新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの試乗レポート
引用:https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/1151090.html
筆者は2018年11月に発売された新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドのうち、5ドアモデルのラングラーアンリミテッドスポーツに試乗することができましたのでその感想をお届けしようと思います。
実車を目の当たりにしての第一印象は「デカいなー」というものでした。
実際のボディサイズはトヨタランドクルーザーに比べると小さいですし、今までに新型ラングラーアンリミテッドよりも大きな車には乗ったことがありますが、大きさに少し圧倒されてしまいました。
理由は恐らく直線基調のスクエアなデザインにあると思います。特に一直線のルーフ、そこからほぼ90度にストンと下まで落ちたリヤゲートにかけてのラインはバスやトラックを彷彿とさせ、実際の数値以上にボディサイズを大きく見せています。
デザイン自体はいかにも「男の四駆」という、無骨な道具感が伝わってきてわくわく感を感じさせるものでした。
昔トヨタFJクルーザーに乗った時は海へ遊びに行きたくなりましたが、ラングラーアンリミテッドは山に遊びに行きたくなりました。こういう「行動を予感させる車」というのはうれしくなります。
個人的にツルツルしていたり丸っこいデザインのSUVに比べればこちらの方が断然好感が持てました。
車内へ乗り込んでみると、これまた直線基調のインパネ周りのデザインと極太のシフトノブ、トランスファーレバーが良い雰囲気を醸し出しています。
引用:https://autoc-one.jp/jeep/wrangler/report-5003018/photo/0064.html
エアコンの吹き出し口やエアコン周りのスイッチ類の形状や各所の角が丸くなっているので、女性が乗ってもそれほど違和感はないように思います。
質感についてはこの手の車で云々するのはナンセンスな気がしますが、特に不満を感じさせるものではないものの、価格帯を考えるとそれほど質の良さを感じさせるものではありませんでした。この辺りは車に実用性よりもステイタスを求める人は、納得できるものかどうかしっかり確認をする必要がありそうです。
実際に走らせてみたところ、アクセルを踏めば1,950kgという重量級の車体をものともせずにスッと軽い出足で発進します。
この車重に対して2.0Lの直列4気筒ターボエンジンは果たしてどうなんだろう、と思っていましたが、272PSもあるおかげかまったく問題はありませんでした。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39687#image-13
最大トルク40.8kg・mは3,000回転で発生するので、街乗りの実用域でも十分なパワフルさを感じることができました。息継ぎのような感じもなくとてもスムーズです。
ターボの効果は2,000回転くらいから発生しているように感じます。
これはオンロードで乗っている分には問題ありませんが、オフロードを極低速で走っている時(2,000回転未満で走っている時)にはターボが利いていない=性能を十分に発揮できない、ということになるので、(ラングラー)スポーツやアンリミテッドルビコンに搭載されている3.6LのV6NAエンジンの方が有利なのではないか、と思います。
試乗ではバイパスを車の流れに乗って走る場面がありましたが、加速の伸び感はターボの恩恵を十分に感じさせるだけの力強いものでした。今回3.6Lエンジンの試乗はできませんでしたが、同乗したディーラーの営業マンによると「オンロードでのキビキビした加速は2.0Lモデルの方が上かも」とのことでした。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39687#image-13
恐らく高速道路を長い距離移動するようなクルーザー的な使い方をするなら3.6Lモデルの方がラクでしょうが、一般道を中心とした使い方であれば2.0Lモデルの方にやや分があるということになりそうです。
エンジンのパワフルさに加えて感心したのがボディ剛性の高さです。
実は筆者は友人が所有していた旧型のラングラーアンリミテッドに乗った経験があるのですが、この時はギシギシ感が伝わってきて「剛性が甘い大味な車だな」という印象を持ちました。
しかし新型ラングラーアンリミテッドは非常にピシっとしていて、素人でも剛性感の高さを感じることができました。
少しオーバースピード気味でコーナーに侵入しても後ろが置いて行かれる感じやヨレる感じがなく、気持ち良いです。
乗り心地はおおむね良好ですが、多少のやわらかさを感じました。
恐らくオフロードで足が良く動くようなセッティングになっていると思いますが、オンロードでは独特の乗り味に繋がっています。
これは単純に「やわらかい」というネガティブな印象とはまた異なります。
難点を感じたのは後席です。まず後席の乗降性があまり良くありません。
引用:https://kakakumag.com/car/?id=12921
新型ラングラーアンリミテッドは、ボディの長さに対して後席のドアが小さいです。前席と比べるとよくわかります。
その上で後席の下部が後輪のオーバーフェンダーに沿っていますが、この角度が非常に急になっています。
以上2つの理由によって後席の乗降口が単純に狭いです。
荷物をたくさん持っていたり体が大柄な人は多少乗り降りがしにくいと思います。
また少しでも乗降性を良くしようとしたのかもしれませんが、後席の座面が若干短いようです。
引用:https://autoc-one.jp/jeep/wrangler/report-5003018/photo/0060.html
アメ車のシートというと日本人にとってはやや大きすぎるのではないかと感じることもあったりしますが、新型ラングラーアンリミテッドの後席シートはもう少し長くても・・・と思います。
後席に長時間乗る場合、乗る人の体格によっては疲労感に繋がるかもしれません。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの取り回しはどうか
引用:https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1151/090/html/052_o.jpg.html
今回新型ラングラーアンリミテッドを試乗する上で確かめたかったことの1つに、取り回し性能がありました。
結論から言うと「取り回しは多少しにくい」ということになります。
前述のように、新型ラングラーアンリミテッドのボディサイズはランドクルーザーよりも小さいです。最近の車がみんな大きくなっていることを考えると、新型ラングラーアンリミテッドのボディサイズはそれほど極端に大きな数値ではありません(ただし見た目の大きさはあります)。
それにも関わらず取り回しが多少しにくい理由は、1にも2にもボンネットの長さにあります。
引用:https://clicccar.com/2018/10/27/644522/dsc_6684-2/
横から見るとよくわかりますが、新型ラングラーアンリミテッドは車体の長さに対してボンネットの長さが長くなっています。
更にフロントバンパーがボディ下部に突き出すようについていて、鼻先を余計に長くしています。
このボンネット+フロントバンパーの長さが新型ラングラーアンリミテッドの取り回しをやや難しくしています。
ボンネットの角自体は視認できるのですが運転席から見て遠さを感じるのと、その先に突き出しているフロントバンパーは完全に見えないことから、狭い路地の交差点を曲がる時や転回をする時などに「大丈夫かな?ぶつからないかな?」という怖さを感じることになります。
慣れれば問題ないようにも思えますが、恐らく身長の低い人(正確には座高の低い人)にとっては新型ラングラーアンリミテッドを運転する上で最大のネックとなるでしょう。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの試乗レポートのまとめ
引用:https://kakakumag.com/car/?id=12921
以上、新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの試乗レポートを紹介しました。
実際に試乗してみて感じたのは足回りのやわらかさや、ボンネットから鼻先にかけての長さといった「独特のクセ」が色々とあるということです。
普通のコンパクトカーやミニバンからの乗り換えだと「果たしてこの車と付き合っていけるだろうか」という不安感を抱くかもしれません。
頭に入れておかなくてはいけないのは「ラングラーはオフロード性能を最優先にしている」ということです。原則としてすべてがオフロードを安心安全に走るという目的を向いており、快適性なども含めたその他のことは二の次です。
例えばシフトノブが極太なのも、手袋やグローブをつけた状態で操作してもしっかりと掴めるようにという配慮です。
そのためある程度の「クセ」は「ラングラーだから仕方がない」と諦めて慣れるようにするか、「これもこの車の個性」と前向きに受け入れる姿勢が必要だと思います。
気にならない人はまったく気にならないでしょうし、どうしても受け入れられない人もいるかもしれません。購入前には必ず試乗をして、じっくりと見極めるようにしてください。色々な意味で独特な車なので、試乗をしないで買うのは厳禁です。