クロスオーバーSUVはオンロードからオフロードまであらゆる用途に用いることが出来ますが、最近ではどちらかというとオンロードでの快適性を重視したものが多いように思います。
その典型はトヨタのハリアーで、本格的オフローダーのような悪路走破性はないものの、軽いアウトドア程度でのオフロード走行は十分にこなしつつ、高級サルーンに匹敵するような高級感をそなえています。
欧州のプレミアムブランドの車の中にあっても違和感を感じることはありません。
一方でスバルのフォレスターのように、6MTやターボエンジンを用意してオンロードでのスポーティーな走りを実現させたようなものもあり、クロスオーバーSUV市場は非常にバラエティに富んでいるといえます。
今回はハリアーとフォレスターをあらゆる角度から比較してみたいと思います。
目次
ハリアー・フォレスターの価格・値段を比較
引用:http://www.autocar.jp/firstdrives/2014/01/23/64400/
それでは最初にハリアーとフォレスターの価格を比較してみたいと思います。
■ハリアー(ハイブリッド車)
PREMIUM“Advanced Package”(E-Four):4,591,963円
PREMIUM(E-Four):4,032,000円
ELEGANCE(E-Four):3,774,857円
GRAND(E-Four):3,713,143円
■ハリアー(ガソリン車)
PREMIUM“Advanced Package”(2WD):3,697,527円
PREMIUM“Advanced Package”(4WD):3,891,927円
PREMIUM(2WD):3,137,143円
PREMIUM(4WD):3,331,543円
ELEGANCE(2WD):2,880,000円
ELEGANCE(4WD):3,074,400円
GRAND(2WD):2,797,714円
GRAND(4WD):2,992,114円
ELEGANCE“Gʼs”(2WD):3,291,055円
ELEGANCE“Gʼs”(4WD):3,485,455円
■フォレスター
2.0i EyeSight(リニアトロニック):2,419,200円
2.0i-L(6MT):2,581,200円
2.0i-L EyeSight(リニアトロニック):2,689,200円
X-BREAK(2.0 i-L EyeSight 特別仕様車)(リニアトロニック):2,754,000円
X-BREAK(カラーアクセント仕様):2,916,000円
S-Limited(2.0 i-L EyeSight 特別仕様車):2,894,400円
2.0XT EyeSight(スポーツリニアトロニック):3,128,760円
ハリアーは2.5L+モーターのハイブリッド仕様と2.0Lのガソリン仕様に分かれていますが、フォレスターは2.0L NAと2.0Lターボ(2.0XT EyeSight)のガソリン仕様のみとなっています。
駆動方式はハリアーのハイブリッド仕様とフォレスターはAWD(4WD)のみ、ハリアーのガソリン仕様は2WDとAWDの両方が設定されています。
価格帯はハリアーのハイブリッド仕様が3,713,143円~4,591,963円、ガソリン仕様が2,797,714円~3,891,927円、フォレスターが2,419,200円~3,128,760円となっています。
全体的にフォレスターの価格帯はハリアーの価格帯に比べると下になっていますが、ハリアーのガソリン仕様の下のグレード(GRAND、ELEGANCE)はフォレスターと重複しています。
ハリアー・フォレスターの性能・スペック・大きさを比較
引用:http://clicccar.com/2015/12/18/343208/
続いてハリアーとフォレスターの性能と大きさを比較してみます。
まずはエンジン性能の比較です。
■ハリアー(ハイブリッド仕様)
最高出力:152ps/5,700rpm
最大トルク:21.0kgfm/4,400~4,800rpm
車両重量:1,750~1,800kg
■ハリアー(ガソリン仕様)
最高出力:151ps/6,100rpm
最大トルク:19.7kgfm/3,800rpm
車両重量:1,560~1,630kg
■フォレスター(NA)
最高出力:148ps/6,200rpm
最大トルク:20.0kgfm/4,200rpm
車両重量:1,460~1,510kg
■フォレスター(ターボ)
最高出力:280ps/5,700rpm
最大トルク:35.7kgfm/2,000~5,600rpm
車両重量:1,610kg
ハリアーのハイブリッド仕様はモーターのアシストがありますが、エンジンとモーターの出力を合わせたシステム最高出力は197psとなります。
ハリアーのガソリン仕様とフォレスターのNAは同じ2.0Lということもあって性能的にはほぼ拮抗しています。
ただしハリアーのガソリン仕様の方が多少車両重量が重いので、その分フォレスターのNAと乗り比べてみると多少力感が劣るかもしれません。
一番力強いのは何と言ってもフォレスターのターボで、スポーツカー並みの280psの最高出力となっています。
オンロードでの圧倒的な走行性能を手にしたい、ということであればこちらがベストチョイスになります。
次にボディサイズ(全長×全幅×全高)を比較してみましょう。
■ハリアー
4,720mm×1,835mm×1,690mm
■フォレスター
4,595~4,610mm×1,795mm×1,715~1,735mm
ボディサイズの比較では全長が110~125mm、全幅が40mmハリアーが大きく、全高のみフォレスターが25~45mm大きくなっています。
室内サイズはハリアーが1,965mm×1,480mm×1,220mm、フォレスターが2,095mm×1,540mm×1,280mmとなっており、どの数値をとってもフォレスターの方が大きいです。
ハリアーは前後のオーバーハングの長さが影響していると思われますが、いずれにしても車体はハリアーの方が大きいにも関わらず、乗ってみるとフォレスターの方がやや広い、ということになります。
ハリアー・フォレスターの燃費を比較
引用:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/619226.html
続いてハリアーとフォレスターの燃費を比較してみましょう。
■ハリアー(ハイブリッド仕様)
21.4~21.8km/l
■ハリアー(ガソリン仕様)
14.8~16.0km/l
■フォレスター(NA)
13.4~16.0km/l
■フォレスター(ターボ)
13.2km/l
言うまでもなく燃費が最も良いのはハリアーのハイブリッド仕様です。
ハリアーのガソリン仕様とフォレスターのNAの燃費はほぼ同じくらいのレベルと考えて良いと思います。
ただしフォレスターのNAで飛び抜けて燃費が悪いのが2.0i-Lです。
このグレードはトランスミッションが6MTしか設定されておらず、他のリニアトロニックを搭載したNAのグレードに比較すると2km/l以上燃費が悪くなります。
フォレスターのターボはそれよりもさらに下回る燃費となりますが、ターボエンジンである以上これは仕方のないところでしょう。
なお、フォレスターのターボ、つまり2.0XT EyeSightのトランスミッションはスポーツリニアトロニックとなります。
ハリアー・フォレスターの色・カラーを比較
引用:http://autoc-one.jp/news/2597674/
続いてハリアーとフォレスターのボディカラーを全色みてみましょう。
■ハリアー
・ホワイトパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・シルバーメタリック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・スパークリングブラックパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラッキッシュアゲハガラスフレーク
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラッキッシュレッドマイカ
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ダークブラウンメタリック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
■フォレスター
・クリスタルホワイト・パール
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・アイスシルバー・メタリック
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・ダークグレー・メタリック
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・クリスタルブラック・シリカ
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・セピアブロンズ・メタリック
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・ジャスミングリーン・メタリック
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・ヴェネチアンレッド・パール
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
・ダークブルー・パール
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/design/exterior.html
ハリアーは全7色、フォレスターは全8色のボディカラーが用意されています。
フォレスターのジャスミングリーン・メタリック、ヴェネチアンレッド・パールはハリアーにない明るめの色となっています。
逆にハリアーのブラキッシュアゲハガラスフレークは似た色味がフォレスターにはありません。
ハリアー・フォレスターのオプションを比較
引用:http://clicccar.com/2014/01/03/241739/
最後にハリアーとフォレスターのオプションを比較してみましょう。
フォレスターも含めたスバル車の装備を語る上でどうしても外せないのが運転支援システム「アイサイト」でしょう。
フォレスターは2.0i-L以外の全てのグレード(X-BREAK、S-Limited含む)にアイサイトが装備されています。
引用:http://www.subaru.jp/forester/forester/safety/eyesight.html
アイサイトは大ざっぱにいうと車両前部に搭載されたステレオカメラで前方を監視ながら必要に応じて車両を制御して事故を抑止する、というシステムになります。
フォレスターに搭載されているアイサイトver.3に含まれている機能は、まず危険を予測して衝突を避ける「プリクラッシュブレーキ」、車間距離を制御し渋滞を快適にする「全車速追従機能付クルーズコントロール」、ステアリング操作をアシストして安全運転を支援する「アクティブレーンキープ」、誤操作による急な飛び出しを防ぐ「AT誤発進抑制制御&AT誤後進抑制制御」。ふらつきや車線逸脱を警告する「警告&お知らせ機能」の5つになります。
スバルのアイサイトに相当する機能は今や各自動車メーカーが用意しており、特別珍しいものではありません。
これに相当するものとしてハリアーでも「プリクラッシュセーフティーシステム(ミリ波レーダー方式)」「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)「LDA(レーンディパーチャーアラート)(ステアリング制御付)」「ドライブスタートコントロール」があります。
ただしこのうち機能的にアイサイトver.3に比べて明らかに劣るものがあります。
それは「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」です。
これはフォレスターに装備される「全車速追従機能付クルーズコントロール」に比べると先行車の減速と再加速には対応出来ますが、停止に対応出来ません。
「全車速追従機能付クルーズコントロール」は先行車が停止すると自車も停止し、先行車が発進するとステアリングスイッチを押せば再び追従を始めます。
また、ハリアーのレーダークルーズコントロールとプリクラッシュセーフティーシステムは、標準装備されるのは上位グレードの”Advanced Package”のみで、それ以外のグレードではオプション扱いとなります。
LDAも標準装備されるのは”Advanced Package”とPREMIUMのみで、それ以外のグレードではオプションでも装備することが出来ません。
先進的な予防安全装備はフォレスターがハリアーを上回っている、と言えそうです。
ハリアー・フォレスターの比較まとめ
引用:http://autoc-one.jp/subaru/forester/report-2394197/photo/0003.html
以上、ハリアーとフォレスターを比較してみました。
ハリアーとフォレスターを比べた場合、確実にハリアーが勝っているのがハイブリッド仕様の燃費の良さです。
「低燃費のSUVが欲しい」ということであればハリアーのハイブリッド仕様を選ぶのが良いでしょう。
逆に「走りの良いSUVが欲しい」のであればフォレスターのターボエンジン搭載車、2.0XT EyeSightが良いです。
2.0Lで280psを発揮する水平対向ターボエンジンは、一旦高速道路へ持ち込めば豪快な走りが堪能出来るはずです。
走りを愉しむという点でいえば6MTを装備する2.0i-Lも悪くありません。
アイサイトは装備されませんが、SUVで6MTというのはフォレスター以外ではほぼありませんので、マニュアルにこだわりたい方は見逃せません。
このようなバリエーションの広さはフォレスターの魅力の1つである、ということも言えると思います。
ただ、燃費以外でもう1つフォレスターがハリアーにかなわないのは「高級感」だと思います。
例えばドレスアップしてホテルに乗りつける、といったシチュエーションにふさわしいのはハリアーの方でしょう。
ハリアーは同じトヨタのクラウンやアルファード、レクサスNXやRXに勝るとも劣らない高級さがあるので、街中でおしゃれに乗りこなしたい、という方はハリアーを選んだ方が幸せになれると思います。