新型XV(2017年)の燃費情報が公開されています。
こちらでは新型XV(2017年)の燃費に関するデータをご紹介します。
目次
メーカーが公表している新型XVの燃費
引用:http://autoc-one.jp/subaru/impreza_xv/special-3220471/
まず始めにメーカーが公表している新型XVの燃費を確認しておきましょう。
1.66Lエンジンを搭載するモデルの燃費は15.8~16.2km/l、2.0Lエンジンを搭載するモデルの燃費は16.0~16.4km/lとなっています。
1.6Lエンジンの燃費の15.8km/lというのは1.6i-L EyeSightでオプション装着によって車両重量が1,430kg以上になった場合の数値です。
同じく2.0Lエンジンの燃費の16.0km/lも2.0i-L EyeSightではオプション装着によって車両重量が1,430kg以上になった場合の数値となります(2.0i-S EyeSightも16.0km/l)。
カタログ値は1.6L、2.0L共に概ね16km/lと考えておけばよいでしょう。
新型XVはなぜ1.6Lと2.0Lで燃費に差がないのか
引用:https://www.autocar.jp/firstdrives/2017/04/14/216137/4/
新型XVの燃費を見て、1.6Lモデルと2.0Lモデルとで燃費の差がないことに違和感を感じた方もいらっしゃるかもしれません。
これは2.0Lモデルに搭載されるエンジンは1.6Lのそれと異なり直噴化されていることが理由です。
引用:https://www.subaru.jp/brand/technology/technology/driving_boxer.html
新型XVの2.0Lモデルに搭載されるFB20型直噴エンジンは現行型のインプレッサの2.0Lモデルに搭載されているものと同じです。
それまでスバルの直噴エンジンと言えば「DIT」と呼ばれる直噴ターボエンジンか、「D-4S」と呼ばれるポート噴射と直噴を併用したエンジンか、だったわけですが、直噴のみの自然吸気エンジンとしてはこのFB20型直噴エンジンが初めてのラインナップでした。
直噴エンジンの「直噴」とはエンジンのシリンダーの中に直接噴射するので直噴、と呼ばれています。
直噴エンジンが登場する前のエンジン(ポートエンジン)はシリンダー直前の吸気ポートという部分に燃料を噴射することから「ポート噴射」と呼ばれていますが、直噴はポート噴射に比べると熱効率と燃焼効率に優れていて、その結果燃費が良くなるというメリットがあります。
直噴とポート噴射の違い
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20170420-20103181-carview/photo/13/#contents
それではここで直噴とポート噴射の違いを簡単にご紹介しましょう。
そもそもエンジンというのは、空気中に適量の燃料を混ぜ、それを燃やすことによってパワーを発生させます。
車はこのパワーを動力源として最終的にはタイヤを回転させることによって前に進むわけです。
上記の過程の「空気中に適量の燃料を混ぜ」という部分が直噴とポート噴射では多少異なります。
まず従来型のポート噴射の場合、インテークマニホールド(インマニ)内で燃料と空気の混合気体を作り、シリンダー内燃焼室へ混合気体を送り込みます。
引用:http://minkara.carview.co.jp/userid/1597692/car/1186457/4864457/parts.aspx
これは別の車のエンジンですが、赤色で囲った部分がインマニです。
4気筒であれば4つ、6気筒であれば6つ、シリンダーに向かって伸びています。
このインマニの中には燃料噴射用のインジェクターがついており、インマニ内に空気が流れ込むとその空気量に応じた燃料(ガソリン)が噴射されます。
燃料と空気の混合気体はシリンダー内に流れこみ、圧縮されたところにプラグを点火して火花を飛ばして燃焼させます。
一方直噴の場合、シリンダー内燃焼室に空気を取り込み、燃焼室内に設置されたインジェクターが燃料を噴射します。
つまりポート噴射がシリンダーの手前で燃料と空気を混ぜてしまい、その混合気体をシリンダー内に送り込む、という仕組みなのに対して直噴はシリンダーの中に直接燃料と空気を送り込んでしまう、ということです。
引用:http://www.irs-japan.com/?p=5892
車に限らずエンジンというものは空気と燃料を混合させるバランスが非常に重要で、バランスが悪いと排気ガスが汚くなったり、エンジン内部にすすが溜まったり、燃料を消費する割にパワーが出なかったり、ということになってしまいます。
技術的に直噴エンジンが可能になったのは空気と燃料の量をリアルタイムかつ正確に測る技術が確立されたからで、国産車では1990年代中盤頃から少しずつ採用されてきました。
直噴エンジンのメリットは何と言っても高圧縮比の実現によって低燃費とパワー向上の両立がしやすいというところにあります。
圧縮比というのはシリンダー内に吸い込んだ燃料と空気の混合気体をどれだけ圧縮させるか、という比率のことです。
理論上は高圧縮すればするほど結果的に得られるエンジンパワーは大きくなるわけですが、ポート噴射の場合はシリンダー内部に送り込まれた混合気体を高圧縮し過ぎると「ノッキング」という現象が起きてしまいます。
シリンダー内部が高温になると、混合気体が送り込まれただけで、つまりプラグが点火していないにも関わらず燃焼してしまうことがあります。これがノッキングです。
引用:http://4-mini.net/custom/gas-regular-highoctane
ノッキングはエンジンに負担をかけるので起こさないことが望ましいのですが、直噴エンジンの場合はピストンが空気のみを圧縮した後、シリンダー内に燃料を噴射して混合気体を発生させた上で燃焼させる、という流れになるため、高圧縮してもノッキングが起きにくいです。
理由は単純で、圧縮しているのはただの空気で燃料が含まれていないからです。
しかもシリンダー内に燃料を噴射した後に混合気体が発生する過程でシリンダー内の熱を奪ってくれるという効果もあります(気化潜熱)。
シリンダー内部の温度が適度に下がるので更にノッキングは起きにくくなる上、シリンダー内部の空気の体積が減るのでさらに空気を送り込むことが出来ます。
つまり「直噴エンジンはその構造上ノッキングが起きにくい→高圧縮比が実現出来る→少ない燃料でパワーが得られる&パワー向上」ということになります。
逆に直噴エンジンの最大のデメリットは、ポート噴射式エンジンに比べてシリンダー内部にガソリンの燃えカス、つまり「すす」が溜まりやすいということです。
引用:http://www.irs-japan.com/?p=5892
このすすのせいでオイルが非常に汚れやすくなったり、エンジン各部にすすが体積して不具合の原因となったり、といった問題が発生しがちです。
新型XVの実燃費をインプレッサスポーツの口コミから予想する
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20170420-20103181-carview/photo/2/#contents
本稿執筆時点で新型XVの発売はまだ開始されていないため、燃費に関するオーナーの口コミを集めることが出来ません。
そこで参考までに、新型XVと同じエンジンを搭載するインプレッサスポーツのAWDの燃費に関するオーナーの口コミをチェックしてみたいと思います。
なおインプレッサスポーツAWDのカタログ燃費は1.6Lで17.0km/l、2.0Lで15.8~16.8km/lとなっています。
4WDだから仕方ないとはいえもう少し欲しい。通常街乗りだけでは10km/lには到底届かず、9km/l前後と言ったところか。それでもE46(4代目BMW3シリーズ)の7km/lハイオク(インプはレギュラー)に比べれば、かなりの改善ではある。今のところ、1,000kmのうち300kmの高速ミックスでトータル平均11km/l弱位だと思う。(1.6i-L)
トリップメーター上では12km/lになってます(現在、通勤と他使用で半々くらい)。通勤では冬+短距離走行のため平均8-10km/lくらいですね。幹線道路ではほぼアイサイト使用で15-17くらいでてますね。この車体+四駆ということなど考えればいい方なのではと思います。通勤距離(混雑次第)長ければ中々の燃費でるかと思います。アイドリングストップは今はあまり使ってないですがブレーキを強めに踏み続けてないと早めに解除(20-30秒くらいで)される時がありました。(1.6i-L)
長距離乗るともっと伸びるとは思いますがXT(現行型フォレスターXT)より悪い、長距離乗って12.5km/l止まり、フォレスターでも12.5km/lは出ます。と言っても飛ばした訳ではなくクルコンで高速を100キロのスピードでで走ってこの数字でした。NAだからもう少し燃費良くてもいいのでは。(2.0i-L)
冬の街中で信号が多い所では7~8km/lで6気筒より燃費が悪いのに驚いたが高速で100km/h追従走行すると20km/lを超えたのにも驚きました。これはカタログ燃費をはるかに超えてHVの実燃費並の値。前車では高速のみでもカタログ燃費を超えたことがなかったので素晴らしい。郊外で60km/h走行、たまに信号位だと13km/h~14km/h、まずまずです。(2.0i-S)
条件が悪いと10km/hを切るという中々厳しい結果となりました。ただし大き目の幹線道路や高速道路でアイサイトの全車速追従機能付クルーズコントロールなどを活用して走るとカタログ燃費の8割程度の燃費は期待出来そうです。
ただ、新型XVはインプレッサスポーツに比べると車両重量が約100kg程度重くなるため、その分燃費が悪くなる可能性はあります。
新型XVの燃費のまとめ
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20170420-20103181-carview/photo/30/#contents
以上、新型XVの燃費についてご紹介しました。
新型XVの燃費は必ずしも悪いと言えるものではないと思いますが、最近はハイブリッド仕様が全盛のためどうしても数値的には見劣りしてしまうところがあります。
何よりも燃費を重視する、という方は新型XV以外の車種、例えばホンダヴェゼルのハイブリッド仕様などを選ばれた方が幸せになれるかもしれません。
しかし新型XVにはスバル車らしい「走る愉しみ」があります。
多少燃費を犠牲にしてでも走りを愉しみたい、というくらいの気持ちでいられる方こそ新型XVはピッタリだと思います。
生粋のスバリストの中には、「細かな値段は気にしない」という方もいらっしゃると思いますが、少しでも安く購入したいと思われる方も多いと思います。
新型XVの値引きの方法については、
「新型XV(2017年) 値引き術!」で詳しく解説しています。
新型XVの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。