新型ノアハイブリッドのスペックが公開されています。
こちらでは新型ノアハイブリッドのスペックと主な特徴をまとめましたのでご覧ください。
新型ノアハイブリッドは、2014年1月、6年半ぶりにモデルチェンジ、2016年1月にマイナーチェンジして、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームをセットにした「Toyota Safety Sense C」を設定、運転支援システムを設定しました。
エアロ仕様Siを設定して5ナンバー枠を超えています。
引用:http://toyota.jp/noah/grade/
目次
販売施策の申し子ノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟
トヨタ自動車の販売系列はトヨタ店・トヨペット店・カローラ店・ネッツ店とありますが、テリトリーは同系列の店では決められているのでしょうが、系列の違う店同士では、競合他社と変わりはありません。
そのためどの販売店系列も売れる車をほしがることは同じで、ベストセラーが出ると奪い合いになり激しい競争となります。
そんな時、ユーザー層が多少違う車を作り、複数の系列店に流すと、それぞれの系列店が得意とするユーザー層を掘り起こして、全体としてシェアを伸ばします。
その体制の中でプリウス、シエンタなどは、全販売店系列で同じ車を売り、それぞれの獲得しているユーザーに売り込むことで、市場のニーズを根こそぎ掘り起こして、ベストセラーカーにしてしまう力があります。
もちろん、そのような販売体制がとれるのは「多種少量生産」が確立されているからです。
TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)を掲げて、さらに対応能力を上げようとしているのですが、その意味を誤解している自動車専門記者の人が多いようです。
2016年新型ノアハイブリッドは、ノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟の一角ですが、ノアの取り扱いはカローラ店です。
2016年新型ノアのハイブリッドシステム
4代目プリウスエンジン ノアは基本的に同じです。
引用:https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_104.aspx
引用:https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_103.aspx
トヨタのハイブリッドシステムはシリーズ・パラレル方式と言われる2モーター方式です。
エンジンとモーターの効率の良い場面で使い分けている。基本的にプリウスのシステムです。
2016年新型ノアハイブリッドでは2Lガソリンエンジン仕様と比べると非力なのですが、日常の使い方からすると大変使いやすくなっています。
ハイブリッドシステムでは、発進はEVモードと言われモーターの受け持ちです。
モーターは1回転目から有効なトルクがあり使いやすいものです。しばらくするとエンジンとモーターが共同で受け持ち、高速巡行ではエンジンが受け持ちます。
THSトルクミックスで、プリウスで開発されトヨタ各車が使用しているものです。
現在、世界で最も効率が良いハイブリッドシステムとされるものです。
ハイブリッド・トランスアクスル
引用:http://toyota.jp/technology/powerunit/hybrid/
モーターとエンジントルクを状況に応じて、車軸とゼネレーターに配分して、最高の効率を目指す、ミッションと言えるユニット。
トヨタのパテント(特許)です。
トヨタのハイブリッドシステムはさすがに優秀です。
価格がネックな部分でもありますが、その分は値引きをしてもらって、お得なハイブリッドを購入しましょう。
新型ノア ハイブリッドの値引きの方法については、
「新型ノア ハイブリッド 値引き術!」で詳しく解説しています。
【TNGA(Toyota New Global Architecture)】について
引用:https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_103.aspx
■コストダウンはケチることではない。
TNGAについては、ほとんどの車のジャーナリストは設計・製造技術と解釈しているようです。
TNGAはコストを削減し、投資資金の劇的な削減を狙った世界戦略です。
そして、マーケットリサーチに基づいた製品企画に忠実に造っても、コストアップにならない作り方でもあります。
それが営業施策面でも有効に働いている実例が、ノア/ヴォクシー/エスクァイア3兄弟でもあります。
少しの差でも製造現場では別部品の組み立てとなって、コストアップの要因となるのですが、同一の製品として組み立てることができるため、コストアップ要因とはならず、市場のニーズに応えることができるのです。
トヨタの販売体制を維持することができる重要な要因でもあります。
TNGAの技術的展開で、さらに部品を共通にすることなどが進められ、全車種、全製品の整理を行うので、同時に商品力のある製品を開発すべく努力が続けられています。
誤解は、コストダウンを行うための生産技術開発を、自動車専門記者が知らないために起きています。
経理、経営を知らないジャーナリストに、コストダウンを「ケチること」と受け止められてしまい、部品を共通化することで、設計の自由度が制限され、マーケットリサーチで判明した顧客のニーズに沿った製品とは出来ないと解釈されてしまうことが起きています。
■狙いは工数の平準化
できる限りマーケットリサーチに忠実な多種多様な製品を「同じ製品として」生産することができるように、設計、製造技術で半世紀以上前から行われており、それを世界規模で見直すことで、車種ごとの専用ラインではなく、多くの車種で共用できる生産ラインとして、車種により生産数が増減しても、ラインとしては多種の車種を合わせて平準化した生産数に整えることを狙っています。
■固定費、投資資金の削減が目的
専用ラインにしておくと、それぞれの車種ごとに生産数が増減したとき、減産した車種のラインは遊んでしまいます。
一方、増産したい車種のラインは増設しなければならなくなります。
二重の無駄な資金が必要となってしまいます。
この体制で増産を続けてきたトヨタは、リーマンショックで減産を強いられたとき、無駄なコストが思うようには削減出来ず実質的に赤字に至ります。
そこで、減産しても費用を削減でき、増産になっても必要になる固定費を他のラインから融通しあえるようにしようと考えたのです。
ラインごとの稼働率も上げることができて、固定費が下がるのです。
これで増産についての設備投資を劇的に減らすことができ、減産になっても固定費が落ちているので柔軟に減産して、赤字に陥らないのです。
従来、生産の増減に伴う固定費の調整弁になっていた派遣社員を、平均した人数にして正社員化できるチャンスが生まれ、社員にとっても身分が安定する可能性を作れるのです。
■「同じ車種として生産できるライン」を作り上げる
例えば、シャーシは共用化と言っても、そのままでは共通に使うことはできません。
そこで、基本的な構造部材は同じ形として寸法の変化と、使用する板厚を変えて強度変化に対応しています。
このように制約を受けるのではなく、自在に車種を変えても、同じ車種として生産できるようにすることが目標なのです。
■やってはならないサブ組み立てライン
組み立て工程では、「サブ組み立てをしてはならない」と考えるべきで、1工程で組み立てを完了できるのが理想です。
サブ組み立てを行うと、部品の取り扱い工程が増え、中間在庫が増え、余計な手間暇、設備などに、多くの資金を必要とするようになります。
工程は、出来る限り結合させることが大きなコストダウンとなります。
引用:https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_093.aspx
■世界規模で受注を分け合う「第4次産業革命」
今、ネットで世界中の生産工程と受注状況を結んで、最適の生産体制を作り、無駄のない生産と整備を行おうとする試みが進んでいます。最も熱心なのがドイツで、日本式「カイゼン」を恐れているともいわれています。
日本は出遅れていると言われており、日本の中では、小松製作所が先頭を走っていると見られています。
世界の受注情報を集めたものが主導権を握れると考えられており、グーグルなどのIT企業が先行するのではないかと言われています。
トヨタもグーグルなどとの共同作業を意識して、組織の決断を早くする方策を模索しているようです。
それが「自工程完結」などの管理技術として、現れてきているのでしょう。
競合車種を含めた主要諸元
2016年マイナーチェンジした、新型ノアハイブリッドの競合車種として考えられるのは、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴンなどで、同級車種で基本的グレードは5ナンバー枠内です。
上級車種としてはホンダ・オデッセイで、さらに上級車としてはトヨタ・アルファード/ヴェルファイア兄弟となり、ダウンサイジング車種ではトヨタ・シエンタ、ホンダ・フリードなどがあげられます。
それぞれ特徴があり迷うところでしょう。
■主要諸元
ノア、セレナとも5ナンバー車
ノア、セレナとも5ナンバー車
■新型ノアハイブリッドのグレード別価格表
■競合車種の値段
直接の競合車、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴン
引用:http://www2.nissan.co.jp/SERENA/exterior.html
セレナはハイブリッドとは言えないかもしれません。
「スマートシンプルハイブリッド」と称して極めて小馬力(2.4馬力)のモーターで電気を回生し、サポート駆動しています。
バッテリーも通常の鉛バッテリーでリチュウムイオン、ニッケルカドニュームなどのバッテリーは積んでいません。
ハイブリッドほど燃費性能は上がりませんが、値段が安くできるメリットもあり、全てのガソリン車にも取り付けると有効なシステムでありましょう。
出典:http://www2.nissan.co.jp/SERENA/performance.html
引用:http://www.honda.co.jp/STEPWGN/
ステップワゴンはハイブリッドはなく、ダウンサイジングターボエンジンです。
ターボエンジンのおかげで低回転トルクがハイブリッドに引けを取らないようで、かなり実用域では使いやすいでしょう。
燃費もJC08モードで17.0km/Lと十分伸びており、値段がハイブリッドより安く設定できるため、この生き方もまたあるかもしれません。
しかし、燃費規制はますます厳しくなります。
ターボチャージャー
引用:https://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_089.aspx
上級競合車ホンダ・オデッセイ
引用:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/styling/?from=ODYSSEY-header
ホンダ・オデッセイは上級車で3ナンバーであり、すべての点で優れているようですが、価格も上であり決断でありましょう。
むしろアルファード/ヴェルファイアと競合するのかもしれません。
ダウンサイジング競合車
トヨタ・シエンタが強豪ですが、ホンダ・フリードもモデルチェンジが控えているようで、これは考えどころです。
燃費は良く使い勝手もよいようですし、値段は100万円ぐらい節約できることになります。
時代の要請は燃費優先でしょう。
引用:http://toyota.jp/sienta/grade/
まとめ、スペックから見る2016年新型ノアハイブリッド
引用:http://toyota.jp/noah/style/
現在の2016年新型ノアハイブリッドのスペックでは、室内空間、使い方など、ホンダ・ステップワゴン、日産・セレナとまともにぶつかるのですが、競合車はハイブリッドではなく、簡易型のハイブリッドとダウンサイジングターボです。
ノアよりも大型の新型のオデッセイハイブリッドのほうが燃費は良く、競争の激しさを感じさせます。
これからますます進歩が要望される燃費技術ですが、現在のところトヨタのハイブリッド方式が世界をリードしているようです。
しかし、2021年をめどにEUでは新基準に移行しますし、各メーカーはプラグインハイブリッドを目指して開発競争を演じています。
いよいよ5年ほどで電気自動車・水素燃料電池・プラグインハイブリッドなどに絞られてくるのでしょう。
これからの性能は、動力性能や、使いやすさなどの以前に、燃費が問われてくるのでしょうが、これまでの常識的自動車に対する価値観が覆される大変な時代になりました。
→ 新型ノア ハイブリッドを値引きからさらに50万円安く買う方法とは?