ボンネット、キャビン、トランクと3つのコンポーネントに分かれているセダンの多くは3ナンバー。ですが、道路幅が狭いところは都市部でも郊外でも昔から変わりません。
ならば、5ナンバーのセダンを買ってみよう!という人も少なくないはず。ここでは、国内で発売されている全ての5ナンバーセダンをご紹介。わずか4台ですが、乗ってみると意外に乗りやすさがわかるでしょう。
参考にしてみましょう!
目次
4位:ミツオカ ビュート
価格:246〜320万円
引用:https://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/16/700070153430190118001.html
↓クラシックカーそのもののバンパーとスモールランプ。車高は2WDが標準的な立体駐車場に入るギリギリの高さ(1,550mm)で、後席も天井空間が広く感じられる。
引用:https://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/16/700070153430190118001.html
↓ベースカーは”日産マーチ”。ハッチバックスタイルの後方部分にトランクルームを付け加え、セダンに仕立て直したモデル。丸みを帯びた唯一無二のセダンです。
引用:https://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/16/700070153430190118001.html
↓インテリアは、パネルやエアコンスイッチ、シフトレバーなどはオリジナルのまま。インパネやシート、ドアトリムなどに本革などを多様、シンプルな形状に質感を高めた仕様に変更している。
引用:https://www.goo-net.com/usedcar/spread/goo/16/700070153430190118001.html
クラシックジャガーを模した、オリジナルセダン!
ミツオカは富山県にあるメーカーです。トヨタや日産、マツダといった大手メーカーから新車を購入、カスタマイズして新規登録するコーチビルダーの先駆けです。
ビュートはもともと日産マーチをベースモデルに開発。1950〜60年代のジャガー Mk2を模して作られています。
走りはマーチですが、後部のトランク部分を延長しているため、トランクスペースは構造上大きな荷物が収納できないデメリットもあります。
ただ、他人が乗っていないセダンに乗りたい人や、ゆったりとおしゃれにドライブしたい人にはうってつけの一台。ライバルカーが皆無の、時代を超越したコンパクトセダンです。
全長×全幅×全高(mm) | 4,515×1,680×1,550-60(4WD) |
ホイールベース(mm) | 2,450 |
最小回転半径(m) | 4.5 |
車両重量(kg) | 1,310-1,425 |
総排気量(cc) | 1,198 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 58[79]/6,000 |
最大トルク(Nm[kgf]/rpm) | 106[10.8]/4,400 |
燃料関係 | レギュラー/41L |
3位:トヨタ カローラアクシオ
価格:154〜212万円
↓ヴィンテージブラウンパールクリスタルシャイン(特別色)のカローラアクシオ。ただ、2019年以降の現モデルではこの色は選べない。中古車で探すのが唯一の方法。
引用:https://autoc-one.jp/toyota/corolla_fielder/report-2168011/photo/0002.html
引用:https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/corollaaxio/corolla_axio_fielder_main_201910.pdf
ビジネスモデルカーとして生き残ったアクシオ
カローラセダンが新型デビューした2019年。先に発売されていたカローラスポーツに引き続き、カローラセダンも全幅が1,700mmを超えたことから3ナンバーとなりました。
カローラファミリーで5ナンバー枠に留まっているのが、カローラアクシオで、先代モデルが継続発売されています。
ただ、ボディカラーやインテリアカラーなどがシンプルなものだけになり、ボディは4色のみとなっています↓。
引用:https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/corollaaxio/corolla_axio_fielder_main_201910.pdf
視界の良さと小回りの良さで、運転しやすいセダン
カローラアクシオは、新型カローラセダンに比べてスタイリングやドライビングで大きな差があります。
スタイリングでは、視界を良くするため車高を上げ(+40〜65mm)たデザイン。全長は95mm短く、当然全幅は1,700mm以下で小回りが利く(最小回転半径は4.9m!)コンパクトセダンです。
現在買うことのできる新車では、一番小さなコンパクトセダンでエンジンは1.5Lと馬力やトルクでも問題ありません。
左手で操作するなら、ボタン式が安心…という人にぴったり
インテリアはカローラセダンのデビューで、ブラック一色になってしまいましたが、タッチ式が主流となりつつあるディスプレイ式のエアコンや空調ではなく、ボタン式なのも”左手での誤作動を防ぐ”安心設計ゆえ。
高齢ドライバーのためのクルマ…という見方も多いアクシオですが、ゆったりと狭い道を走るのが多い人にはこれ以上の安心感のクルマは見当たらないでしょう。
ハイブリッドは212万円で買えることから、コスパの高いセダンと言えます。
口コミより
見栄を張ったりカッコつけたりできる車ではないですが、足として使うぶんには不自由しません。
後部座席も広いし、キャッチフレーズ通り大人4人が快適に移動できる車だと思います。
1,5Lハイブリッド(2WD) | 1.5Lガソリン(2WD) | 1,5Lガソリン(4WD) | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,400×1,695×1,475(2WD)-1,500(4WD) | ||
ホイールベース(mm) | 2,600 | ||
最小回転半径(m) | 4.9 | ||
車両重量(kg) | 1,170 | 1,110-30 | 1,190 |
総排気量(cc) | 1,496 | ||
エンジン最高出力(kW[PS]/rpm) | 54[74]/4,800 | 80[109]/6,000 | 76[103]/6,000 |
エンジン最大トルク(Nm[kgf]/rpm) | 111[11.3]/3,600-4,400 | CVT:136[13.9]/4,400 MT:138[14.1]/4,400 | 132[13.5]/4,400 |
モーター最高出力(kW[PS]) | 45[61] | – | – |
モーター最大トルク(Nm[kgf]) | 169[17.2] | – | – |
燃料関係 | レギュラー/36L | レギュラー/42L |
2位:ホンダ グレイス
価格:180〜264万円
引用:https://autoc-one.jp/honda/grace/report-3461125/
引用:https://cobby.jp/grace-interior.html
旧型フィットと同じフロントフェイス。オヤジ臭くないセダン!
5ナンバーセダンは3台だけ…そのうちトヨタの2台は旧型カローラのアクシオとプレミオ/アリオン。
この2台の購入層は圧倒的に高齢ドライバーとなっているのが現実ですが、グレイスは年齢層に関係なく先進性を盛り込んだインパネが特徴のセダンです。
人気はやはりハイブリッドモデル。1.5Lエンジンを搭載、燃費は30km/L台のカタログ値をそのまま叩きだすケースもあり、口コミでの評価もハイブリッドの方が高くなっています。
ボディデザインでは、トヨタの2台よりもAピラーを寝せたこととワイドなフロントマスク、リヤランプ形状などうまくまとめたことで”オヤジ臭くないコンパクトセダン”になっており、30代、40代のファミリー層にも受け入れられているクルマです。
引用:https://autoc-one.jp/honda/grace/report-3461125/photo/0007.html
口コミより
フィット2ハイブリッドからの乗換えです。
乗り心地はマイルドで、フィットで感じていたバタバタするような走りとは違って「高級感」があります。
ドアを閉めた時の音もフィットと違って「ズシッ」とした音です。もちろんアコード並みとは言いませんが、「高級感のある大衆車」という感じです。
主なスペック
1.5Lハイブリッド | 1.5Lガソリン | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,450×1,695×1,475(2WD)-1,500(4WD) | |
ホイールベース(mm) | 2,600 | |
最小回転半径(m) | 5.1(2WD)、5.3(4WD) | |
車両重量(kg) | 1,160-1,260 | 1,110-70 |
総排気量(cc) | 1,496 | |
エンジン最高出力(kW[PS]/rpm) | 81[110]/6,000 | 97[132]/6,600 |
エンジン最大トルク(Nm[kgf]/rpm) | 134[13.7]/5,000 | 155[15.8]/4,600 |
モーター最高出力(kW[PS]rpm) | 22[29.5]/1,313-2,000 | – |
モーター最大トルク(Nm[kgf]/rpm) | 160[16.3]/0-1,313 | – |
燃料関係 | レギュラー/40L |
1位:トヨタ アリオン/プレミオ
価格:193〜276万円
↓プレミオのフロントフェイス。アリオンとの違いはグリル内の意匠で、素人目にはなかなかわからないほど似ている。
引用:https://response.jp/article/2016/10/19/283862.html
↓アリオンのフロントフェイス。
引用:https://autoc-one.jp/toyota/premio/report-2796558/photo/
5ナンバー唯一の高級セダン
トヨタの系譜では、《クラウン》《マーク2》《コロナ》《カローラ》が基本的なセダンの歴史があります。
このうちコロナがアリオンとプレミオに継承されており、ビジネスセダンではなくプライベートで乗る5ナンバーの高級セダンとしてこの2台が残っています。
フロントマスクで見るとわかりますが、台形の大型グリルは細かな造形が施されており、高級感の演出に成功。そして、インテリアも木目調をしっかり使うことでシニア層にも満足できる質感を提供しています。
↓アリオンのリヤフェイス。
引用:https://autoc-one.jp/toyota/premio/report-2796558/photo/0005.html
↓アリオンのリヤフェイス。プレミオよりもランプ形状がシンプル。
引用:https://autoc-one.jp/toyota/premio/report-2796558/photo/0038.html
木目調のうまさで、質感が高いインテリア
ステアリングとドアトリム、センターコンソールにレバー…とふんだんに木目調やピアノブラックのデザインが使われているのが、特徴。
引用:https://clicccar.com/2016/08/15/392501/
しっかりしたボディ。5ナンバーセダン唯一の質感の高さ
5ナンバーサイズにしっかり収まり、燃費のいいエンジンを搭載しているプレミオ/アリオン。
ハイブリッドモデルはなく、2L/1.8L/1.5Lの3グレードがあります。このあたりは、トヨタがこれからもこのクルマを継続販売していくことの証しでしょう。
走りはおとなしく、小型セダンではブレのない安定性が持ち味です。
このクルマのユーザー層が60代以上と言われていることから、加速感を求める使い方は想定していませんが、2Lを選べば152馬力で不足なく登坂車線も走り込むことが可能です。
キモはインテリアの質感
ボディは非常にしっかりした造りで、後席にも大人2人を乗せ、長距離も問題なくドライビングを楽しむことはできる、貴重な5ナンバーセダン。
ですが、キモはやはりインテリアの質感の高さでしょう。5ナンバーセダンはコンパクトで安い造り…ということではなく、シートやインパネからフロアマットにいたるまで力が入ったいい時代の高級セダンそのものと言えるでしょう。
口コミより
エンジン性能は…主に一人乗車で1.5Lですが、高速道路などでも余裕です。
CVT車なので変速ショックがなく走りが滑らかで良いです。
走行性能は…ハンドルもほどよい軽さで疲れません。しかもけっこうスポーティーに走れます。
主なスペック
2Lガソリン | 1.8Lガソリン | 1.5Lガソリン | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,595×1,695×1,475(2WD)-85(4WD) | ||
ホイールベース(mm) | 2,700 | ||
最小回転半径(m) | 5.3(2WD)、5.4(4WD) | ||
車両重量(kg) | 1,270 | 1,230(2WD) 1,330(4WD) | 1,200 |
総排気量(cc) | 1,986 | 1,797 | 1,496 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | FF:112[152]/6,100 4駆:96[131]/6,200 | 105[143]/6,200 | 80[109]/6,000 |
最大トルク(Nm[kgf]/rpm) | FF:193[19.2]/3,800 4駆:161[16.4]/4,000 | 173[17.6]/4,000 | 136[13.9]/4,800 |
燃料関係 | レギュラー/60L |
まとめ
5ナンバーセダンはわずかに4台だけ!
アリオン&プレミオは2007年デビュー、カローラアクシオは2012年、一番新しいグレイスは2014年とかなりロングセラーとなっています。
とくにアリオン&プレミオは13年目のモデルとなり、次期モデルがどうなるのかは注目点でしょう。
自動車業界では”販売台数が月1,000台を割ったら、即生産終了”(年間12,000台)という言葉もあるほど。もしかするとこの3台も買えるうちは今だけ…という可能性もあります。
もちろんミツオカビュートのような”ベースモデルさえあれば製造可能”というクルマもありますので、気になったらディーラーで見ておくのがいいでしょう。