2017年の新型WRX S4は試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは2017年の新型WRX S4の試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
目次
2017年新型WRX S4に試乗してみた
引用:http://autoc-one.jp/subaru/wrx/report-3441972/photo/0006.html
今回編集部では2017年新型WRX S4(D型)を試乗する機会を得られましたので、その模様をご紹介したいと思います。
試乗コースは世田谷区の環状8号線から首都高渋谷線に入って渋谷で降り、国道246号線を使って環状8号線に戻り、今度は用賀から東名高速道路に入り港北インターで折り返して戻る、ルートです。
今回のコースにはワインディングは含まれていません。
「ツーリングアシスト」のスムーズさは衝撃ですらある
D型のWRX S4の目玉といえば何と言っても「アイサイト・ツーリングアシスト」だと思います。
引用:https://www.subaru.jp/wrx/s4/
ツーリングアシストは2.0GT EyeSight、2.0GT-S EyeSightの両グレードに標準装備されます。
ここでいま一度ツーリングアシストについておさらいしておきましょう。
ツーリングアシストの機能は大きく2つに分かれています。
1つは全車速追従機能付クルーズコントロールによるアクセルとブレーキの自動制御です。
この機能は0km/h~120km/hという幅広い速度域に対応しています。
車両前部に取り付けられたアイサイト用のステレオカメラで前方を走る車両を捉え、適切な車間距離を保ちながら定められた速度の範囲内で自動的にアクセルとブレーキを制御しながら走行するわけです。
引用:https://clicccar.com/2017/06/19/483796/img_2928/
先方車が止まれば自車も止まり、先方車が発進すれば自車も自動的に発進して加速していきます。
もう1つは先行車はもちろん道路に引かれた区画線もカメラで認識した上でのステアリング制御です。
これによって車間距離が狭い渋滞時のように区画線が見えない状況でも先行車を認識することで、先行車がいない場合は区画線を認識することでステアリングを制御することができます。もちろん状況によっては先行車と区画線の情報を組み合わせて判断を行います。
引用:https://www.subaru.jp/wrx/s4/safety/safety2_1.html
つまりツーリングアシスト機能を使えば高速道路の単一車線においてはほぼ自動運転が可能になった、というわけです。
試乗の際は首都高渋谷線に入ったところでツーリングアシスト機能をオンにしました。これはステアリングのスポーク部分にあるボタンを押すだけです。
引用:https://clicccar.com/2017/06/19/483163/
結論から申し上げますと、この機能が凄いです。一応運転支援機能を謳っていますが、ほぼ自動運転機能だと考えて差し支えのないレベルになってしまっています。
とにかく全車速追従クルーズコントロールの動きが非常にスムーズです。
走行中に適度な車間距離を保つのはもちろんのこと、減速する際も妙に先行車に接近してしまうことなく絶妙な車間距離を保ちながらきちんと減速してくれます。
引用:http://www.geocities.jp/nanamikentiku/michi.shutoko3.html
そこから止まりきらずに再加速するような場面もありますが、その際の再加速も急にアクセルが開いて加速していくような感じもなく、何の衝撃もなくスルリと再加速体制に移行します。
渋滞で完全に停止した状態からの再発進も、先行車が発進すると「まさにここ!」というタイミングでスタートします。これが早すぎると「追突するんじゃないか」という恐怖感が芽生えたり、遅すぎるとイライラしたりすると思いますが、そのどちらもが感じることがありません。
一方のステアリング制御の方はクルーズコントロールほどにスムーズな動きとはいえませんでした。
結果的に車線中央部はトレースしてくれますし、後ろを走る車から見ても不自然な動きはないと思います。
そこそこRのきついカーブで、なおかつ加減速を伴うような場合でも走り自体はスムーズです。
しかし実際にシステムが制御するステアリングを見ていると「え、もう少し内側にきった方がいいんじゃないの?」と思う場面が多々ありました。そのような場合は数秒後に必ず再度内側にきって修正が行われますが、瞬間的な怖さに襲われます。
ドライバーによるステアリング操作であれば「スーーーーーー」っと少しずつ滑らかに内側にきっていく操作が、自動制御だと「スッ・・・スッ・・・スッ」と多少のカクカクさを伴ってきれていく、という感じです。
引用:http://autoc-one.jp/news/3371343/
慣れれば脳内で予想されるイメージと実際の自動制御の動きが一致して怖さを感じなくなるのかもしれませんが、初体験では正直なところ手に汗を握りました。
ただ、用賀から首都高渋谷線にのって渋谷出口で降りるまでの間、そこそこ渋滞する中をアクセルとブレーキ、そしてステアリング操作をほぼせずに、つまりほぼ自動運転で終えてしまったのは紛れもない事実です。
筆者が行った操作は高速に合流する時と一般道に降りる時のウインカー操作とステアリング操作くらいです。
その後東名高速道路の東京インターから港北インターまでの間を往復しましたが、東名高速はほぼ真っ直ぐでRのきついカーブがないこと、全くといっていいほど渋滞がなかったのでツーリングアシストの恩恵を享受する場面はありませんでした。
この機能は渋滞や混雑が慢性化している高速道路や自動車専用道路を走る機会の多いドライバーにとっては非常に便利だと思います。
もちろんいつでもブレーキ操作やステアリング操作ができるように心と体の準備をしておく必要はあります。突然システムが故障する可能性がゼロとはいえないからです。
しかし渋滞時に感じる様々なストレスは明らかに軽減されます。
私が東名高速を走った時はたまたま条件がよかったのでツーリングアシスト機能はつかいませんでしたが、これがお盆や年末年始の東名高速であれば絶大な効果を発揮したはずです。
2017年10月現在、このツーリングアシスト機能が搭載されているスバル車はWRX S4とレヴォーグのみですが、この機能だけでも十分にこれらの車を買う大きな理由になると思いました。
C型→D型への年次改良で進化した点
引用:https://carview.yahoo.co.jp/article/testdrive/20170818-02000178-autocone/
ツーリングアシスト機能の搭載の他にC型からD型への年次改良での変更点としては足回りと電動パワーステアリングのセッティングの見直し、静粛性の向上などがありました。
このうち明らかに改善が認められるのは電動パワステです。
WRX S4のC型までの電動パワステはセンターの位置がバチっと出ていないようなところがありました。
普通に運転している分にはあまり意識することはないものの、急な車線変更などでステアリングをパっときった後にセンターに戻そうとしても戻る場所が曖昧で、うっかりすると戻し過ぎてしまったりしたものです。
D型になってからはこれがやや解消された気がします(完全になくなった、とはいえない)。
足回りの動きや静粛性などについては特に大きな変化は感じられませんでした。相変わらず足回りはやや硬めですし、静粛性は良く言えばスポーティーな雰囲気が味わえる、悪く言えばややうるさい、といったところです。
エンジン性能、加速性能に関して何の不満もないのは言うまでもありません。少なくとも公道を多少ハイペースで流すこともあります、という程度の使用においては十分過ぎるほどの性能で、この点については相変わらず、ということがいえます。
2017年新型WRX S4の内装をチェック
引用:http://autoc-one.jp/subaru/wrx/report-3441972/photo/0034.html
最後に2017年新型WRX S4の内装のインプレッションについても触れておきましょう。
WRX S4の内装は最近の車にしては非常にシンプルかつオーソドックスなデザインです。新車らしいときめきはありませんが、妙に落ち着く感じがあるのは否めません。
質感については賛否両論ですが、決して悪いとは思いません。
ただしトヨタマークXや日産スカイラインといった比較的クラスや価格帯が近い他社の車と比べると若干劣るのかな、という気はします。このあたりは「あえて比べれば」という話ですので、比べなければ問題にはなりません。
使い勝手という意味ではシンプル故に優れていると思います。「このスイッチ、何でこんな妙なところに!」といった違和感はありません。
C型からD型への年次改良にあたって大きく変わったのはハザードランプ上のマルチファンクションディスプレイが5.9インチに、ナビが8インチになったという点です。
引用:https://www.subaru.jp/wrx/s4/design/interior.html
特にナビは年々大型化が進んでいるため、7インチまでしか入らないC型では最新のナビが積めなくて困る、という方もいたと思います。そのような方にとって今回の8インチ化は朗報といえます。実際7インチより8インチの方が視認性は良く便利です。
WRX S4の内装で特筆したいのはシートの出来です。これはD型になっても相変わらず、でした。
引用:https://www.subaru.jp/wrx/s4/grade/grade.html#grade2
適度にコシがあって長時間運転していても疲れを感じにくく、肩や腰に無理な力がかかって痛くなるようなこともありません。
サイドもしっかりと体をホールドしてくれるのでコーナーで体が大きくずれることもないですし、その割に乗り降りにしやすさや体を動かす自由度はある程度確保されています。
2017年新型WRX S4の試乗レポートまとめ
引用:https://www.subaru.jp/wrx/s4/special/photo.html
以上、2017年新型WRX S4の試乗レポートをお届けしました。
D型のWRX S4はとにかくツーリングアシストのスムーズさが素晴らしいです。
この機能に価値を感じる方はC型を下取りに出してでもD型に乗り換えるべきだと思います。
ツーリングアシスト機能は高速道路および自動車専用道路での使用が推奨されており、ディーラーによる一般道の試乗では体験できないかもしれません。
スバルでは全国各地でアイサイトならびにツーリングアシストを体感できるイベントを開催していますので、そのような機会を捉えて乗ってみるとよいと思います。
引用:https://www.subaru.jp/campaign/shijo/event/butsukaranai/
ディーラーによっては1日レンタル企画などをやっている場合もありますので、どうしてもツーリングアシストを体験してみたい方はディーラーに相談してみることをおすすめします。
気に入って、いざ購入、となった場合の新型WRX S4の値引きの方法については、
ぜひ参考に、お得にWRX S4を購入して下さい。