新型スペーシアの値引き方法について情報をまとめました。
新型スペーシアはどのように交渉すれば大きい値引き額で購入することができるのか。その方法についてご紹介します。
目次
新型スペーシアの値引き額の相場
引用:http://toyokeizai.net/articles/-/201497
現行型となる2代目スペーシアは2017年12月14日に発売が開始されました。
本稿執筆時点では登場からまだ間がないため、ネット上に新型スペーシアの値引きに関する口コミはほとんど出回っていない状態です。
筆者が独自に複数のスズキディーラーを回って確認した新型スペーシアの値引き額の相場は、車両本体価格からの値引きが約5万円、オプション総額からの値引きが約5万円、合計約10万円程度となっています。
登場直後ということもあって新型スペーシアの値引き額はまだまだ渋い、というのが現状です。
ちなみに「価格.com」に寄せられている旧型スペーシアの2016年~2017年の値引きに関する情報は以下の通りです。
引用:http://kakaku.com/kuruma/nebiki/K0000473100/
旧型、つまり初代スペーシアが登場したのは2013年です。つまり2015年の時点でモデルライフは既に2年、2017年に至っては4年が経過しておりモデルライフ末期ということになりますが、それでも値引き額はこの程度です。
値引き額の合計が20万円いけば御の字、下手をすると値引き額0円で丸め込まれることもあるくらいです。
ここ数年のスズキは全体的に値引き額が渋めの傾向なこともあり、新型スペーシアの値引き額も今後それほど大きくなることはあまり期待できないかもしれません。
新型スペーシアの競合対象はダイハツタント、ホンダN-BOXだが・・・
引用:http://sw0036001.sj-oita.jp/hotnews/event/1840/
新車購入の際に1円でも多い値引きを獲得するために有効な方法として「ライバル車種と値引きを競合させる」というものがあります。
新型スペーシアの競合車種といえば真っ先に挙がるのがタントとN-BOXです。
引用:http://autoc-one.jp/daihatsu/tanto/special-1716921/photo/0002.html
そもそもスペーシアの前身となるパレットは、タントの大成功を受けてタントが2代目にフルモデルチェンジするにあたってスズキが市場に投入した、という経緯があります。スペーシアにとってタントは宿命のライバルともいうべき存在です。
タントの現行型は2013年10月に発売された3代目ですが、既にモデルライフは4年を超えているため新型スペーシアのようにフルモデルチェンジが予想されています。
早ければ2018年中、遅くとも2019年前半にはフルモデルチェンジ、ということになるかと思いますが、そうなるとそろそろ現行型の在庫を処分するために値引き額が拡大してくる頃、という見方もできます。
「価格.com」に寄せられているタントの2016年~2017年の値引きに関する情報は以下の通りです。
引用:http://kakaku.com/kuruma/nebiki/70100810408/
タントも旧型スペーシアも値引き額はほぼ変わらない、という状況です。
一方のN-BOXですが、こちらは2代目となる現行型が登場したのは2017年9月です。
引用:https://www.webcartop.jp/2017/09/151982
今の軽自動車で1番売れているのは何を隠そうこのN-BOXです。タントも人気があるのは間違いありませんが、ここ数年の軽自動車の販売台数ではN-BOXが1位、タントが2位、という状態が続いています。
旧型スペーシアはこの2車種には水を開けられていたのが正直なところなので、今回のフルモデルチェンジでどうなるかが楽しみなところです。
そのN-BOXの値引き状況ですが、「価格.com」に寄せられた現行型の値引き情報は以下のようになっています。
引用:http://kakaku.com/kuruma/nebiki/K0000319117/
こちらもやはり新型スペーシア、タントとそうそう変わりません。
タント購入者やN-BOX購入者の多くは恐らく値引き交渉の場でスペーシア、タント、あるいはN-BOXと値引き額を競合させていると思います。その結果がこの数字です。
この状況をみると、新型スペーシアの値引き交渉でタント、N-BOXと競合させたとしても、今ご紹介したようにこの2車種の値引き額がそもそも新型スペーシアと変わらず渋いので、あまり効果はないのではないか、という気がします。
最近の新車は値引きをしなくなった?
引用:http://s12213952.sj-keiyo.jp/staff-review/3200/
新型スペーシア、タント、N-BOXに限らず、最近新車の値引き額について調べているとつくづく感じるのが「ひと昔まえに比べると新車の値引き額が小さくなったなあ」ということです。
特に1980年代や1990年代に新車を購入したことのある団塊の世代の方々などは強く実感されているのではないかと思います。
引用:http://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU5095233239/index.html
というのも、この頃の新車の値引き額は30万円、40万円はザラ、中には不人気メーカー、不人気車種では50万円、60万円という例も割と聞くことがあったくらいです。
この時代を経験している方、あるいは情報として知っている方は昨今の値引き額の小ささにビックリされているのではないでしょうか。
「時代が変わった」と言ってしまえばそれまでですが、新車の値引き額が小さくなったのにはいくつかの理由があります。
まず1つ目の理由が「そもそも車1台を販売するにあたってのディーラーの取り分が小さくなった」ということです。
新車の価格というのは、まず車を作るのにかかる原価があり、メーカーがそこに利益をのせ、さらにディーラーの利益をのせた価格になります。
引用:https://www.goodspress.jp/reports/41874/
値引きの原資は基本的にこのディーラーの利益、ということになります。つまりディーラーは自らの利益を削って値引きをしているわけです。
ひと昔前は新車の価格にディーラーの利益もかなり上乗せされていました。そのため大幅な値引きも可能でしたが、最近はその額が減っています。
これは新車の原価が以前に比べて飛躍的に上がっているにも関わらず、メーカーがその分を新車価格にそのまま上乗せできない、という現状があるからです。そんなことをしたらみんな新車を買わなくなってしまいます。
メーカーとしてはもっと新車の価格を上げたいのが本音でしょうが、それをグッとこらえて自らの利益やディーラーの利益を削った価格を設定しています。それでもユーザーから見れば「昔に比べて新車は高くなったなあ」ということになるのですが、値引き額が小さくなった理由の1つがこのような点にあることは間違いありません。
2つめの理由は「販売する車種が絞られている」という点があると思います。
昔は今よりも各メーカーの新車のラインナップが豊富にありました。
例えばトヨタにはかつてマークⅡ、チェイサー、クレスタというほぼ同じエンジンを積み、ほぼ同じグレード展開、ほぼ同じ価格の4ドア車がありました。これは複数のチャンネルのディーラーに平等に同じタイプの車を割り当てようとして採られていた施策ですが、今はチェイサー、クレスタは廃止となり、マークⅡの後継車種であるマークXが残るのみです。
この3車種の中では特にチェイサーが不人気車種と言われており、マークⅡやクレスタに比べてかなり大きな値引きがされていました。そのため「本当はマークⅡが欲しいけどより安く買えるチェイサーにする」という人もいたものです。
引用:http://www.carsensor.net/usedcar/detail/CU5980598528/index.html
しかし今のメーカーは新車のラインナップをある程度販売が見込める車種に絞り込んでいるため、昔ほど不人気車種が出にくい上、出す新車はそこそこ売れるようになっています。
そこそこ売れるので大幅値引きをする必要はない上、大幅値引きをしてでも売らなくてはならないほどの不人気車種も出ない、ということです。
3つめの理由は「大幅な値引き販売はブランド価値を下げることにメーカーが気付いた」ということがあると思います。
これはマツダやスバルのかつてと今を比べるとわかりやすいです。
80年代、90年代のマツダやスバルはトヨタや日産、ホンダなどに比べると今では想像もできないくらい人気のないメーカーでした。
引用:http://minkara.carview.co.jp/userid/1473794/car/1096891/profile.aspx
新車が中々売れないマツダやスバルのディーラーが行ったのが大幅値引きでしたが、その結果起きたのがブランド価値の下落です。
常に大幅値引きで新車を販売しているとどうなるかというと、そのメーカーの中古車が売れなくなります。新車より安く買えるのが中古車のメリットですが、新車が大幅値引きされていると中古車のメリットが相対的に小さくなるからです。
といっても中古車販売店も売れないと困るので、価格を下げてでも処分しようとします。つまり中古車価格も下落します。
すると大幅値引きで不人気車を買ったオーナーが数年後に新車を買おうと下取りに出した時、査定価格が非常に低くなる、という現象が起きます。中古車価格が下落しているので、高く下取りしてくれるはずがありません。
引用:https://carcle.jp/UserBlog?UserID=5610&Keyword=%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80
そんな中で少しでも高く下取りをしてくれるのはやっぱりその車を買ったディーラーです。「次もウチで新車を買ってくれるなら下取りに色をつけますよ」という具合です。この甘言にのってまた同じメーカーで大幅値引きをしてもらって新車を買う・・・この繰り返しが何年も続くと「あのメーカーの新車は大幅値引きをしないと売れない」「あのメーカーの中古車は捨て値で売ってる」ということになり、ブランド価値は大きく損なわれるわけです。
そうなると新車はますます売れなくなり、まさに負のスパイラル、無間地獄へ突入します。
今ではマツダもスバルも大幅値引きはほとんどしません。「マツダは値引きをしない」という定説もあるくらいです。
その結果、マツダもスバルも今ではかつてとは比べものにならないくらいブランドイメージが向上しているのはご存じの通りです(もちろんマツダやスバルが魅力的な車作りをしている点が最も大きいです)。
以上のような理由から「新車を買う時は何十万円も値引きしてもらって当たり前」という考えは改める必要があります。
そうは言っても新型スペーシアを値引きしてもらいたい場合は・・・
引用:http://sw0034470.suzuki-dealers.jp/hotnews/new-car/1367/
新車がかつてほど大きな値引きをしていないとはいえ、やっぱり新車は高いので1円でも安く買いたい!というのが偽らざる本音だと思います。
新型スペーシアを1円でも安く買うためのコツは2つ考えられます。
まず1つめは「ディーラーやメーカーの決算月を狙って買う」ということです。
どのディーラー、メーカーにも共通している決算期は3月です。逆に言えばディーラーにとっては3月までの新車販売成績が非常に大事、ということです。
というのもディーラーにはメーカーから課せられた販売成績の目標のようなものがあり、その目標を達成したか否かでメーカーから出る販売奨励金の金額が変わるからです。
この販売奨励金もディーラーが値引きをする時の原資となるため、ディーラーは1台でも多く売って1円でも多くの販売奨励金を獲得しようとします。
そのため後からもらえる販売奨励金をアテにして、大幅値引きをしてでも売って販売成績目標を達成しようとするのがこの時期、というわけです。
新型スペーシアを1円でも安く買いたければ2月、3月を狙ってディーラーと値引き交渉をするようにしましょう。
2つめのコツは「ディーラーオプションに集中して値引き交渉をする」ということです。
車両本体価格からの値引きは前述したような事情もあってあまり多くを期待できません。たくさん値引きできるほどメーカーの利益がないからです。
しかしディーラーオプションはディーラー独自の判断で値引きができる余地がたくさんあります。例えばディーラーの工場で行われる作業は作業料を安くしたり、ディーラーが独自に仕入れて装備するものはサービスしてもらったり、といった具合です。
引用:http://www.carsensor.net/shop/gunma/224508007/maintenance/
この「ディーラーオプションに集中して値引き交渉をする」というのは最近の値引き交渉におけるトレンドの1つなので、絶対に覚えておくようにしましょう。
新型スペーシアの値引きのまとめ
引用:http://s40203956.sj-fukuoka.jp/hotnews/new-car/2717/
以上、新型スペーシアの値引きに関する情報をご紹介しました。
新型スペーシアの値引き額は現状では中々渋いものがあり、今後もそれほど大きく拡大するとは考えにくいです。
それでも頑張れば総額20万円程度までの値引きであれば可能だと思われますので、値引き額にこだわる方は決算期の交渉、ディーラーオプションからの値引きへの集中交渉などの手を使って頑張ってみてください。
ただし無理な値引き交渉は長い目で見ると自分にとってマイナスになるかもしれない、ということは覚えておきましょう。
ディーラーとの付き合いは新車を買う前よりもむしろ買ってからの方が長く続きます。点検や車検はもちろんのこと、万が一事故や故障が起きた際にもお世話になるはずです。
購入時に営業マンとの関係を上手く築けていないと、後々のフォローに影響することもあります。後味が悪くならないように、営業マンの顔も立てつつ購入した方がメリットは多いような気もします。