新型スペーシアのスペックが公開されています。
こちらでは新型スペーシアのスペックと主な特徴をまとめましたのでご覧ください。
新型スペーシアとはどんな車か
引用:http://autoc-one.jp/suzuki/spacia/newmodel-5000243/photo/0008.html
スペーシアはスズキの軽ハイトワゴンで、現行型は2017年12月14日に発売された2代目となります。
初代が発売されたのは2013年3月ですが、その源流を辿ると2008年1月に発売されたパレットに行きつきます。
引用:http://autoc-one.jp/suzuki/palette/special-387403/
そもそもパレットは軽ハイトワゴンの市場を開拓して大成功を収めたダイハツタントに対抗すべくスズキが投入したモデルでした(2代目タントの発売は2007年12月、その翌月にパレットが発売)。
しかしながらタントの前にパレットは惨敗し、あえなく1代限りで消滅してしまいます。打倒タントの役目はブランニューモデルとして新たに開発されたスペーシアに引き継がれた、というわけです。
一般社団法人全国軽自動車協会連合会が発表した「2017年1月~12月乗用車ベスト15」という軽乗用車の販売台数統計によると、タントは全体の3位で141,312台、スペーシアは全体の6位で104,763台となっており、打倒タントの悲願は未だ達成されていません。
ちなみにパレット時代も含め、スペーシアは年間販売台数でタントを上回ったことが1度もありません。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/
先代スペーシアも現行タントも同じ2013年に登場していますが、2018年は先行してフルモデルチェンジをしたスペーシアがタントを上回るのか、はたまたタントも2018年中にフルモデルチェンジをしてスペーシアを引き離しにかかるのか、注目したいところです。
なお、パレットがタントを追撃しているさなか、ホンダは2011年12月にN-BOXをデビューさせました。
引用:https://www.goo-net.com/car/HONDA/N_BOX/grade.html
このN-BOXは売れに売れ、2012年はパレットやタントどころか、スズキの虎の子であるワゴンRすら抜いて販売台数1位に輝きました。
その後2016年まで、2014年にタントが1位になったのを除くとずっとN-BOXが1位であり続けています。
もたもたしている間にタントのライバルの座はスペーシアからN-BOXに移り、今やスペーシアはこの2台の後塵を拝している状態です。
ここ数年ワゴンRの売れ行きが低調なこともあり、新型スペーシアは「何としてもタントやN-BOXを超えたい」というスズキの熱い思いが込められた意欲作、ということになります。
なお、スペーシアには大型のフロントメッキグリルにブラックを基調とした内装で派手好みな若者向けにアピールをした「スペーシアカスタム」という派生車種もスペーシアとは別車種扱いでラインナップされています。
引用:http://autoc-one.jp/suzuki/spacia/newmodel-5000243/photo/0085.html
新型スペーシアの主要スペック
引用:https://clicccar.com/2017/12/15/539633/20171130suzuki-spacia065/
それでは新型スペーシアの主要スペックをご紹介しましょう。
■総排気量
658cc
■トランスミッション
CVT
■使用燃料
無鉛レギュラーガソリン
■エンジン形式
R06A型
■エンジン最高出力(ネット)
38kW(52PS)/6,500rpm
■エンジン最大トルク(ネット)
60N.m(6.1kg.m)/4,000rpm
■モーター最高出力
2.3kW(3.1PS)/1,000rpm
■モーター最大トルク
50N.m(5.1kg.m)/100rpm
■全長
3,395mm
■全幅
1,475mm
■全高
1,785~1,800mm
■室内長
2,155mm
■室内幅
1,345mm
■室内高
1,410mm
■車両重量
870~930kg
■乗車定員
4名
■燃料消費率(JC08モード)
26.4~28.2km/l
以上が新型スペーシアの主要スペックです。
新型スペーシアとタントとN-BOXのスペック比較
引用:https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1096/463/html/005_o.jpg.html
それでは続いて新型スペーシアと真正面から競合することになる、ダイハツタントとホンダN-BOXのスペックをあらゆる点から比較してみたいと思います。
まずはボディサイズです。
■ボディサイズ
全長×全幅×全高 | |
タント | 3,395mm×1,475mm×1,750mm |
N-BOX | 3,395mm×1,475mm×1,790~1,815mm |
スペーシア | 3,395mm×1,475mm×1,785~1,800mm |
タントとN-BOX、新型スペーシアの全長と全幅は全く同じ数値です。これは法律によって軽自動車のボディサイズが「全長3,400mm以下、全幅1,480mm以下、全高2,000mm以下」と決められており、多くの軽自動車がこの枠ギリギリ一杯の大きさにしているからです。
つまり軽自動車は基本的に全長、全幅で差がつくことはあまりありません。
全高ですが、新型スペーシアの全高は通常1,785mmで、2トーンルーフパッケージ装着車が15mm高の1,800mmとなっています。
これはルーフレールが標準装備となるためです。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1096/463/html/007_o.jpg.html
いずれにしてもタントの全高は新型スペーシアよりも低くなります。
N-BOXは2WDの全高が1,790mm、4WDの全高が1,815mmです。
■室内サイズ
室内長×室内幅×室内高 | |
タント | 2,200mm×1,350mm×1,365mm |
N-BOX | 2,240mm×1,350mm×1,400mm |
スペーシア | 2,155mm×1,345mm×1,410mm |
次に室内サイズですが、新型スペーシアは室内長がN-BOXよりも85mm、タントより45mm小さく、室内幅がN-BOX、タントよりも5mm小さく、室内高がタントよりも45mm、N-BOXよりも10mm大きい、ということになります。
前述のように全長と全幅は3車共に横並びにも関わらず、室内長と室内幅を比べるとスペーシアの数字が最も小さい点は少々気になります。これは単純に体感的な室内の狭さにつながるからです。
しかもタントはBピラーがない「ミラクルオープンドア」を採用しており、助手席ドアと左側スライドドアを開ければ助手席側開口幅が1,490mmとかなり大きく開きます。これは実際の室内サイズ以上に室内を広く感じさせられます。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/04_interior.htm
逆に室内高は新型スペーシアが最も大きくなっています。
室内高の差は室内サイズの差を最も体感しやすいです。特に後席に座った場合の視界の開け方に差が出るからです。
そのため後席の居住性を重視する場合は新型スペーシアの方が良いかもしれません。
■エンジン
最高出力(ネット) | 最大トルク(ネット) | |
タント(NA) | 38kW(52PS)/6,800rpm | 60N.m(6.1kg.m)/5,200rpm |
タント(ターボ) | 47kW(64PS)/6,400rpm | 92N.m(9.4kg.m)/3,200rpm |
N-BOX(NA) | 43kW(58PS)/7,300rpm | 65N.m(6.6kg.m)/4,800rpm |
N-BOX(ターボ) | 47kW(64PS)/6,000rpm | 104N.m(10.6kg.m)/2,600rpm |
スペーシア | 38kW(52PS)/6,500rpm | 60N.m(6.1kg.m)/4,000rpm |
新型スペーシアのエンジンはNAのみですが、タントとN-BOXはNAに加えてターボ仕様がラインナップされています。
非力な軽自動車にとってターボの有無は大きいので、多人数乗車の機会が多い方やより力強い走りを望む方にとってターボ仕様は魅力的です。
引用:http://www.honda.co.jp/Nbox/webcatalog/performance/driving/
スペックを見る限りではNA、ターボ共にN-BOXが1番元気が良さそうです。
新型スペーシアとタントのNAは最高出力も最大トルクも同じになっています。タントの方がやや高回転型のエンジンといえます。
■燃費
燃料消費率(JC08モード) | |
タント(NA) | 25.8~28.0km/l |
タント(ターボ) | 24.6~26.0km/l |
N-BOX(NA) | 24.2~27.0km/l |
N-BOX(ターボ) | 23.4~25.6km/l |
スペーシア | 26.4~28.2km/l |
タント、N-BOXと新型スペーシアの大きな違いの1つに、新型スペーシアはハイブリッドシステムを搭載しているのに対してタント、N-BOXは非搭載である(ガソリンエンジンのみを搭載)という点が挙げられます。
引用:https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1096/463/html/009_o.jpg.html
それを踏まえた上での燃費比較ですが、やはり新型スペーシアが最も良い数字となりました。
ただし新型スペーシアよりも古いモデル、しかもハイブリッドシステム非搭載であるタントの燃費がそれほど大きく劣っているわけでもありません。
あくまでも燃費にこだわる方は新型スペーシアの方をおすすめしますが、そこまで重視しない方はタントを選んでもそれほど後悔することにはならないと思います。
逆に最も燃費が悪いのはN-BOXですが、これはエンジン性能とトレードオフの関係にあると言えそうです。
⇒ 新型スペーシアを値引きから更に50万円安く買う裏技とは?
新型スペーシアのスペックのまとめ
引用:https://www.webcartop.jp/2017/12/185206/t7gi5861
以上、新型スペーシアのスペックをライバルのタント、N-BOXとの比較もしながらご紹介しました。
スペックを見た限りでは、新型スペーシアが明らかにライバルより抜きんでているのは燃費のみ、という結果になりました。
その燃費もあくまでもメーカーが公表しているカタログ燃費なので、実燃費での比較においてはどのような結果になるのかは未知数です。
最新モデルだけにスペック的にはもう少し頑張って欲しかったような気もしますが、軽自動車という限られた規格の中ではスペックでの差別化は難しいのもまた事実といえます。
そのため軽自動車選びにおいてはあまり細かいスペックにこだわることなく、実際に試乗した時に感じた直観や口コミを頼りにした方が良いでしょう。