ハイブリッドとガソリン車 どっちがお得?メリット・デメリットは?おすすめ車種紹介

ハイブリッド

「ハイブリッド車を買いたい!」と思って価格を調べてみると、ガソリン車に比べると高いことに気づいて愕然としたことはありませんか?

ハイブリッド車はガソリン車に比べて低燃費で、ガソリン代が安く済むメリットがある反面、車両本体価格が高いという最大のデメリットがあります。

そこで今回は、ハイブリッド車とガソリン車、それぞれのメリットとデメリットを考えた上で、どちらがお得なのかを検証してみたいと思います。

最後にそれぞれおすすめの車種も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

※記事中の燃費表記は、特に断りのない限りJC08モードで計測した数値です。







ハイブリッド車のメリット

トヨタプリウス

引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/40583#image-10

まず最初に、ハイブリッド車のメリットから考えてみましょう。

【ハイブリッド車のメリット1】低燃費なのでガソリン代が安い

電卓

ハイブリッド車最大のメリットは、何といっても低燃費であることが挙げられます。

今国産ハイブリッド車の中でも最も低燃費なのは、トヨタプリウスの39km/Lです。

国産ハイブリッド車の中で最も低燃費ということは、国産車の中で最も低燃費ということで、恐らく世界中の量産車を見渡しても、この燃費を上回るものはないと思います。

なおハイブリッド車と軽自動車を除くと、トヨタパッソとダイハツブーンの28.0km/Lが最も低燃費です。

ハイブリッド車が登場するまで、燃費は排気量や最高出力に比例しました。

つまり排気量や最高出力が高ければ高いほど燃費は悪くなるので、低燃費の車に乗りたければコンパクトカーや軽自動車に乗らなくてはいけないという制約があったわけです。

しかしハイブリッド車の登場によって、この制約が崩れます。

大排気量、大馬力であっても、ハイブリッドシステムを搭載することによって、小さなガソリン車の燃費を上回る、というケースが出てきたからです。



【ハイブリッド車のメリット2】エコカー減税制度等によって税制面で優遇される

OKサインを出す女性

ハイブリッド車のメリット、2つめは税制面で優遇されることです。

2019年度現在は「エコカー減税」という制度が設けられており、この制度によって低燃費かつ排気ガスがクリーンで環境負荷が小さい車種は自動車重量税、自動車税、環境性能割がより優遇される仕組みになっています。

最も優遇度合いが高いのはプラグインハイブリッド車で、プラグインハイブリッド車は燃料電池車やクリーンディーゼル車などと共に「次世代自動車」に位置付けられています。

次世代自動車は、新車購入時と1回目の車検時の自動車重量税税が全額免除、自動車税が75%免除、環境性能割は少なくとも2021年3月31日までは非課税となります。

ハイブリッド車も低燃費のため、プラグインハイブリッド車ほどではないにせよ、高いレベルで減免を受けることが可能です。

逆にガソリン車はよほど燃費がよくないとエコカー減税が適用されませんし、適用されても優遇度合いが低いです。



【ハイブリッド車のメリット3】実は意外に速い

日産ノート

引用:https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/1035393.html

ハイブリッド車のメリット、3つ目は意外に速いということです。

ご存じのように、ハイブリッド車はエンジンに加えてモーターのアシストを受けて車を動かしています。

一般的にモーターはエンジンに比べてアクセルレスポンスがよく、踏めば踏むほどモリモリとしたトルク感を得ることができます。

このモーターがエンジンの後押しをしますので、ハイブリッド車は「環境重視の車だから性能は二の次」というイメージを覆すような意外な走りをみせてくれることが多いです。

同じ車でガソリン仕様とハイブリッド仕様がある場合、もし仮に両方が同じエンジンを搭載していれば、モーターのアシストを受ける分走りは力強いということになります。



【ハイブリッド車のメリット4】高い下取り価格が期待できる

トヨタプリウスの中古車

引用:http://www.carsensorlab.net/car/20217TOS220/

ハイブリッド車のメリット、4つ目は下取り価格が高いということです。

今の時代、ガソリン車とハイブリッド車では、よほど車好きの人を除けば完全にハイブリッド車の人気の方が高いです。

これは中古車市場でも同じことで、ハイブリッド車の方がよく売れています。

ということは、今買った新車を数年後に乗り換えで下取りに出す時、ハイブリッド車の方が高く下取りをしてもらえる可能性が高いです。

中古車市場での人気が高い=高く売れる=高く下取りできる、という構図です。

長く乗るつもりなら別ですが、数年置きに乗っている車を下取りに出して新車を買う、という人は、ハイブリッド車にした方がお得かもしれません。



ハイブリッド車のデメリット

トヨタプリウスPHV

引用:https://www.goodspress.jp/reports/87208/2/

続いてハイブリッド車のデメリットを紹介しましょう。

【ハイブリッド車のデメリット1】高い

トヨタプリウス

引用:https://www.hyogotoyota.co.jp/blog/store/detail/34153

ハイブリッド車最大のデメリットは、まだまだ車両本体価格が高いということです。

同じ車種でガソリン仕様とハイブリッド仕様がある場合、ハイブリッド仕様の方が価格が高くなります。

たとえばホンダヴェゼルの場合、ガソリン仕様の価格帯が約211~353万円、ハイブリッド仕様の価格帯が約251~361万円となります。

同一グレード間で比較すると、ガソリン車のX・Honda SENSING(2WD)が約221万円、ハイブリッド車のHYBRID X・Honda SENSING(2WD)が約259万円となり、価格差は約38万円です。

【ハイブリッド車のデメリット2】バッテリーの交換費用が高い

プリウスのバッテリー

引用:https://www.goo-net.com/pit/shop/1002157/blog/119659

ハイブリッド車のデメリット、2つめはバッテリーの交換費用が高いということです。

ここでいうバッテリーとは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などのハイブリッド車の駆動用バッテリーのことで、ガソリン車の電装品を動かすための鉛蓄電池のことではありません。

鉛蓄電池のバッテリーを数年置きに交換する必要があるのと同じで、駆動用バッテリーにも寿命があるので、いつかは交換しなくてはいけません。そしてその交換費用は鉛蓄電池のバッテリーとは比較にならないほど高いです。

たとえばプリウスを例にとると、プリウスの駆動用バッテリーは新車から5年間、もしくは走行距離10万kmのどちらか早い方までは保証期間となっています。つまりこの期間内に寿命が来た場合は無償で交換してくれる、というわけですが、逆にいえばこの程度の期間、走行距離であればまだまだもちます。

実際は走行距離が15万kmを超えたあたりからバッテリーの点検を促すメッセージランプが点灯し始め、徐々に充電や放電が上手くいかなくなって燃費が悪くなります。

こうなったらもう交換時期で、交換しないとハイブリッドシステムが稼働しなくなってしまいます。

肝心のプリウスの駆動用バッテリーの交換費用ですが、工賃込みで約20万円弱です。

ただ、これはプリウスの例なので、他のハイブリッド車の場合は金額が多少変わってきます。気になる人は購入前にバッテリー交換費用を確認しておくことをおすすめします。

なおプリウスには駆動用バッテリーの他に補機バッテリーというものもありますが、こちらはガソリン車の鉛蓄電池のバッテリーと同じです。

【ハイブリッド車のデメリット3】故障した時の修理費用が高い傾向にある

プリウスの修理

引用:https://nihondenki.jimdo.com/2017/06/13/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%89%E8%BB%8A-%EF%BC%93%EF%BC%90%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%B3%E4%BF%AE%E7%90%86/

ハイブリッド車のデメリット、3つめは故障した時の修理費用が高い傾向にあることです。

ハイブリッドシステムの根幹に関わるような故障の場合、30万円、40万円という修理費用がかかることもあります。

そこまで費用がかかる故障が発生する可能性は決して高くはありませんが、そのような場合もある、ということは頭に入れておいた方がよいでしょう。

また故障に関連しますが、ハイブリッド車の修理は修理工場によっては断られることがあります。

これは地方の修理工場やガソリンスタンドによくあることで、ドライブをしていて急にトラブルに見舞われてこれらに駆け込むと、車を見ただけで「ウチはハイブリッド車のことはわかりません」などと言われたりします。



ガソリン車のメリット

ガソリン車の給油

続いてガソリン車も見てみましょう。まずはメリットからです。

【ガソリン車のメリット1】車両本体価格が安い

日産ディーラー決算大商談会

引用:https://blog.nissan.co.jp/DEALER/0430/792/entry3552

ガソリン車のメリット、1つめは車両本体価格が安いということです。

これはハイブリッド車と比較して相対的に、という意味です。

購入時の費用負担がハイブリッド車に比べて少なくて済む、というのは、予算がギリギリの人にとっては嬉しいポイントでしょう。

【ガソリン車のメリット2】スポーティーなモデルがたくさんある

トヨタスープラ

引用:https://www.webcg.net/articles/-/40990

ガソリン車のメリット、2つめはスポーティーなモデルが選べるということです。

たとえばトヨタの86やスープラ、日産のフェアレディZやGT-Rなど、日本を代表するようなスポーツカーはすべてガソリン車です。

例外的にホンダのNSXのようなハイブリッドスポーツカーもありますが、約2,500万円もしますのでこれはあまり参考になりません。

ハイブリッド車でも意外にスポーティーな走りを楽しむことはできますが、やはり本格的なスポーツカーとなるとまだまだガソリン車で、ということになりそうです。



ガソリン車のデメリット

次にガソリン車のデメリットです。

【ガソリン車のデメリット1】燃費が悪い

ガソリンスタンド

引用:https://gogo.gs/shop/2801000053

ガソリン車のデメリットとして真っ先に挙げられるのは、ハイブリッド車に比べて燃費が悪いということです。

とは言え、最近はガソリン車の低燃費技術も発達しており、昔のように3.0Lの車の燃費が5km/L程度しか走らない、というようなことはなくなりました。

人によって「許容範囲の燃費」は異なるはずで、20km/Lを超えないと嫌だ、という人もいれば、10km/L走れば十分、という人もいます。

燃費の数字そのものというよりも、自分にとって許容範囲かどうかを考えるのがいいと思います。

【ガソリン車のデメリット2】税制面での優遇がほとんどない

お金で悩む女性

ガソリン車のデメリット、2つめは税制面で優遇されないということです。

エコカー減税制度は、前述のように燃費が良く、排気ガスがクリーンな車ほど税金が優遇されます。

ガソリン車の場合、排気ガスはともかく燃費がネックとなってしまいます。

たとえばヴェゼルの場合、ハイブリッド仕様は自動車重量税が50%もしくは25%軽減、自動車税は75%もしくは50%軽減、環境性能割は非課税なのに対して、ガソリン仕様はエコカー減税制度の適用がありません。

ハイブリッド車とガソリン車、どちらがお得なのか

現金

ハイブリッド車はガソリン車より車両本体価格が高いですが、ガソリン代が安く済みます。

また、税制面で優遇される、下取り価格が高いというメリットもあります。

つまり高く買った分を、これらで吸収できるかどうかが分かれ道となります。

ここでは再びヴェゼルを例にとって、試しに計算をしてみましょう。

前述のように、ヴェゼルのガソリン車のX・Honda SENSING(2WD)が約221万円、ハイブリッド車のHYBRID X・Honda SENSING(2WD)が約259万円となり、価格差は約38万円です。

エコカー減税制度の適用状況をみると、ガソリン仕様はなし、ハイブリッド仕様は自動車重量税と自動車税が50%軽減、環境性能割が非課税となります。

自動車重量税は1万1,200円軽減、自動車税は1万7,500円軽減されることになるので、合計2万8,700円です。この時点で約38万円の価格差は実質的に35万1,300円となりました。

次に、年間走行距離を1万kmと仮定し、1年間にかかるガソリン代を計算してみましょう。

ガソリン仕様の燃費は21.2km/L、ハイブリッド仕様の燃費は26.2km/Lなので、年間1万km走る際に必要なガソリンの量はそれぞれ約472Lと約382Lです。

どちらもレギュラーガソリン仕様なので、1年間でかかるガソリン代を1Lあたり147.1円(本稿執筆時点での全国平均価格)で計算すると、ガソリン仕様が約6万9,431円、ハイブリッド仕様が5万6,192円となります。

つまり1年間でかかるガソリン代を計算すると、低燃費なハイブリッド仕様の方が約1万3,239円安く済む、ということです。

では35万1,300円余計にお金を出した分を、どの程度かけて元が取れるのか、というと、約26.5年という結果になりました。

ガソリン代の変動や、下取り価格の差額など諸々の状況を考慮しても、20年以上の期間がかかるのはほぼ間違いありません。

年間走行距離が倍の2万kmならこの半分、3万kmならその3分の1で元が取れますので、いつ元が取れるかどうかは走行距離に大きく影響されます。

今回はヴェゼルの特定のグレードでの計算でしたが、同一車種でガソリン仕様とハイブリッド仕様がある場合、計算をすると大抵似たり寄ったりの結果です。

つまり単純に損得で考えると、ガソリン車の方がお得、ということになります。

ハイブリッド車、ガソリン車それぞれのおすすめ車

東名高速道路

引用:https://kakakumag.com/car/?id=4032

それでは最後に、ハイブリッド車とガソリン車の中からそれぞれおすすめの車を1つずつ紹介しましょう。

【ハイブリッド車のおすすめ】トヨタプリウス

トヨタプリウス

引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/40583#image-14

ハイブリッド車のおすすめは、何といってもトヨタプリウスでしょう。

理由はその燃費で、FFで37.2~39km/L、4WDで34km/Lとなっています。

そしてプリウスは世界初の量産型ハイブリッド車、つまりもっとも歴史の長いハイブリッド車なので、その技術は完全に熟成しています。つまりシステムエラーや故障が発生するリスクが非常に低いです。

しかも元々壊れにくいトヨタ車なので、初めてハイブリッド車を買うという人にも安心です。

プリウスはいつの時代も人気が高いので、下取り時にも高い下取り価格が期待できます。

【ガソリン車のおすすめ】スズキアルト

スズキアルト

引用:https://motor-fan.jp/article/10011818

ガソリン車のおすすめはスズキアルトです。

アルトはハイブリッドシステムを搭載しておらず、全車ガソリン仕様です。

それでいて燃費は24~37km/Lとなっています。しかも37km/Lの燃費を出しているのは最上位グレードのX、2番目のS、3番目のLの2WDモデルです。

ガソリン仕様でありながらプリウス並みの燃費を叩き出しているのは、いかに燃費のよい軽自動車とはいえ驚異的です。

アルトはミニバンではないので、乗車定員は最大で4人まで、荷物の積載量も決して多くはありません。

しかし曲がる、止まる、走るといった車の基本性能は非常に高いです。

車にあまり高い趣味性を求めない人、車を道具と割り切る人、1人で乗る機会が多い人、日常的に使う人にはアルトはとても向いていると思います。

大きな車を別に持った上でのセカンドカー、というのも悪くありません。