距離が2万キロの場合のガソリン代はHYBRID Zが74,676円、Gは116,586円となりますので、合計はそれぞれ83,676円、151,086円です。

■3年目

HYBRID Z(FF)G(FF)
自動車税34,500円34,500円
ガソリン代(年間走行距離1万キロと仮定)37,338円58,293円
合計71,838円92,793円

HYBRID Zも3年目になると自動車税は正規の税額になるので合計金額が変わります。ガソリン仕様は2年目と同じです。

年間走行距離が2万キロの場合のガソリン代はHYBRID Zが74,676円、Gは116,586円となりますので、合計はそれぞれ109,176円、151,086円です。



シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の比較まとめ

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引用:http://www.carsensor.net/contents/editor/category_849/_29453.html

以上、シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様をスペックや燃費、ランニングコストの面から比較をしてみました。

シャトルのガソリン仕様は1グレードしかない上に、ハイブリッド仕様にそれに相当するグレードがないため「ハイブリッド仕様とガソリン仕様のどちらがお得か」という比較が非常にしにくいという状況にあります。

本文中にも触れたようにガソリン仕様のGは装備面でも簡略化されていますし、ある意味での割り切りを持てる人でないとあまり積極的におすすめ出来るグレードでもありません。

実際にディーラーに聞いても、シャトルのハイブリッド仕様とガソリン仕様の販売比率は9:1くらいとのことでした。

そのため、シャトルを買う場合はガソリン仕様の存在はあまり考えず、素直にハイブリッド仕様のみを候補に挙げてグレード選びをした方が良いと思追います。