新型カローラフィールダーの燃費情報が公開されています。
こちらでは新型カローラフィールダーの燃費に関するデータをグレード別にご紹介します。
懐かしい車です。カローラは、日産サニーの後「プラス100ccの魅力」を謳ってあっという間にサニーを追い越して行きました。
偉大なる平凡
SUV・ミニバン・セダンなど世の中の車の中で、95%の使い道にカローラは適合し、満足できる造りであり、間違いを起こさない存在です。
現在でもワゴンの中ではホンダ・シャトルを押さえてダントツの1位、全車種でも20位といまだに多くのユーザーに支持され続ける理由は何なのか? 日本車のみならずVWビートルと共に世界中の車の中でも「偉大な車」と呼んでも良いのではないでしょうか。
当時、B・C戦争といわれていた日産・ブルーバード対トヨタ・コロナの戦いが熾烈を極めていたのですが、日産はサニーを開発したのでした。
国民所得で月収の10倍、つまり月給の10ヶ月分で車が買えるようになるとモータリゼイションが始まると言われていたので、当時の国民所得にあわせてブルーバード、コロナが1,500ccであったので「排気量1,000ccの大衆車クラス」を作ることにしたのでした。
当然にトヨタも競合車種としてカローラの開発にかかり発売したのでした。
しかし、その造りは当時「60点主義」といわれた「商売のトヨタ」を前面に出した、これといって特徴の無いものでした。
この「偉大なる平凡」は現在にも引き継がれ、車の全使い道の95%はカバーしていると考えられるほど、マーケットリサーチに従った設計です。
95%の使い道において、満足される車
しかし、世の中の自動車市場も成熟してきており、セダン、ミニバン、SUV、ステーションワゴンなど専門車種に分化してきています。
これは市場が成熟すると、どの商品分野でも起こることで、トヨタも専門車種を用意して、グローバル展開をしてきました。そのあおりで1車種に人気が集中することは無くなり、多くの車種で売上を伸ばす「ワイドバリエーション」となり、カローラはその中に埋没した感があります。
しかし、その性能、とくに燃費に関する性能は、世界第一級を示しており、同じトヨタの燃費のシンボリックカーであるプリウスに続く新技術を与えられてきました。
新型カローラフィールダーの燃費
健闘するガソリン車
車種構成の中で今回燃費で取り上げるのは、ハイブリッドGとガソリン車の代表1.5Gです。結果から言いますと新型カローラフィールダー1.5Gは、トータル18km/Lと立派です。
ハイブリッド車にも場面によっては対向できるほどの燃費です。市街地ではさすがに14km/Lとハイブリッド車にはかなり劣りますが、高速道路では23km/Lとハイブリッドに場面によっては勝ってしまいます。
それもそのはずでガソリン車の1.5Lエンジンは、109馬力/6000回転とかなり高回転型エンジンとなっており、高速走行に強いのが分かります。
1.8Lエンジンの馬力あたり車両重量8.3kgには、遠く及ばない10.5kg/馬力ですが、これは燃費向上を考えダウンサイジングされたNA(自然吸気)1.5Lエンジンとしては大変優秀な値です。
その秘密は、バルブタイミングを電子制御しているトヨタが開発した電動バルブにあるのですが、エンジン圧縮比13はかなりのもので、一昔前のレーシングエンジンです。
これは最大馬力を求めているのではなく熱交換率つまり燃費向上を求めた結果の技術です。さすがにトヨタの秘蔵っ子・新型カローラフィールダーです。
目立たぬところで新鋭技術が投入されているのです。その他、吸入空気の冷却に気を使い、吸気のラム圧を高めるなど、レーシング技術といってよいチューンです。
こんな平凡な車にこのような技術を使うのは、いまやGT-Rのようなレーシングカーともいえるシンボリックカーの存在は、一般市場においては、プリウスのような高燃費車に取って替わってきている世相の現れなのかもしれません。
○ガソリン車
1.5G
TOTAL:18lm/L
市街地走行14km/L
高速走行 23km/L
○HYBRID
1.5G
TOTAL:24km/L
市街地20~35km/L
高速走行 20~35km/L
高速走行 時速80~90km走行で26~27km/L
時速90~100km走行で24km/L
ハイブリッドはともかく、ガソリン車でも優秀な成績のカローラフィールダー。
やはり、トヨタの主義を貫く誰にでも扱える車として、平均点を取る車です。
値引きも平均点なのか、ですが、値引きはこちらの技量次第。
新型カローラフィールダーの値引きの方法については、
「新型カローラフィールダー 値引き術!」で詳しく解説しています。
カローラフィールダーを購入する際の参考としてください。
ハイブリッドEVモードの功罪
これは走り方で大きく変わることを表しており、どのような運転であるかが問題です。
おおむね発電用にエンジンが始動しないようアクセルワークを抑えることで燃費が向上するようです。
しかしながら、信号停止からアクセルをそ~っと踏み込んでエンジンが掛からないようにすると、軽自動車に置いていかれるほどのスローな発進となってしまいます。
一般道路では、何より信号停止からの発進を素早くすることが渋滞を起こさない運転であり、そこでもたつくことは、かなり迷惑な運転となります。
ある大学教授の研究グループが「停止しない運転が渋滞を避ける秘訣」と研究結果を紹介しているのですが、高速道路のように信号機のない状態に限られます。
信号機で止まる一般道路では、「信号が青の間にどれだけの台数が通れるか」にかかっていますので、発進が鈍いと青の間に通過できる車が限られてしまい、渋滞の原因をつくることとなってしまいます。
さらにハイブリッドの場合、車が惰性で動いている間に発電が出来ます。そのため信号が赤であると、ずいぶんと手前から惰性にする車があると、手前で曲がる車などで混乱が起きやすく事故を誘発する危険が増します。
EV走行に徹することが、ハイブリッド車では燃費向上のテクニックですが、ほどほどにしないと迷惑運転となってしまいます。しかし一般道路で30km/Lを超える記録もあるとは立派です。
ガソリン車の場合、何と言っても高速道路では1.5倍程度は燃費が伸びるものです。それがハイブリッドでは、あまり変わらないデータと共に、逆にJC08モードよりも良い結果となっている場合があるのです。そして良い結果が出るのは
時速80km程度で流している状態の時で、悪くなるのは時速100kmから上の高速領域のようです。これは意外でした。
時速120km程度までは走りやすくしておかないと、実際の場面では危険を感じることがあります。90kmぐらいの前方の車両を抜きにかかると、抜かれようとする車が加速することが多いのです。
抜かれ始めて100kmを下回っていたことに気付くのでしょう。加速してしまうのです。その時、110km程度では追い越し車線に出ている時間が長くなりすぎるので、120kmぐらいまでは加速してしまうことになります。
全ての走行性能はそこまで、つまり120kmぐらいまでは安全に経済的に走れる必要を感じます。もちろん走行能力に不安は無いので、この追い越し程度にすれば24km/L程度の記録は出るようです。
エンジン特性の非凡
これはハイブリッド車の1.5Lエンジンの特性に現れています。ガソリン車1.5Lエンジンの109馬力/6000回転に対して、74馬力/4800回転を見れば、ハイブリッド車のエンジンは、かなり低回転型になっています。
モーターアシストが強力ですので低回転域ではかなり使いやすいはずです。そのかわりエンジンが低回転型にシフトし過ぎていて、高速の伸びが不足しているのです。
どうしてこれほど極端に低回転型としているのか不思議に思いました。高回転型のガソリン車向けエンジンとモーターの組み合わせの方が、多少JC08モードでの燃費は悪くなると思いますが、バランスは良い気がします。
これは国土交通省のJC08モードの走行パターンが、最高速80キロ以下で設定されており、高速走行がないのです。実用的には全く問題ないどころか、逆に市街地での燃費を向上させているのですが、現状、高速走行を考慮しないのは、少々バランスが悪いと言えます。
このJC08モードの数値に過剰に反応している嫌いが感じられます。街乗りが中心で、高速道路は時速80~90kmぐらいで流し、100kmは追い越しの時も超えないようにとの考えでしょう。
排気ガスの計測もありますので、今後はVWの問題もあり100km定速走行もモードに取り入れて欲しいものです。
万全な日常車
日本のファミリーカーを代表する存在であることが、燃費性能からも明確です。現在、カローラのオーナーは高齢者が増えているのですが、その年齢層にとっての日常使用について、よくリサーチを行っているのでしょう。
スポーツ走行にはほどほどにしか対応していませんが、一方で荷物を積んでの業務にも使える便利さがあり、ファミリーに不便を感じさせることは無いようです。
平凡といわれるその商品コンセプトでありながら、投入されている技術は新鋭のものです。これから安全運転アシストを充実させることが市場で求められてくると、カローラには最大級の技術が投入されることでしょう。
現在、トヨタは安全運転アシストに消極的といわれていますが、それはマーケットリサーチでユーザーがそれほど価値を置いていない結果であります。
メディアが取り上げるようになってから市場が動き、その動きに合わせてトヨタは商品開発をします。特にカローラは「後出しじゃんけん」です。
でも250万円でハイブリッド車が買えるのです。A I (人工知能)を投入する時期はそこまで来ているので、来年辺りのモデルチェンジの時には、大きく変わってくるのでしょう。
トヨタがTNGAと呼んでいる世界的な規模でカイゼンを進める中で、カローラの歩んできた道筋を振り返り、さらなるカイゼンが進むことを願っています。
「偉大なる平凡」バンザイ!
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