新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの車中泊の快適さが注目されています。
こちらでは新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの車中泊の様子と主な特徴をまとめましたのでご覧ください。
目次
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドで車中泊はできるのか?
引用:https://autoc-one.jp/jeep/wrangler/report-5003018/photo/0170.html
まず最初に、そもそも新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドでの車中泊が可能なのかどうかを考えてみましょう。
まず3ドアモデルのラングラー(スポーツ)ですが、こちらで車中泊をするにはフロントシートを倒して仮眠をとる程度しかできないと考えるべきです。
後席を足せば荷室を広くとることはできますが、大人が体を横たえて寝るのは厳しいと言わざるをえません。3ドアという点を考慮しても乗り降りはしづらく、現実的ではないでしょう。
5ドアのラングラーアンリミテッドスポーツ、アンリミテッドサハラ、アンリミテッドルビコンであれば車中泊は可能です。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの室内サイズや荷室サイズについて、公式サイトのスペック表には発表がされていませんが、本国アメリカのラングラー関連の掲示板で参考になる数字を見つけました。
引用:https://www.jlwranglerforums.com/forum/threads/jl-wrangler-unlimited-dimensions-measurements-cargo-trunk-rear-seats.2258/
この数字は恐らくインチで書かれていますが、ミリメートルに換算すると荷室開口部の高さ(35.75インチ)が約908ミリ、荷室開口部の幅(41.5インチ)が約1,054ミリ、荷室の高さ(35.5インチ)が約901ミリ、荷室幅が1番広いところ(43.5インチ)が約1,104ミリ、1番狭いところ(40.25インチ)が約1,022ミリとなります。
引用:https://www.jlwranglerforums.com/forum/threads/jl-wrangler-unlimited-dimensions-measurements-cargo-trunk-rear-seats.2258/
荷室の奥行ですが、2列目シートが立っている状態(34.5インチ)で約876ミリです。
引用:https://www.jlwranglerforums.com/forum/threads/jl-wrangler-unlimited-dimensions-measurements-cargo-trunk-rear-seats.2258/
2列目シートが畳まれている状態(74インチ)で約1,879ミリです。
車中泊を考える上で大事な数字は2列目シートを倒した状態での荷室の奥行(長さ)と高さですが、新型ラングラーアンリミテッドの荷室はセンチメートルに換算すると高さは約90センチ、長さは約187センチあります。大人1人が車中泊をするには十分な広さであると考えられます。
ちなみに斜め方向の長さは計算すると約200センチ少しはあるはずですので、身長の高い人は体を斜めにすれば寝ることはできると思います。
なお荷室幅は約100センチ少しありますが、旧通産省生命工業技術研究所が発表した「設計のための人体寸法データ集」によると、日本人の肩幅の男女平均値は43.2センチとなっています。
男性に限れば45.6センチですので、男性2人が横に並ぶと多少厳しいものの何とか横並びで寝られる、という感じでしょう。
男女1人ずつなら多少余裕があるでしょうが、どちらにしても寝返りをうつのはちょっと大変そうです。
大人1人と子ども1人ならかなり余裕があると思います。
以上のことから、新型ラングラーアンリミテッドでの車中泊は「大人1人であればある程度余裕をもってできる」という結論になります。
新型ラングラー/新型ラングラーアンリミテッドは意外に狭い?
引用:https://autoc-one.jp/jeep/wrangler/report-5003018/photo/0062.html
ラングラー、特に新型ラングラーアンリミテッドといえば、いかにも「アメ車のSUVらしく取り回しがしにくいまでの巨大なボディに広大な室内・・・」というイメージを持たれるかもしれませんが、実は新型ラングラーアンリミテッドは想像されるほど巨大なボディでも広大な室内でもありません。
それはスペックを見れば明らかです。
新型ラングラーアンリミテッドと、トヨタランドクルーザー、日産エクストレイルのボディサイズを比較してみましょう。
新型ラングラーアンリミテッド | トヨタランドクルーザー | 日産エクストレイル | |
全長 | 4,870mm | 4,950mm | 4,690mm |
全幅 | 1,895mm | 1,980mm | 1,820mm |
全高 | 1,845~1,850mm | 1,870~1,880mm | 1,730~1,740mm |
見てわかるように、新型ラングラーアンリミテッドのボディサイズはすべての数値がランドクルーザーを下回っています。
つまり「新型ラングラーアンリミテッドはランドクルーザーよりも小さい」ということがいえます。
これは意外に思った人が多いのではないでしょうか。
さすがにエクストレイルに比べると新型ラングラーアンリミテッドの方が大きいですが、全幅は70ミリ差と比較的近い数値です。
それではここで新型ラングラーアンリミテッドとランドクルーザーを横から見た図を見比べてください。
まずは新型ラングラーアンリミテッドです。
引用:https://autoc-one.jp/jeep/wrangler/report-5003018/photo/0039.html
次にランドクルーザーです。
引用:https://autoc-one.jp/toyota/landcruiser_200/report-2395640/photo/0021.html
パっと見較べてわかると思いますが、新型ラングラーアンリミテッドはランドクルーザーに比べるとボンネット長が長くなっています。
新型ラングラーアンリミテッドは全長に対するボンネット長(=エンジンスペースの長さ)の割合が高いため、その分荷室も含めた室内長はおのずと短くなります。
これが新型ラングラーアンリミテッドの室内が意外と狭いということのゆえんです。
なおこのボンネット長の長さは「車体サイズの割に取り回しがしにくい」というデメリットにつながります。
新型ラングラーアンリミテッドを運転した人が「大きくて運転しにくい」と感じる理由は、車体サイズそのものよりもここに理由があるのかもしれません。
前章でも紹介したように車中泊という観点では新型ラングラーアンリミテッドは十分な広さを備えているので、車中泊自体は問題なくできると思います。
ただし室内の広さに対して過度な期待は禁物、ということが言えます。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドで車中泊をする際の注意
引用:https://www.carsensor.net/contents/testdrive/category_1712/_63637.html
ここ数年、車を宿代わりにして旅をする車中泊がブームになっていますが、ブームの過熱に伴って各地でさまざまな問題も発生しているようです。
そこで最後に、新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドで車中泊をする上で注意をしておきたい点をいくつか紹介します。
禁止場所での車中泊は厳禁
引用:https://kuruma-news.jp/post/101155
車中泊に適した場所としては道の駅や高速道路のサービスエリア、パーキングエリアがよく挙げられますが、これらの場所は原則として車中泊はできません。
道の駅は各自治体と道路管理者が連携して設置し、国土交通省により登録されている施設ですが、国土交通省のサイトでは「『道の駅』駐車場での車中泊は可能ですか?」という問いに対して以下のような回答をしています。
引用:http://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_03_04.html
「宿泊目的での利用は遠慮して欲しい」「施設で仮眠するのはかまわない」ということです。
これは高速道路のサービスエリア、パーキングエリアを管理する各道路会社に問い合わせても同様の答えが返ってきます。
どちらもドライバーが休憩をとるための施設なので、安全運転をするための休憩の一環としての仮眠であれば問題はないものの、宿泊場所として使われるのは困る、というスタンスです。
仮眠と宿泊の線引きは非常に難しいですが、宿泊の定義は多くのところで「夕方もしくは夜から陽が上るまで」と捉えているようです。
逆に言えば例えば「夜中に道の駅の駐車場に入って陽が上る前に立ち去る」という使い方であれば仮眠となりそうですが、これも一概には言えません。
ドライバーそれぞれが良識を持って利用することを心掛けるしかないでしょう。
しかし最近は道の駅の中にも「車中泊禁止」を明示しているところが増えてきてしまいました。
国土交通省は「ご遠慮いただいています」という言い回しにも関わらずあえて禁止としているところは、恐らく過去に利用者による行き過ぎたマナー違反(駐車場でのバーベキュー、トイレの水道での炊事や洗濯、大量の生ごみの廃棄など)があったものと思われます。
道の駅に限らず、車中泊禁止を明示している場所での車中泊は絶対にしないようにしましょう。
車内での火気使用時は一酸化炭素中毒に注意
引用:https://camphack.nap-camp.com/2885
車中泊の経験を重ねていくと、車内で寝泊まりするだけでは飽き足らずにカセットコンロとフライパンなどを使って簡単な料理をしてみたくなるものです。
車中泊は可能でも(車内も含めて)火気を使った調理を禁止されている場所では調理自体がNGですが、調理ができる場所で調理する際にはぜひとも注意していただきたい点があります。
それは「車内の一酸化炭素濃度の上昇」です。
車内での調理にカセットコンロを使って調理をしていると、当然カセットコンロのガス(液化ブタン)の燃焼には車内の酸素が使われます。
ガスは完全燃焼していれば水と二酸化炭素しか出さないので問題ありませんが、酸素が不足するとガスが不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素は極めて毒性が高く、空気中の濃度がたった0.02%になるだけで頭痛などの身体症状が起こり、濃度が上がれば吐き気やめまいなど中毒症状が進み、最悪の場合は死に至ります。
これは窓を開けて新鮮な酸素を常に車内に取り込んでいれば置きませんが、夜や冬などは寒さのあまりわかっていても換気が不十分となり、結果具合が悪くなる人が後を絶ちません。
車内で火気を使わないのが1番ですが、どうしても使いたい場合は十分な換気を心掛けましょう。一酸化炭素濃度が一定以上になると警報が鳴る警報機を設置するのもおすすめです。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドの車中泊のまとめ
引用:https://gqjapan.jp/car/review/20181026/jeep-wrangler/page/2/gallery/16
以上、新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドでの車中泊の可能性と、車中泊時の注意点について紹介しました。
現在車中泊に対する世間の目は次第に厳しくなっており、マナーを守らない車中泊を巡ってトラブルとなるケースも各地で報告されています。
新型ラングラー/ラングラーアンリミテッドは非常に目立つ車ですので、車中泊をする際にはより一層マナーを守る心構えを持っておくべきでしょう。
ルールを守ってやれば車中泊は旅をとても豊かなものにしてくれます。新型ラングラーアンリミテッドは車中泊にもキャンプにも適していますので、ぜひ充実したアウトドアライフを過ごしてください。