「SUVに乗ってキャンプに行こう」そう考えている人は多いと思います。
ここ数年のSUVブームもあって、車でキャンプに行くいわゆる「オートキャンプ」の環境はとてもよく整備されています。水洗トイレの設置はもはや当たり前で、今やシャワーや電源が整備されているところも珍しくありません。
キャンプ場に至る道もきれいな道が多く、特別なオフロード性能は必要としません。言ってしまえば普通のセダンでもオートキャンプを行うことは可能ですが、荷物の積載性や使い勝手、そして何より雰囲気を考えるとSUVで行くのがベストです。
そこで今回は、キャンプに適したSUVを5車種ピックアップしてランキング形式で紹介したいと思います。
目次
【2019年キャンプに適したSUV・第5位】トヨタC-HR
引用:https://autoc-one.jp/nenpi/3231327/photo/0011.html
2019年キャンプに適したSUV、第5位はトヨタC-HRです。
C-HRは2017年、2018年とSUV販売台数ランキングで首位に立っており、とてもよく売れている車種です。
2019年上半期は僅差でホンダヴェゼルにリードを許していますが、それでもベストセラーモデルに違いはありません。
C-HRはどちらかといえば都市型SUVで、4WDは用意されているとはいえ本格的オフロード走行はあまり追求されていないと思います。
しかし日本のキャンプ場は大抵整備が行き届いたところにあり、高いオフロード性能はマストではありません。そのためC-HRでも十分に行くことができます。
C-HRはヴェゼルとの比較において、荷室が狭い点が問題になることがあります。C-HRは318L、ヴェゼルは404L(サブトランク含む)なので、その差は割と大きいです。
しかし後列シートを倒すとその容量は3倍以上の1,112Lにもなります。後席シートを倒した時の荷室長はヴェゼルが約1,680mm程度なのに対してC-HRは1,825mmもあります。
引用:https://autoc-one.jp/hikaku/5001677/photo/0114.html
これは車中泊をする時に大きな差となって表れます。単純計算でヴェゼルは身長168cmまでの人しか寝られませんが、C-HRは身長182.5cmの人まで寝られる、ということになるからです。
なお荷室は6:4の分割可倒式のため、片方だけを倒して使う、という使い方もできます。
3人以上でのキャンプになると荷物の積載性でやや物足りない点が出てくるかもしれませんが、2人以下のキャンプであれば問題ないでしょう。
【2019年キャンプに適したSUV・第4位】ホンダヴェゼル
引用:https://autoc-one.jp/hikaku/5001677/photo/0016.html
2019年キャンプに適したSUV、第4位はホンダヴェゼルです。
ヴェゼルはC-HRが登場するまで、SUV市場では不動の王者として君臨していました。
C-HRの登場でしばらく2位の座に甘んじていましたが、2019年1月のマイナーチェンジでガソリンターボ仕様を追加したことによって販売が再び上向きになり、2019年上半期は久々の首位に返り咲きました。
ヴェゼルとC-HRは常に比較される運命にあるわけですが、どちらがキャンプに適しているかと言われればヴェゼルの方がわずかに上かもしれません。
まずキャンプ用品を積む際に気になる荷室容量は、先ほど触れたようにヴェゼルの方が上です。ヴェゼルの荷室容量の404Lというのはサブトランクも含めたものですが、サブトランク抜きでも393Lとなりますので、C-HRを上回ります。
引用:https://clicccar.com/2019/02/17/702219/img_3066-2/
SUVでキャンプをするにあたってサブトランクの存在は意外に重宝します。本来の荷室の下にあることが多いですが、水に濡れたものや泥で汚れたもの、匂いの強いものなどはここに隔離して収納することができるからです。
また、財布やスマホ、タブレットなどの貴重品を車外からの目にさらされることなく保管することもできますので、汚れや紛失を気にしてこれらの品々を車内に保管する際も安心でしょう。
そしてヴェゼルの荷室容量が大きいのは「荷室の高さ」が理由です。C-HRの荷室高は650mmしかないのに対して、ヴェゼルは830mmにもなります。その差は実に180mmです。
ヴェゼルの荷室高が高いのは、ホンダが特許を取っている「センタータンクレイアウト」のおかげです。ガソリンタンクを前席下に設置することによって車内空間の拡大や低床化、フラット化が可能になっています。
床が低いので荷室高が確保されている、ということです。
C-HRかヴェゼルかで迷っている人は、キャンプに出かける機会が多い人はヴェゼルにしておいた方が無難だと思います。3人以上で出かける、という人はなおさらです。
【2019年キャンプに適したSUV・第3位】日産エクストレイル
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/36530
2019年キャンプに適したSUV、第3位は日産エクストレイルです。
SUVは比較的都市部で乗られることを想定されて作られているものが多いですが、エクストレイルは走行性能、実用性共にオフロードユースをかなり意識して作られています。
そのため都市部での使い勝手やおしゃれさはここまでに紹介したC-HRやヴェゼルにも決してひけをとらないにも関わらず、オフロード性能やジムニーやランドクルーザープラドといった本格的オフローダー寄りのSUVにも迫るものがあります。
普段使いの車として都市部でのオンロードユースが多いものの、いざという時には雪道や泥道でも安心してガンガン走れるオフロード性能が欲しい、と考えている人にはおすすめです。
エクストレイルがキャンプに適している点は「荷室とシートが防水仕様になっている」というところにあります。
防水仕様になっているということは、水に濡れたもの、たとえばウェットスーツやサーフボード、スノーボードなどを躊躇なく積めるということに加えて、砂や泥で汚れたキャンプ用品などを積んで荷室が汚れても、濡れた布でゴシゴシ拭き取ることができるということです。
引用:https://www.suv-land.jp/related_topic/%E6%97%A5%E7%94%A3%20%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%8D%B7%E5%AE%A4%E3%81%AE%E5%BA%83%E3%81%95%E3%82%92%E3%81%94%E7%B4%B9%E4%BB%8B%EF%BC%81/
これはシートも同じで、キャンプで汚れた服でシートに座っても汚れを濡れた布で拭き取ることができます。
ファブリックのシートは素早く拭き取ってもシートの目地に汚れが入り込んでしまうことがありますし、ゴシゴシ拭くと表面が毛羽立ってしまったりしますが、防水シートはそのようなことがありません。
キャンプに出かけると何だかんだで車内が汚れる可能性が高いですが、「汚れても拭けばいい」という安心感は結構大きいと思います。
【2019年キャンプに適したSUV・第2位】トヨタRAV4
引用:https://gazoo.com/impression/w0000140761.html
2019年キャンプに適したSUV、第2位はトヨタRAV4です。
RAV4は国内販売が長らく途絶えていましたが、2019年4月に約2年8カ月ぶりに復活、その後の販売は好調に推移しています。
以前のRAV4は、ちょうど今のC-HRと同じように都市型SUVとしてアピールされていましたが、現行型のRAV4はオフロード色を強く打ち出してきました。
実際のオフロード性能も、ガソリン仕様のAdventureに世界初の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」機構を採用、走行状況や路面状況に応じて前後左右のトルク配分を独立制御することによってより高い走行安定性を実現させています。
都市型SUVテイストとオフローダー的な側面の両方を備えているという点ではエクストレイルに近いと思いますが、より最先端の機構を搭載しているRAV4を上位としました。
荷室容量は2列目シートを使っている状態で580Lとクラストップレベルです。
引用:https://toyota.jp/rav4/utility/space/?padid=from_rav4_utility_space_luggagespace#luggagespace
床面の高さが2段階設定となっていて、下段にセットすれば床面が下がる分背の高い荷物を積むことができるようになります。荷室の中で位置がずれては困る荷物をある程度固定できるというメリットもあります。
そして荷室のデッキボードは裏返すと樹脂製になっており、濡れや汚れを気にすることなく荷物を積むことができます。
【2019年キャンプに適したSUV・第1位】スバルXV
引用:https://www.webcartop.jp/2018/10/288683/
2019年キャンプに適したSUV、第1位はスバルXVです。
XVは一見ステーションワゴン風に見えなくもないですが、れっきとしたクロスオーバーSUVとなります。
現行型は2017年に発売されましたが、他のスバル車同様に年次改良を繰り返し、2019年は2.0Lモデルの全車ハイブリッド化、「アイサイト・ツーリングアシスト」の全車標準装備化といった改良が発表されています(発売は2.0Lモデルが11月15日、1.6Lは2020年初頭予定)。
さて、冒頭にも触れたように日本のキャンプ場は多くの場所が道路整備が行き届いたところにあります。つまり「キャンプ場に行く」という点だけを考えた場合、それほど圧倒的なオフロード性能は必要ありません。
あえて言えば障害物を乗り越えることができる最低地上高が確保されていれば十分です。
キャンプ場以外の場所でキャンプをすることも考えられると思いますが、その際に必要になるのはオフロード性能よりもむしろ「コンパクトな車体」です。
日本の林道や山道はどこも道が細いので、大きな車体では持て余してしまいます。
また多くの人にとってキャンプは非日常的な行為であり、普段は車を買い物や送迎といったデイリーユースに使うことがほとんどでしょう。
以上の要素を考えると「デイリーユースでの使い勝手が高く」「車体はそれなりにコンパクトで」「必要最低限のオフロード性能を備えている」「なおかつ荷物もたくさん積めればベター」という条件をより高いレベルで満たしているのが「キャンプに適したSUV」ということがいえます。
日常と非日常をシームレスに行き来できる懐の広さを備えたXVは、日本人のオートキャンプ事情にはピッタリだと思います。
XVはSUVとしては比較的コンパクトな車体です。背も高過ぎないのでコーナーで車体が振られることはありませんし、全高は1,550mmなので多くの立体駐車場を利用することができます。立体駐車場の多い都市部での使用も安心です。
引用:https://www.webcartop.jp/2018/10/288683/
オフロード性能についてはスバル伝統のシンメトリカルAWDを全車標準装備しており、折り紙つきです。キャンプ場に至るまでの砂利道などはもちろんのこと、雪道や汚泥路であってもガンガン前に進むことができます。
最低地上高も200mm確保されていますが、これは本格的なSUVにもひけをとらない高さです。
若干気になるのは荷室容量で、後列シートを使用している状態で385Lとなっています。エクストレイルやRAV4、ヴェゼルに比べると少ないですが、C-HRよりは大きいです。
4人家族で荷物を満載にしてキャンプに出かけるのは少々厳しいかもしれませんが、3人までなら何とかなるでしょう。いざとなればルーフキャリアを使えば容量は増量できます(この点はC-HRも同じ)。