新型ロードスターRFは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型ロードスターRFの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
新型ロードスターRFを実際に走らせてみた
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/roadster-rf/?link_id=sbnv
それでは実際に新型ロードスターRFに試乗してみた感想をご紹介しましょう。
今回試乗に用いた車両はベースグレードのSで、トランスミッションは6EC-AT、試乗コースは神奈川県大磯町から芦ノ湖までの片道40キロ、往復80キロのルートです。
市街地と自動車専用道路、峠道の割合は5:4:1くらいの割合でした。
新型ロードスターRFに乗り出して最初に感じたのが「1.5Lのソフトトップ仕様に比べるとかなり力強い」ということです。
以前にソフトトップ仕様のロードスターに試乗したことがありますが、その時は大人2人での試乗で正直なところ多少のパワー不足を感じました。
1人乗車であれば問題なく、2人乗車ではちょっと重い、という感じです。
今回の新型ロードスターRFの試乗も大人2人で行いましたが、ソフトトップ仕様にあったパワー不足感は消失していました。
0.5L大きくなった2.0Lエンジンを搭載しているのだからこれは当たり前ですが、2人乗車で乗る機会が多い方にとってこの差はかなり大きいと思います。
ロードスターのようなライトウエイトスポーツカーの本質は「運転の愉しさ」にあるわけで、2人乗車するとその愉しさがスポイルされてしまうのは大きなマイナス要素だからです。
ただしリトラクダブル式のルーフにしたせいで、ソフトトップ仕様にあった軽快感は多少損なわれています。
エンジンが大きくなっているので重量増自体は大した問題ではないと思いますが、最大の問題は「重心が高くなったこと」です。
そして恐らくそのことへの対策として、ハンドリングがやや重めのセッティングになっているような気がします。
つまりソフトトップ仕様のような比較的スパっと切れるようなハンドリングにすると、重心が高い分挙動が不安定になるということで、多少ダルな感じにしているのかもしれません。
これは普通に街乗りをしている時にはそれほど意識することはありませんでしたが、箱根の峠道に入って少しだけペースを上げて走ってみるとじわじわと違いが感じられるようになりました。
ただしこれはあくまでもソフトトップ仕様と比較すると、という話しであって、ネガティブな要素として挙げているわけではありません。
ルーフの開閉ですが、ソフトトップ仕様は手動式でしたが新型ロードスターRFはボタン1つで開閉が出来る電動式となっています。
トップロックの解除からルーフがロックされるまでの時間は約13秒と発表されていて、実際にやってみてもそのくらいの時間で開閉が可能です。
数回赤信号で停まった時に開閉してみましたが、13秒という時間は非常に微妙です。
引用:http://autoc-one.jp/mazda/roadster/special-2630760/photo/0005.html
赤信号に変わってすぐに停車するのであればある程度余裕を持って開閉することが出来ますが、そうでない場合は開閉中に目の前を横切る歩行者用の青信号が点滅を始めたり、自動車用の信号が青から黄色に変わったりと気持ち的に非常に焦りを感じる場面が何度かありました。
前述のようにオープン時の気持ち良さはソフトトップ仕様には敵いません。
引用:http://www.webcg.net/list/article?maker=5&model=5178dee06a8d1e06c50001b8
オープンカー好きの方の中には「RFは中途半端だ」と感じる方もいらっしゃると思いますし、筆者個人もそう感じていました。
しかしクローズ時のタイトさもまた好みの感じに近いので、この両方が味わえるのであればオープン時の開放感が多少損なわれてもいいかな、という気持ちになりました。
試乗全体を通じて最後まで気になったのが、路面からの突き上げ感の強さです。
今回の試乗では西湘バイパスを使いましたが、制限速度プラスαくらいで走行中に路面の継ぎ目を超えると「ガツン」というやや不快な衝撃が伝わってきました。
これが新型ロードスターRF全般がそうなのか、個体差なのか、あるいはサスペンションがもっと馴染んでくれば消えるのか、判断をするのは難しいですが、ソフトトップ仕様のロードスターの足回りの評判を考えると、全体的にそうだ、ということでは恐らくない(つまり個体の問題)ように思います。
気になったのはその点くらいで、純粋に運転を楽しむことを目的にした場合、新型ロードスターRFほど楽しい車はそうそうないのでないか、と思いました。
適度なサイズ感、FRのわかりやすく素直なハンドリング、扱い切れる程度のエンジンパワー、そしてオープンエアの開放感、ついでに言えばクローズド時のタイトな包まれ感、どれをとっても「楽しい」の一語に尽きます。
「別に飛ばすつもりはないけど運転をするのが大好き」という方には絶対に1度は乗っていただきたい1台といえます。
引用:http://jp.autoblog.com/2016/11/25/roadster-rf/
ソフトトップ仕様とRFのどちらを選ぶべきか、ですが、両方の試乗経験を踏まえて考えると、1人でワインディングをハイペースでガンガン走る、というような楽しみ方をしたいのであれば恐らくソフトトップ仕様のロードスターの方が良いような気がします。
1人で乗っている分にはパワーは十分ですし、軽快にクルクルと回ってくれるからです。
逆にもう少しライトかつ汎用性を求める場合、例えば1人でドライブも楽しむがそれほど目を三角にして手に汗握るような走り方はしない、たまには奥さんや恋人を助手席に乗せてのんびりと日帰りドライブ旅行にだって行く、通勤やちょっとした外出にも普通に使う、というような場合は新型ロードスターRFの方が良いでしょう。
2人で乗ってもパワー不足を感じることはありませんし、ソフトトップ仕様に比べるとオープン時もクローズ時も快適性は新型ロードスターRFの方が上回るからです。
どちらを買っても「乗って楽しい」のは間違いないです。
ただし少しでも実用性を求める方は買ってはいけません。
人間は2人しか乗れませんし、トランクはあるもののお世辞にも大きいとは言えず、積める荷物も限られるからです。
試乗でもその良さが分かったロードスターRFですが、新型ロードスターRFの値引きの方法については、
「新型ロードスターRF 値引き術!」で詳しく解説しています。
値引きが渋いと言われるロードスターRFですが、ぜひ参考に、お得に購入してください。
新型ロードスターRFの内装をチェック
引用:http://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1029/071/html/16.jpg.html
マツダ車の内装を語る上で大前提となるのは、マツダが掲げている「人間中心設計」ということです。
シートに座って足を伸ばせばそこにペダルがある、自然に腕を伸ばせばステアリングがある、左手を何気なく降ろせばシフトノブがある、このようなことをマツダは非常に重視しています。
これはオーディオやエアコンといった各種装備のスイッチ類に関しても同じで、全てが自然で使いやすい場所に配置されています。
引用:http://www.mazda.co.jp/beadriver/cockpit/thought/drivingposition/
人間は与えられた環境に順応する生き物なので、多少無理なドライビングポジションでも、多少使いにくいスイッチ類の配置でも乗っているうちに慣れてしまうと思いますが、そこには見えないストレスがかかっているはずです。
そしてそのストレスはやがて疲労となって表れます。
しかしながらマツダ車に乗っていても、このような「運転疲れ」を感じることがほとんどありません。
これはあまり目立たないことですが、とても重要なことだと思います。
さて、新型ロードスターRFの室内はリトラクダブル式のルーフを開けた時の開放感と、閉めた時のタイトさ、包まれ感の両方を楽しむことが出来るという「1粒で2度美味しい」という特徴を持っていると思います。
ソフトトップ仕様のロードスターに比べると開放感は劣りますが、ルーフとリヤウインドウが収納されるので外からの空気や音は十分に入ってきます。
風の巻き込みが少ない分、むしろRFの方が良いと感じる方も少なくないかもしれません。
一方でルーフを閉じればライトウエイトスポーツカーらしいタイトなコクピットになります。
ソフトトップ仕様であってもコクピットのタイトさは感じることが出来ますが、幌と金属では「包まれ感」にかなりの差があります。
RFは金属製のルーフで包まれていることによって十分な遮蔽性、遮音性が確保されており、コクピットが外界から完全に隔離されて自分だけの空間になります。
この両方を楽しめる車は国産車では新型ロードスターRFのみ、といっても過言ではありません。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/roadster-rf/feature/interior/packaging/?link_id=sbnv
なお、室内空間はソフトトップ仕様に比べると新型ロードスターRFはヘッドクリアランスが15mmほど低い899mmとなっていますが、実質的な居住性はほとんど変わりません。
オープンカーといえば室内の収納スペースが気になるところですが、外部接続ハブがついていて携帯電話等を充電しながら置いておけるフロントコンソール、サングラスや小物類の収納に最適なセンターコンソールボックス、リヤコンソールボックス、リヤストレージボックスなど、少ないスペースを効率的に活用して小さな収納スペースを多数備えています。
比較的手回り品の少ない男性、例えば外出時には財布と携帯電話、自宅の鍵程度しか持たない、という方であれば特に問題はないと思います。
しかし男性でもカバンを持ち歩く方や女性の場合、2人乗ってしまうと荷物の置き場に多少困ることは出てくるでしょう。
これは2シーターである以上覚悟すべきといえます。
引用:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/693796.html#26_s.png
引用:http://carislife.hatenablog.com/entry/2015/03/20/160148
なお、ドリンクホルダーは脱着式になっており、助手席側のフロントコンソールに1つ、センターコンソール後端に2つ装着出来るようになっています。
上の画像で見えるのはセンターコンソール後端に2つ装着した状態です。
引用:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/693796.html#26_s.png
なお、トランクは航空機内持ち込み可能なキャリーオンバッグを2つ積載出来る127Lの容量が確保されています。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/roadster-rf/feature/interior/packaging/
トランク内部に容量3Lのマルチボックスも別途用意されていますので、小物類はこちらにしまうことも可能です。
内装に関して、グレード間の差異は基本的にシート生地のみです。
ベースグレードのSはファブリック、中間グレードのVSはナッパレザー、スポーティーグレードのRSはアルカンターラ/ナッパレザーでレカロシートになります。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/roadster-rf/feature/interior/packaging/?link_id=sbnv
ファブリックでも手触りは非常に滑らかでそれなりに高級感があり、質感が悪かったり安っぽかったりといったことはありません。
新型ロードスターRFの試乗レポートのまとめ
引用:http://autoc-one.jp/mazda/roadster/report-2990206/photo/0059.html
以上、新型ロードスターRFの試乗レポートをご紹介しました。
「オープンカー」の「スポーツカー」というのは、少しでも車に興味がある方にとっては心揺さぶられる存在だと思います。
これが300万円台という極めて現実的な価格で販売されているですからなおさらのことです。
思わず「買ってしまおうか」という気分になってしまいがちですが、実際にオープンカーを買うとなると「狭いこと」「荷物が積めないこと」はかなり大きな障害になります。
独身の方であればさして問題ないですが、家族持ちの場合はどうしてももう1台必要になりますし、2台持ちとなると駐車場の問題や維持費の問題が出て来ます。
クリアしなければいけない問題が山積みだということです。
しかしオープンカーは人を幸せにします。
オープンカーに乗れば誰もが笑顔になるのがその証明です。
山積みの問題を乗り越えてでも、長い人生の中で1度は乗る価値があると思います。
1度でも試乗をしてみればその意味はお分かりいただけるでしょう。
ちなみにロードスターは「タイムズカーレンタル」でレンタカーとして借りることが出来ます。
24時間までで23,760円なので、ディーラーの試乗では物足りないという方は借りてみるのもよいと思います。
→ 新型ロードスターRFを値引きからさらに50万円安く買う方法とは?