2016年時点の新型アコードハイブリッドは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは2016年時点の新型アコードハイブリッドの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/type/
ホンダは、ハイブリッド方式ではトヨタと争う2大メーカーですが、燃費性能では常にトヨタの後塵を拝してきました。
トヨタが低速域ではEV走行を基本としてエンジンとモーターの駆動力をミックスする速度領域があり、高速域ではエンジンのみの走行とすることで現在のところ最高の効率を示して、ホンダをリードしています。
2016年5月の新型アコードハイブリッドのビッグマイナーチェンジでは、まだまだデーターが揃っておらず市場の評価は定まっておりませんが、予測されるこのモデルの評価を考えてみましょう。
トヨタ・プリウス・シャーシ
引用:http://toyota.jp/technology/powerunit/hybrid/
目次
ホンダの反撃
トヨタ方式に対して、従来エンジンは常に駆動力を車輪に伝えて、モーターが必要な時にサポートする方式と取っていたホンダが、むしろトヨタ方式に乗り換えるように見える変化を示してきました。
そのため現在、ホンダにはいろいろなハイブリッド方式が混在して、フィットなどの大量リコールを産み出しているようです。
しかし、オデッセイハイブリッド、アコードハイブリッドは、EV走行とエンジン発電で直接モーターを回す速度域を広げて、効率を上げてきております。
モーター走行速度域が増えていくと、効率が逆転することにホンダは気づき、プラグインハイブリッドの時代が来ることを見越して、今回、新型アコードハイブリッドにオデッセイハイブリッドと同じ方式を取り入れてきています。
2021年からのEUの燃費規制に対応しなければならない、全世界の自動車メーカーの注目の方式でもありましょう。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail02/
2016年新型アコード・ハイブリッドシステム
■アトキンソンサイクル・エンジン
引用:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/performance/detail/
今回のマイナーチェンジでは変更がありません。2Lガソリンエンジンです。
アトキンソンサイクルとは、圧縮行程より爆発行程ストロークが長くなるレシプロエンジンのことです。
これを機械的に実現しようとしてきたのですが、エンジンの体積、重量がかさみ、車のエンジンとしては採用しにくいものでした。
それが吸排気弁を電動にして、稼働タイミングを変えることができるようになり、排気弁を圧縮行程で閉めるのを遅らせて、実質的に圧縮比を落とすことができることで、疑似的にアトキンソンサイクルを実現したのでした。
アトキンソンサイクルは爆発行程のストロークが長いことで、低速トルクが強いエンジンを作ることが出来、発電機を回すエンジンとしては最適な特性を備えています。
出典:ホンダ・公式サイト アトキンソンサイクル
引用:http://www.honda.co.jp/tech/power/exlink/
■リチウムイオンバッテリー
引用:http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/webcatalog/performance/detail/
今回の、新型アコードハイブリッドのマイナーチェンジで最も変わったところです。
リチウムイオン電池は新開発されて、33%の小型化と12.8%の軽量化が進みました。
PCU(ハイブリッド制御装置)も小型化され、搭載位置が変更されて配線類も短縮されたとのことです。
これは軽量化に最も貢献しており、今回のモデルチェンジの中心的技術改革となりました。
■モーター
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
コイル巻き線を丸断面から四角断面として高密度化することで磁力を強め、23%の小型軽量化に成功しています。
軽量化の一部は高出力化して、また製造方法を再開発してコストダウンに成功しました。
オデッセイとの共通化を施し、次世代のホンダ・ハイブリッドシステムの方向性を示しています。
新型アコードハイブリッド、ボディーの軽量化
今回、新型アコードハイブリッドのマイナーチェンジで最も進歩したのが、軽量化の技術です。
まず力のかからないところには、より軽い材質を使うという鉄則に従い、ボンネットにアルミを使い、強度と衝撃吸収の役割のフロントサブフレームにアルミを使っています。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
ボディー全体にハイテン材の使用料を増やし、重量の割に強度のある材料として、全体の軽量化を進めています。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
バッテリーの軽量化、モーターの軽量化、なども合わせて大幅な軽量化で浮いた重量を、遮音材、補強材に回して、静粛性の確保を果たしています。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
新型アコードハイブリッドのサスペンションチューニング
乗り心地や、操縦性に大きく影響するのがサスペンションセッティングです。
この良し悪しが車の印象さえ作ってしまいます。このサスペンションについて、その基礎知識から見ておきます。
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/interior/
■サスペンションの役割
そもそもタイヤが路面の凸凹に対応して上下動すると、スプリングが突き上げる方向に対する入力を受け止めます。
まず縮んでショックを受け止めます。
次にスプリングは元に戻ろうとして伸びてきます。これを繰り返していると、なかなか上下動が収まりません。
そこでダンパーが必要になってきます。簡単に言えば、上下動を繰り返そうとするスプリングの動きを抵抗して止めようとしているのです。
フリクションダンパーは摩擦することで抵抗を作ります。
オイルダンパーはオイルの入った筒の中にピストンを入れて、抵抗を作り、上下動するスプリングと共に動かすと、大変重い抵抗を作ることが出来ます。
これでスプリングでショックを受け止め、戻ることで上下動を繰り返してしまうのを、オイルダンパーで止めるのです。
■サスペンションの味付け
すると高速で走行中の時は、タイヤから突き上げる入力がきつくなります。
それでスプリングもダンパーも固くしないと、ふわふわと安定しないことになります。
でも低速では突き上げる力も弱くなりますので、固いスプリング、ダンパーではごつごつと突き上げ感が多くなって、乗り心地が悪くなってしまいます。
相反する条件をどのようにしてバランスするのかが、問われているのです。
具体的には、高速走行を主力すると街乗りで突き上げ感が出る、街乗り重視では高速でふわふわと安定しないとなってしまいます。
■サスペンション特性の違いの背景
ベンツ、BMW、アウディーなどのドイツ車は高速で吸い付くようだと言われ、日本車はふわふわと心もとないとよく言われてきました。
それは、車に要求されている性能が違う環境であるからです。
日本の道路では高速道路でも最高速度は100km/hがほとんどです。ドイツのアウトバーンは速度無制限で、200km/hでの巡行を要求されます。
ヨーロッパは日本よりだいぶ早くから舗装路面がほとんどとなっています。
日本は30年ぐらい前に全国の道路整備が行き届いてきました。これがサスペンションに対して要求される性能を決定的に差を作ってきたのです。
■オールマイティーなサスペンション特性を要求する世界市場
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
現在の世界情勢では、中国、インドなどまだ路面の整備が進んでいない中で、高級車でも走ることが多く、4輪駆動が求められる背景となっています。
世界市場では評価基準が変わってきているのです。
その中で、最近では、低速域でオイルダンパーの効きを小さくし、大きな振幅となったときには効きを強くする機構を装備することが常識化してきました。
2016年新型アコードハイブリッドでも、振幅が小さなときにだけ開くバルブを追加して、オイルダンパーの効きを調整して、低速域での小さな振幅では突き上げ感をなくし、大きな振幅に対しては抵抗して安定感を出す機構にしています。
最近ではBMWのMシリーズでさえ、低速域での乗り心地を改善してきました。
これには、サスペンションを取り付けるブッシュ類の改善もあり、小さな振動を受け流すようになってきています。具体的には、街乗りでのごつごつ感はなく、コーナリングでのロールや、ブレーキ時のダイブを少なく抑えている状態です。
これは大変乗り心地が良く、かつ安定感を実感できる仕組みとなっています。
2016年新型アコードハイブリッドでもこれらの機構を取り入れて、全体のチューニングを向上させてきています。
■アライメント変化の制御
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/
サスペンションはタイヤのアライメントを決めています。
当然ですが、タイヤの取り付け角度はアームなどの取り付け位置や角度などで決まってきます。
それは勿論のこと、サスペンションが沈み込むと同時に変化してきます。アライメントが変化すれば車の挙動に影響が及びます。
タイヤが上下動をすれば、アライメントがある程度変わるのは仕方がない部分もありますし、その変化で不安定になるのも安定化するのも決まってきます。
そこで変化を積極的に使って、コーナリング性能を調整することが常識化してきています。
概ね、コーナリングに入って沈み込んだ時トーイン側にアライメントが変化すると、前輪ではオーバーステアに、後輪ではアンダー側に変化します。
これらをアームの取り付け角度や位置、長さなどで調整して、求められる適切な性能に調整してきています。
アームの取り付けをゴムブッシュなどを介して行うことで乗り心地も変化します。
2016年新型アコードハイブリッドでは、詳細は不明ですが、これにオイルダンパーの取り付け角度などの調整を加えて整えてきています。
まとめ、軽量化こそ最大のメリット
引用:http://www.honda.co.jp/ACCORD/webcatalog/performance/detail01/#sect_body
新型アコードハイブリッドの試乗データはまだまだ少なく、評価は定まっていませんが、静粛性、乗り心地などはかなり改善されていることが予測されます。
燃費については、数値こそ大差は出ないものの、軽量化のメリットはすべての面で感じられると予測できます。
車の性能において、軽量化は何よりも優先して進めるべき項目であることを実感させられたのが、2016年5月の新型アコードハイブリッドのマイナーチェンジでした。
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