新型スペーシア スズキ 試乗レポートまとめ!

スペーシア

新型スペーシアは試乗レポートが数多く寄せられています。

こちらでは新型スペーシアの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。







新型スペーシアに実際に試乗してみました

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引用:https://autoprove.net/suzuki/spacia/59256/2/

先日フルモデルチェンジされた新型スペーシアに試乗をすることができましたので、今回はそのレポートをお届けしたいと思います。

今回は東京都郊外での一般道で約10kmの試乗を行っています。

新型スペーシアの試乗で最初に試したかったのが「モーターによるクリープ走行」でした。

新型スペーシアはISGというモーター機能付発電機を搭載していますが、アイドリングストップからの再発進の際はモーターの力だけで最長10秒間のクリープ走行が可能です。

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引用:http://www.suzuki.co.jp/car/spacia/performance_eco/

発進時にブレーキを離すと音も立てずに車がしずしずと進み出し、数秒経ったところでアクセルを踏む、という動作を繰り返してみましたが、「モーターが動いている感じ」や「エンジンの動力に切り替わった感じ」はほとんど感じられませんでした。

よほど意識していれば感じるかもしれませんが、自然にしている限りは全く気づきません。

ただ試乗をしていて「この機能を使う場面は果たしてどれだけあるのか」と考えてしまいました。

モーターによるクリープ走行は主に渋滞時のストップアンドゴーを想定していて、その際にガソリンを消費しない=燃費が良くなる、ということをスズキは狙っているのだと思います。

逆に渋滞をしていない道ではこの効果は限定的になります。というのも、発進時の最大10秒間をモーターによるクリープ走行をしていると恐らく後ろの車からクラクションを鳴らされることになるからです。

つまり「渋滞の多い場所」と「ゆっくりのんびり発進しても迷惑にならないほど交通量が少ない場所」以外ではあまり使われることがない機能でしょう。

新型スペーシアを運転して驚いたのは「加速時の意外な力強さ」です。筆者は旧型スペーシアを何度も運転したことがありますが、旧型スペーシアに比べると明らかに力強さが増しています。

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引用:http://autoc-one.jp/catalog/suzuki/spacia/photo/

このトルクフルな走りに貢献しているのも恐らくISGです。

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引用:http://www.suzuki.co.jp/car/spacia/performance_eco/

加速時はモーターがエンジンをアシストしてくれるからですが、新型スペーシアのモーター出力は3.2kWと旧型スペーシアの1.6kWの倍に強化されているのが大きいと思います。

これは「軽ハイトワゴンは走りが良くない」と思い込んでいる方の固定観念を覆すくらいのインパクトがあります。新型スペーシアの加速の良さはNAのN-BOXを上回っている、という印象です。

なおハンドル右側についている「パワーモードスイッチ」を押すとエンジンとCVTがより力強い加速ができるように制御され、モーターのアシスト力もアップします。これによって「ここ一番」の加速が必要な時は必要にして十分な加速力を得ることができます。

ISGやパワーモードスイッチ、そしてより最適化されたCVTのセッティングによって新型スペーシアは少なくとも普通に街乗りをしている限りは走行性能に大きな不満はありません。

ただ、流れの速い幹線道路を走っていると余裕を持った運転はできません。

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引用:https://www.yusuku.co.jp/blog/2014/11/5913/

今回の試乗は都内の国道16号線を中心に行いましたが、片側が3車線あって平均すると60~70km/hくらいのペースで流れています。

新型スペーシアでこの流れにのって走ることはもちろんできますが、何らかの理由で速度が40km/hくらいに落ちたところから再び60~70km/hへ戻そうとするときの加速力が周囲の車に比べるとやはり弱く、「置いて行かれる感」「煽られる感」を感じてしまいます。

このような場面で必要性を痛感させられるのがやはりターボです。ターボがあればもう少し力強い加速を得られるのになあ、と思うと、ターボの設定がないのが惜しまれます。

実はこの日と別の日に新型スペーシアカスタムのターボ車に乗る機会がありましたが、加速力はやはり一枚上手でした。

スズキにはぜひとも新型スペーシアへのターボ搭載を検討していただきたいところです。



新型スペーシアの内装をチェック

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引用:http://autoc-one.jp/suzuki/spacia/special-5000981/photo/0042.html

続いて新型スペーシアの内装について確認しておきましょう。

新型スペーシアは旧型スペーシアに比べて着座位置が前席は30mm、後席は15mm高くなっていますが、その結果乗降性が非常に良くなっています。乗り降りする際の姿勢変化が少なく、自然にスッと乗り降りできるので、特に年配の方には乗り降りしやすいと思います。

着座位置は高くなりましたが全長も50mm高くなっているので頭上の圧迫感はありません。インパネ周りのデザインが巧みなこと、フロントウィンドウが立ち気味になったことも相俟って、前方視界の見やすさも旧型スペーシアに比べてアップしており非常に見通しが良いです。

インパネといえば、旧型スペーシアに比べていくらか前に押し出されている感じがあります。そのため足元空間は広くなっています。

スライドドアの開口部も旧型スペーシアに比べると拡大しています。

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引用:http://autoc-one.jp/suzuki/spacia/special-5000981/photo/0030.html

こうして見るとBピラーのないタントの「ミラクルオープンドア」に比べると乗降性が悪そうに見えますが、普通に乗り降りする分には何の問題もありません。ただしアウトドア使用時などの開放感の高さはタントに軍配が上がるでしょう。

新型スペーシアはBピラーにグリップが取り付けられているので、年配の方や小さなお子さんなどはここにつかまって乗り降りができる分、ラクかもしれません。

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引用:http://autoc-one.jp/suzuki/spacia/special-5000981/photo/0063.html

後席の居住性ですが、N-BOXに比べるとほんのわずかではありますが「狭いかな」という印象です。とは言えその差は本当にわずかで、注意深く乗り比べていなければ「軽自動車なのに広い!」ということになるでしょう。

旧型スペーシアとの比較では明らかに広くなっています。これは全高で50mm、ホイールベースで35mm拡大したことが理由です。

前席と後席の間も10mm広くなっているので、大人が後席に座って足を組んでもまだ余裕があるほどです。

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引用:https://www.goo-net.com/magazine/104930.html

リヤシートは荷室側からもスライドしたり折りたたんだりすることができるようになりました。

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引用:http://www.suzuki.co.jp/car/spacia/luggage/

軽ハイトワゴンでこれができるのは他にはN-BOXだけなので、いかに新型スペーシアがN-BOXを意識して作られているかがよくわかります。

荷室の開口部は510mmと旧型スペーシアに比べて25mm低くなった上、自転車の積み下ろしをサポートするガイドも設置するという細かい配慮も嬉しいところです。

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引用:http://www.suzuki.co.jp/car/spacia/luggage/

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引用:https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1096/463/html/074_o.jpg.html

自転車は27インチ程度のサイズまでであれば余裕を持って積み込むことができます。

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新型スペーシアの試乗レポートまとめ

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引用:http://s22201618.suzuki-dealers.jp/hotnews/new-car/1696/

以上、新型スペーシアの試乗レポートをご紹介しました。

新型スペーシアは旧型スペーシアに比べると、近年の軽ハイトワゴンのオーナーが望む方向へ正常進化しています。すなわち広大な室内空間や使い勝手の良さを最大限に追求しているということです。

反面、やや個性は失われたという気はします。スズキのエンブレムを隠した上で「これが新しいN-BOXだよ」と言われても車に詳しくない方は何の疑問も持たないでしょう。

N-BOXを追いかけ過ぎるあまりにN-BOXとの差別化ができていない点はやや気になります。

走りの質は新型スペーシアの方が洗練されているように思いますが、それはあくまでもNAの話で、より力強い走りを望む層はターボの設定があるN-BOXを選ぶでしょう。

新型スペーシアカスタムにターボの設定があるから問題ない、とスズキは考えているのかもしれませんが、新型スペーシアのスタイリングでターボに乗りたい!というユーザーを取りこぼしてしまうことになるのは少々もったいないような気がします。

出来の良い車であることは間違いないので、ぜひディーラーで実際に触ってみて、乗ってみてご自身なりの判断をするようにしてください。