新型ランドクルーザー200は試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型ランドクルーザー200の試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
目次
新型ランドクルーザー200に試乗してみた
引用:http://minkara.carview.co.jp/userid/1721492/blog/36440413/
編集部では新型ランドクルーザー200をオーナーの方からお借りする機会を得ましたので、その際の試乗レポートをお届けします。
今回の試乗に用いたのは2016年型のAX”Gセレクション”で、現行型になります。
試乗したのは第三京浜玉川ICから横浜新道→国道1号線→国道134号線→西湘バイパス→箱根新道→芦ノ湖、というコースです。
距離にして約90km、一般道と高速道路(有料道路)、ワインディングの割合は概ね3:5:2程度というところになります。
高速道路での走りはまさにクルーザー
引用:http://autoc-one.jp/toyota/landcruiser_200/report-2395640/
今回の試乗で最も印象に残ったのは高速道路走行時の快適さです。
静粛性が非常に高く、車外からの音はエンジン音や風切音、ロードノイズも含めてほとんど入ってきません。
試乗車はナビ&オーディオは社外品が装着されており、スピーカーはオーナー曰く「かなり高価なもの」に交換されていましたが、車内で流れていたジャズの調べはかなり細かい音までハッキリと聞き取れるほど静かでした。
制限速度プラスアルファ程度の速度で走っても同乗者との会話に声のボリュームを上げる必要は全くなく、まるでリビングで隣に座っている人と会話をしているかのような感覚です。
さすがに2.7t近い車両重量なだけあって直進安定性は非常に高く、今までに味わったことのないようなどっしりとした安定感がありました。まさに「クルーザー」の名にふさわしい走りです。
車高が高いゆえに目線も高くなるので、セダンやミニバンなどに比べると少し道路や他の車を見下す形で気分よく走ることができます。
またより遠くまで見通すことができますので、前方の道路状況を把握しやすいです。渋滞時などには疲労度が軽減されると思います。
「乗員をしっかりと包み込む頑強なボディ」「安定感のある走り」「車外を見下すような高さの目線」という3つの要素から、新型ランドクルーザー200で高速道路を走っていると何やら「負ける気がしない」という妙な強気や優越感が襲ってきます。
だからといって乱暴な走りは絶対に禁物ですが、大きな安心感と静寂な空間に支配された贅沢な時間を過ごすことができるといえます。
引用:http://autoc-one.jp/toyota/landcruiser_200/report-2395640/photo/0007.html
ただし1つだけ気になったのは「足回りが多少軟らかめかな」というところです。これは特に路面のギャップを越えたりする際に感じました。
サスペンションの動きが収束しない、ということはありませんが、良くいえば「ふわふわ」悪くいえば「ぐにゃぐにゃ」とした感覚を覚えます。
これは「乗り心地が良い」と好意的に受け止める方もいるでしょうし「サスが軟らかいな」とネガティブに感じる方もいるでしょう。ハンドルを握っていた筆者は後者と受け止めました。
ただしこれは本格的な悪路走破性を求められるクロスカントリー車は多少致し方ないところです。足回りに柔軟性を持たせておかないと岩場やガレ場でのスムーズな走りはできないからです。
足回りのシャッキリ感を優先するのであればクラウンやアルファード/ヴェルファイアを選択した方がいいかもしれません。
市街地での走りは取り回しのキツさを感じることも・・・
引用:http://www.webcg.net/articles/-/33346
新型ランドクルーザー200での市街地走行ですが、今回の試乗で走った国道1号線や国道134号線のように十分な車線幅のある幹線道路を走っている分には何の問題もありません。
しかしそれはあくまでも大通りを走っている時の話で、1本裏の路地へ入ると車体の大きさがネックになる場面もありました。
例えば本来曲がるはずの交差点を通り過ぎて1つ先の交差点で曲がってしまい、路地を抜けてリルートしたことが数回ありましたが、いわゆる4m道路のような道を走る際はかなり気を遣います。
引用:http://johoku.cocolog-nifty.com/photos/kiyokawa22/roji2.html
新型ランドクルーザー200の全幅は1,980mmなので、少し大きめの車が対向側からくるとすれ違いは困難で、路上に電信柱が設置されているような場所だとほぼ確実に無理です。
全幅にばかり注目がいきがちですが、新型ランドクルーザー200は全長も4,950mmとかなり長く(クラウンは4,895mm)、この長さも細い路地を走る時にネックになります。
特に感じるのがボンネットの長さです。
ボンネットが長いので、細い路地を曲がる際にはかなり車を前に出さないと角の向こうの様子がわからず、かと言って前へ出し過ぎるとぶつけてしまいそうになる、という場面が数回ありました。
慣れれば車体感覚は掴めるようになるとは思いますが、短いボンネットのミニバンの運転しかしたことがないような方だと最初は非常に苦労することになりそうです。
引用:https://www.pinterest.jp/pin/736549714029301540/
試乗をする前は2.7tの車重は動きに重さを感じるだろうな、と予想していましたが、予想に反して動き出しも非常に軽く、車重の重さが不利に働くような場面も特にありませんでした。
前述したように新型ランドクルーザー200は目線が高くなりますが、その便利さはむしろ市街地走行の方が強く感じることができます。
市街地は場所によっては建物の配置や道路のカーブの関係で見通しが非常に悪い場所がありますが、目線が高いと危険な箇所を早めに認識したり、先を見越した運転が可能になるからです。
ワインディングは得意ではない
引用:http://9.pro.tok2.com/~seabird1297/A54_3.htm
新型ランドクルーザー200とワインディングの相性は正直なところ悪いと感じました。
理由はいくつかありますが、まず1つめの理由が「車体の大きさ」です。
前述のように新型ランドクルーザー200は幅がある上に長いです。タイトなカーブが続く片側1車線のワインディングではおせじにも軽快に走るとはいえません。
ステアリングが重いということはありませんが、常に「よっこらしょ」という感じでカーブを抜けていくことになります。
そして2つめの理由が「重心が高い」ということです。これは1つめの理由よりもはるかに大きな問題です。
カーブをクリアする際に比較的大きく車の上の方が右へ左へ揺れる感じがあります。恐らく腰上の重量が重く、重心が高いのではないかという気がします。
クロカン車は横転した時に備えて屋根が頑丈な作りになっていると聞きますが、新型ランドクルーザー200も屋根が重くなっている上に重量バランスがよくないのかもしれません。
制限速度でのんびり走っている分にはそれほど問題はありませんが、ほんの少し早めのペースで走るとやや恐怖心を覚えます。少なくともワインディングの走りを愉しめる、という雰囲気はありません。
新型ランドクルーザー200の内装をチェック
引用:http://toyota.jp/landcruiser/interior/seat/
今回試乗したAX”Gセレクション”の内装はシート表皮に本革が使われており、内装色はブラックかニュートラルベージュをチョイスすることができます。
試乗車はブラックでしたが、さすがにトヨタのフラッグシップモデルの本革だけあって納車から2年を経過していてもピンとした張りを保っていて質の高さを感じました。
新型ランドクルーザー200のグレード間格差が最も大きいのがシートです。
素材1つをとってみても、ZXはプレミアムナッパ本革、AX”Gセレクション”が本革、AXがモケット、GXがトリコットと全て素材が異なります。
機能面でも1列目シートはZXとAX”Gセレクション”が8ウェイパワーシートでZXのみ運転席がクッション長電動可変機構とメモリー付き、AXとGXが運転席8ウェイ&助手席4ウェイのマニュアルシート、2列目シートはZXとAX”Gセレクション”、AXが4:2:4分割・リクライニング機能付/スライド・タンブル6:4分割でZXのみパワースライド機構付、GXがセカンドシート6:4分割・リクライニング機能付・スライド・タンブル6:4分割、3列目シートはZXがセミパワーでシートバック5:5分割/スペースアップシート、跳ね上げ機構付、AX”Gセレクション”はマニュアルでシートバック5:5分割/スペースアップシート、跳ね上げ機構付、という具合に上位グレードほど電動になったり細かい分割ができたりします。
またZXにはこれらに加えて乗降時にステアリングとシートが動いて乗降しやすくする「パワーイージーアクセスシステム」と蒸れ防止の「フロントシートベンチレーションシステム」がつきます。
引用:http://toyota.jp/landcruiser/interior/indoor_space_equip/
シート自体の形状や内部構造はどれも同じです。
最も多機能なZXを選ぶに越したことはないですが、AX”Gセレクション”でも十分だと思います。フロントはパワーシートですし、2列目シートのスライドはマニュアルになりますが、2列目シートをスライドさせる機会はそう頻繁にはないと思いますので問題はないでしょう。
唯一残念なのはAX”Gセレクション”の運転席にはメモリー機能がないことです。ZXのメモリー機能は3人分のシートポジションをメモリーしておくことができますが、普段運転する方が複数いる場合は便利です。
引用:http://www.webcg.net/articles/gallery/33346
シート以外にグレード間格差が出るのはステアリングで、ZXとAX”Gセレクション”は木目調+本革巻きステアリングホイール+ステアリングヒーター、AXは本革巻きステアリングホイール、GXはウレタンステアリングホイールが装備されます。
さすがにウレタンに比べると本革巻きの方が質感は高いですが、新型ランドクルーザー200の木目調ステアリングはそれほどの高級感は感じません。
あくまでも木目「調」なのでイミテーションですが、見た目も触った感じもいかにもチープな印象を受けます。価格や車格を考えるともう少し何とかして欲しいところです。
ステアリングヒーターは寒冷地にお住まいの方にとっては非常に便利な機能だと思います。末端冷え性の方にもおすすめかもしれません。
インパネ周りの質感は「可もなく不可もなく」といったところです。質感や雰囲気といった点ではレクサスNXやRXに軍配が上がると思います。ただし使い勝手は新型ランドクルーザー200の方が良いでしょう。初めて乗ってもどこに何があるかの把握がしやすい上、スイッチ類のカッチリ感が非常に心地良いです。
新型ランドクルーザー200の試乗レポートまとめ
引用:http://www.webcg.net/articles/gallery/33346
以上、新型ランドクルーザー200の試乗レポートをお届けしました。
今回新型ランドクルーザー200に試乗してみて、素直に「良い車だなあ」とは思いました。
作りがガッチリとしているので仮に事故にあっても車が身を守ってくれそうですし、家族を同乗させている場合も安心です。
車内は広くゆったりとした作りな上に高級感が高く、静粛性も保たれているので非常にリラックスできて居心地の良さを実感できます。
しかし車体が大き過ぎる点や、クロカン車ゆえの足回りの軟らかさ、重心の高さといったネガティブな点が非常に気になります。
思うに、新型ランドクルーザー200の評価は「ステータス」と「オフロード性能」をどこまで重視するかにかかってくると思います。
トヨタのフラッグシップモデルで「陸の王者」こと新型ランドクルーザー200はレクサスやクラウン並みのステータスがあります。押し出しも強いですし、人に自慢することができる車です。
ステータスを重視する方は「買い」でいいと思います。
ただしレクサスRXやLX、メルセデスベンツGクラスやBMW X5などに比べると・・・という点はあるかもしれません。
またオフロード性能については、世界中の過酷な環境での使用を想定して作られていることからもわかるように、折り紙つきであるといえます。オフロード性能において新型ランドクルーザー200を凌ぐ車というのはそうそう見当たらないでしょう。
山の奥深くまで入って仕事をされるような方や、レジャーとしてオフロード走行を楽しむという方も「買い」といって良いと思います。
逆に言えばそこまで本格的なオフロード性能は求めない、もう少しオンロード寄りでいい、という方はランドクルーザープラドや日産エクストレイルなども候補に挙げて十分検討しましょう。
これらの方が車体サイズも含めてオンロードでの使い勝手はいいはずですし、オフロード性能も整備されたスキー場やキャンプ場に行く程度であれば問題ありません。
新型ランドクルーザーは非常に高額な車ですし、あくまでも走行性能重視ですので燃費も悪いです。ある意味では極端な作りになっているので、中途半端な気持ちで買うと後悔することにもなりかねません。
単純な憧れだけで決めるのではなく、本当にこの車と付き合っていくことができるのかどうか、念入りに検討されることをおすすめします。
新型ランドクルーザー200の値引きの方法については、
「新型ランドクルーザー200 値引き術!」で詳しく解説しています。
ぜひ参考に、お得にランドクルーザー200を購入して下さい。