新型スカイラインのスペックが公開されています。
こちらでは新型スカイラインのスペックと主な特徴をまとめましたのでご覧ください。
目次
V6エンジンのワンサイズ
↓北米で発売されている、インフィニティQ50。V37はまさにこのフロントマスクがグローバルでのメインフェイスです。
引用:https://www.infinitiusa.com/vehicles/sedans/q50/gallery.html
スカイライン史上初めて”ダイムラー製4気筒”を搭載した、V37型。そのセンターグリルは、日本で販売チャンネルが皆無な”インフィニティ”だったことから、「スカイラインは日本を去った」とまで言われたモデルでした。
スカイラインと言えば、直列6気筒。
6気筒モデルはS50型(1963-68年)、C10型(1968-72年)から連綿と続いているのですが、2代目S50もハコスカも直列4気筒に加え、6気筒エンジンがメインだったのが特徴です。
↓3代目のスカイラインGT-R。通称”ハコスカ”は有名ですが、もちろんC10には4ドアセダンもあります。
引用:https://www.webcartop.jp/2017/08/142242/2
6気筒エンジンのシリンダーを互いに3つずつ並べるには、ボンネット下に縦方向に装備し、フロントノーズを長く取るボディーが必要です。
その結果、ロングノーズショートデッキのクルマが多く生まれ、美しいクーペが数多く生まれていきます。ただ、排気量が多くなる分シリンダーサイズも大きくなり、結果クルマの全長も大型化されていきます。
それに比べ、V型エンジンは直列4気筒と同等サイズのスペースで済み、エンジンレイアウトは縦横比が1:1に近くスクエアです。直列が縦配置だったのに対し、V型は横配置ができるため、エンジンルームそのものを小さくすることが可能になりました。
さらにエンジンとデッキとの間に緩衝剤をしっかり置くスペースも確保できるため、エンジンの持つ振動や音が抑え込めるメリットも生まれました。
↓名車、R32GT-R。アメリカの中古オークションでは1,000万円の値が付くほどの人気です。
引用:https://www.webcartop.jp/2017/01/61031/2
スカイラインの場合、V35型(2001-06年)からV6エンジンを搭載。インフィニティG35としてアメリカでヒットしたのですが、日本では”これはスカイラインではない!”と散々な評価となり、スカイラインフリーク(とくにR32を知るファン)からはブーイングが巻き起こってしまいます。
スカイラインの歴史は、日産の歴史そのものです。
スカイラインとは……パワーがあり、速く、クイックな操作性とコーナーを攻める楽しみがたまらないクルマ。クルマとエンジンのバランスが非常にマッチングして、クルマ好きを魅了するクルマ。
新型V37型は、あくまでもマイナーチェンジ。ボディのデザインは変わらないものの、エンジンは日産のV6のみに回帰。それだけに、久々に期待値が大きいシリーズとなっています。
エンジンスペック
↓日産スカイラインだけに許された、円形のテールランプ。代々これを受け継ぐことから、トヨタもホンダも決して真似しなかったのは有名です。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/exterior.html
スカイラインを一番買ってくれるのは、北米大陸。実際3.7L V6は北米マーケットのために存在しています。
今回日本でのパワートレーンは、3.5Lハイブリッドと3.0Lターボ。パワーアシストがモーターなのか、ターボなのかで走りの中身もかなり変わってくるでしょう。
エンジン詳細
HYBRID | V6 TURBO | |
エンジン形式 | VQ35HR | VR30DDTT |
種類 | V6DOHC | V6直噴DOHC |
総排気量 | 3,498cc | 2,997cc |
内径×行程(mm) | 95.5×81.4 | 86.0×86.0 |
圧縮費 | 10.6 | 10.3 |
最高出力 | 306ps/6,800rpm | 304ps/6,400rpm |
最大トルク | 350Nm/5,000rpm | 400Nm/1,600-5,200rpm |
使用燃料/容量 | ハイオク/70L | ハイオク/80L |
エンジンで注目したいのは、やはりボア&ストローク。かなりショートストロークエンジンの3.5Lと、86mmサイズのスクエアエンジンの走りの差は好対照でしょう。
3.5Lと3Lエンジンを比較すると、馬力はほぼ互角。ショートストロークの特性がよく表れているのは低速トルク値の比較でしょう。3.5Lエンジンは太いシリンダーで高回転を気持ちよく走るのに絶好なエンジンです。
それに対して、ダラダラとした登坂車線での加速では、3Lターボエンジンの力強さはかなり期待できるはずです。
モーター詳細
HYBRID | |
モーター最高出力 | 68ps |
モーター最大トルク | 290Nm |
ハイブリッド3.5Lの低速トルクを”厚くする”方法…これが、モーターアシストによる290Nmものトルクです。
ワンモーター ツークラッチシステムがスカイラインハイブリッドの特性。高速走行ではいつのまにかEVとなり、更なる加速ではエンジン+モーターというダブルパワートレーンがスパッとハマる走りは、やはり爽快感そのものでしょう!
ハイブリッドモーターの2クラッチ方式
日産でもっとも売れているクルマは”ノート”。e-POWERとワンペダルドライブの技術で、ハイブリッドのキング”プリウス”や”アクア”、パッケージングで優れた”フィット”よりも売れるクルマとして大ヒットしています。
e-POWERは、《モーターが動力源》で《エンジンは発電機》という発想の転換によって新しいハイブリッドのカタチを提案。とくに市街地走行などゴーストップが多いロケーションでは、燃費向上が高まり加速感も優れていますが、高速道では逆にエンジンによる発電が恒常化します。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety/performance.html#v6TwinTurbo
スカイラインの場合は、いわゆる”オーソドックス”なハイブリッド方式。ただ、発電用モーターと走行用モーターの2つを1つに集約して、クラッチをつなぎ分けることでEV、エンジンアシスト、エネルギー回生による発電を分けて行います。
このデュアルクラッチコントロールの利点は、ATとエンジンの間に位置するトルクコンバーターを使わずに、ダイレクトなクラッチ操作を可能にしていることです。
トルクコンバータとは、簡単に言えば”扇風機”。2台の扇風機を向かい合わせに設置、片方を回すと必ずもう一方も回りだす仕組みを生かしています。扇風機の場合は風の力で互いに回る力を相乗させますが、トルクコンバータの場合は”オイル”が介在します。
オイルによって、両方の扇風機が同じ力で回り続けるようにコントロールするため、クルマはスムーズな走行ができるわけです。
マニュアルトランスミッションをよくドライブする人なら、シフトチェンジによるダイレクトな加速や減速を自由にコントロールすることができるでしょう。
ただ、通常のAT車の場合はアクセルペダルの微妙な踏み方で、加速感の機械的な”癖”を覚えていくしかありません。
いかに自然な加速にするか、追い越し車線での更なる加速の伸びでの爽快感など、トルクコンバーターをあえて外してしまうことで、ごくごくわずかな変速ショックを回避。
モリモリ走るクルマにする方法として、スカイラインハイブリッドはこの方法を選択しています。
400R
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/specifications/sp.html
エンジン詳細
V6 TURBO | 400R | |
エンジン形式 | VR30DDTT | |
種類 | V6直噴DOHC | |
総排気量 | 2,997cc | |
内径×行程(mm) | 86.0×86.0 | |
圧縮費 | 10.3 | |
最高出力 | 304ps/6,400rpm | 405ps/6,400rpm |
最大トルク | 400Nm/1,600-5,200rpm | 475Nm/1,600-5,200rpm |
使用燃料/容量 | ハイオク/80L |
400Rが新型の超目玉。405馬力という数字も素晴らしいのですが、中身はVR30DDTTそのままで100馬力もパワーアップさせていること。北米仕様のインフィニティQ50/Q60(スカイラインクーペ)としてすでにデビューしていたエンジンが、ようやく日本でもお目見えしたのです。
さらに、電動可変動弁システム(電動VVT)、新世代ターボシステム、エキゾーストマニフォールド一体型シリンダーヘッド、水冷式インタークーラー……、その中身は最新テクノロジーのカタマリです。これは是非とも乗ってみたい一台になるでしょう!
ボディスペック
HYBRID | V6 TURBO | 400R | |
全長×全幅×全高 | 4,815mm×1.820mm×1,440mm | ||
ホイールベース | 2,850mm | ||
トレッド前 | 1,535-45mm | 1,530-40mm | 1,530mm |
トレッド後 | 1,560-70mm | 1,560mm | |
最低地上高 | 130mm | ||
車両重量 | 1,840-1,910kg | 1,700-30kg | 1,760kg |
最小回転半径 | 5.6m(4WDは5.7m) | ||
駆動方式 | FR/4WD | FR | |
トランスミッション | 7AT |
ステアリングテクノロジー
ダイレクトアダプティブステアリング
ステップバイワイヤ、ステアリングバイワイヤ……日産が世界で初めて搭載した技術が”ステアリングホイールとステアリングギヤが繋がっていない”というもの。
これは《ダイレクト・アダプティブステアリング》という名前で、ステアリングホイールを回した量と速さによって、コンピューターが最適な量をステアリングギヤに入力する、というものです。
うねりの多い峠道、狭い場所での車庫入れではステアリング操作が頻繁に行われます。ステアリングを大回しする忙しさがなくなり、クルマが操作した以上の”アシスト”で見事なシュプールを描いてくれたり、車庫入れでの苦労もかなり解消されます。
また、雪道での横滑りの怖さでは、バイワイヤ技術が非常に効果的でしょう。凍結路で右左折しようとした際に、タイヤの向きとは別の方にまっすぐ進んでしまう危険。
この際に、とっさに”逆ハンドル”で危機を突破しようとするのが”カウンターステア”。これをなんと自動的に行ってしまうのもバイワイヤ技術です。
こうした操作感はホンダレジェンドにもあり、ハイブリッド車の優れた乗り味はますます高まっていくでしょう。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety/performance.html#v6TwinTurbo
プロパイロット2.0
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety.html#advanced
テレビCMで矢沢永吉が”手放し運転”、とうとうスカイラインもパワー訴求からプロパイロットのイメージへ…と驚いた人も少なくないでしょう。
新型スカイラインに搭載されたのは、”検知角度の異なるフロントの3眼カメラ”を含む”7個のカメラ”、”5個のレーダー”、”12個のソナー”。
高速道路でのハンズフリー走行を可能にするために、道路の白線、標識、周辺車両をしっかりと検知するなど、半自動運転に近づいたセダンになりました。
7インチのインテリジェントインターフェースでは、カラーによるクルマの周囲360°の情報を提供。高速道ではとくに落下物や急な進路変更などの危険から回避するために、非常に重要なテクノロジーとして評価できるでしょう。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety/nim.html#propilot
また、ヘッドアップディスプレイも非常にわかりやすい表示で、高速走行時でもパッと見で判断しやすいものとなっています。
そのほかには、先進安全支援。
日産の最新技術を全て積み込んでいるため、セダンとして非常に評価が高い一台となるのは間違いないでしょう。
まとめ
新型スカイラインのスペックをご紹介しました。2014年FMCデビューの際の日産広報からは”タワーマンションに住む、40代男性”をターゲットにしたクルマとしてアナウンスされたことを覚えているでしょうか?
子どもは1人、家族3人がドライビングを楽しむ空間として、このクルマが開発されたようです。
スカイライン史上最高出力の400R、そして日産セダンで最も安全性の高いkルマとして、どれだけ売れて行くのか…今後が楽しみな一台ですね!