ここ数年、日本の自動車市場ではコンパクトカーが人気を集めています。
少子高齢化を背景にして家族の人数が以前より少なくなり、2人ないし3人程度での乗車が常となっているのが大きな理由かと思われますが、ユーザーの低燃費志向も影響しているでしょう。
この記事ではSUVの中からコンパクトSUVカテゴリに該当するものの中から、おすすめの5車種をピックアップしてランキング形式で紹介したいと思います。
コンパクトなSUVの購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
目次
【2019年おすすめのコンパクトSUV・第5位】スズキジムニー
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39599#image-18
2019年おすすめのコンパクトSUV、第5位はスズキジムニーです。
ジムニーは今回のランキングでは唯一の軽自動車となります。
軽自動車のSUVとしては同じスズキのハスラーがありますが、ハスラーとジムニーではコンセプトが異なります。
ハスラーはどちらかといえばライトユーザー向けの作りとなっており、普段はオンロードでのデイリーユースが中心、休日にたまにキャンプやアウトドアレジャーに出かける、というような層を想定しています。
ジムニーは山間部や豪雪地帯といった日常的に厳しい環境に住んでいる人や、より本格的なキャンプやアウトドアレジャーに打ち込むようなヘビーユーザー向けの作りとなっています。
ジムニーをハスラー的な使い方に用いることはできますが、ハスラーをジムニー的な使い方に用いることはできません。「大は小を兼ねる」という意味においてはジムニーの方が使用範囲が広い、ということになります。
ただしジムニーの欠点は「燃費があまり良くない」ということと「3ドアである」ということです。
ハスラーは全車ハイブリッド仕様でガソリン仕様はありません。逆にジムニーは全車ガソリン仕様でハイブリッド仕様はありません。ハスラーの燃費は24.2km/L~32.0km/L(JC08モード)、ジムニーの燃費は13.2km/h~16.2km/h(WLTCモード)です。
燃費を重視する人には圧倒的にハスラーがおすすめとなります。
3ドアであることは2人以下での乗車がほとんどの場合はあまり障害にはなりません。ただし家族が3人以上いる場合など後席に人を乗せる機会が多い人は5ドアの方が便利でしょう。
荷物はリヤゲートを開けて荷室に積めば3ドアでも問題はありませんが、ちょっとした荷物なら後席ドアを開けて積んだ方が便利かもしれません。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39599#image-18
諸々の使い勝手を重視する人にもどちらかといえばハスラーの方がおすすめ、という考え方もできます。
それでもあえてハスラーよりもジムニーをおすすめするのは「ジムニーに乗れば人生が変わる可能性がある」からです。
ジムニーに乗ると、今までの車では入っていけなかったところに入っていけるようになります。ジムニーのオフロード性能は国産車はもちろん輸入車も含めた全自動車の中でも指折りなので、オフロード性能が原因で入っていけないところはあまりありません。
ジムニーで無理なら他の車でも無理な場合が多いです。
「ジムニーで無理でもランクルなら行けるんじゃないの」と思われるかもしれません。確かにランクルのオフロード性能は場合によってはジムニー以上ですが、「車重が重い」という致命的な欠陥を抱えています。路面状況によっては自らの車重でズブズブとはまり込んでしまいます。
基本的にカーブがきつく、道幅が狭い日本の山間部ではランクルの車体の大きさもネックになります。
そのため、ある意味ではジムニーは最高のクロスカントリー車です。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39599#image-18
他のどの車でも入っていけないような場所へ行って、火を焚いて食事を作り、寝泊まりをして朝を迎える、そんな経験ができるのはジムニーならではです。ジムニーでしか見ることができない景色を見ればきっと新しい趣味の世界が広がり、人生が変わります。
これがハスラーではなくジムニーをおすすめしたい理由です。
【2019年おすすめのコンパクトSUV・第4位】スズキジムニーシエラ
引用:https://www.webcg.net/articles/-/39539
2019年おすすめのコンパクトSUV、第4位はスズキジムニーシエラです。
同じジムニーでもこちらは1.5Lエンジンを搭載する普通車規格のジムニーシエラになります。
コンパクトという意味ではもちろんジムニーの方がコンパクトですが、ジムニーシエラのボディサイズも全長3,550mm、全幅1,645mm、全高1,730mmですから十分にコンパクトです。
ジムニーシエラもジムニーと同じく本格的なオフロード性能を備えています。
つまりジムニーの良いところをそのまま残してエンジンとボディを大きくしたのがジムニーシエラ、というわけです。
舗装された道路をある程度の速度で走る機会が多い人はジムニーよりもジムニーシエラの方がおすすめといえます。たとえば高速道路を30分、1時間と走って移動する場面を考えた時、660ccの軽自動車よりも1,500ccの普通車の方がストレスなく走れることは想像に難くないでしょう。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/39539
ただ維持費という点ではジムニーシエラは軽自動車規格であるジムニーにかないません。セカンドカーとして所有したり、できるだけ維持費を小さくしたいという人にはジムニーの方がいいと思います。
以上のような状況を踏まえた上で、自分にとって合う方を選ぶようにしましょう。
個人的にはコンパクトさを維持しつつ、より余裕を持った走りができるジムニーシエラの方を推したいと思ったので、ジムニーを5位、ジムニーシエラを4位とさせていただきました。
ボディサイズが軽自動車規格に縛られないので、エクステリアデザインが伸びやかでカッコいい(特にオーバーフェンダー)という点も無視できません。
【2019年おすすめの新型コンパクトSUV・第3位】スズキクロスビー
引用:https://www.motordays.com/newcar/articles/imp-suzuki-xbee-20180309/
2019年おすすめのコンパクトSUV、第3位はスズキクロスビーです。
クロスビーはジムニーとの比較で出てきたハスラーの普通車バージョンです。
言うなればハスラーとクロスビーの関係はジムニーとジムニーシエラの関係に似ていると言えなくもありません。
ジムニーシエラのところでも少し触れましたが、世の中には動力性能や室内空間などさまざまな理由で「軽自動車はちょっと・・・」という層が一定数存在します。
ハスラーも「あのスタイルはかわいいけど軽自動車だから買わない」という人も相当数いたわけで、クロスビーはそのような人たちに「刺さる」車といえます。
ただ、ハスラーに比べると若干ボテっとしている感は否めず、スタイリッシュという点ではハスラーの方がカッコいいような気もします。
クロスビーの魅力は何と言っても適度なボディサイズと後席の居住性の良さです。
クロスビーは全長3,760mm、全幅1,670mm、全高1,705mmとジムニーシエラよりも長く広くなっていますが、5ナンバーサイズには十分な余裕を持って入る大きさで、日本の道路事情にはまさにジャストフィットといえます。
また秀逸なのは後席頭上空間の広さで、大人4人が乗っても狭さをあまり感じません。実際にはそれほど広いわけではありませんが、余裕があります。
クロスビーはリヤシートを倒すとフルフラットに近いフロアができるので車中泊に適しています。頭上空間が広いと車中泊で室内で過ごす際も体の自由度が大きく、楽な体勢で過ごすことができます。
引用:https://www.motordays.com/newcar/articles/imp-suzuki-xbee-20180309/
【2019年おすすめの新型コンパクトSUV・第2位】ホンダヴェゼル
引用:https://kakakumag.com/car/?id=13384
2019年おすすめのコンパクトSUV、第2位はホンダヴェゼルです。
ヴェゼルは2013年12月の登場以来、売れに売れ続けています。
2016年松にトヨタC-HRの登場で2017年、2018年はSUV年間販売台数ランキングの1位を明け渡したものの、2019年上半期には再び1位に躍り出て、ユーザーから高い支持を集めています。
ヴェゼルがこれだけ支持される理由はさまざま考えられますが、大きな理由として挙げられるのが「スタイリッシュでありながらオーソドックスなエクステリアデザイン」と「SUVとしての使い勝手の良さ」の2つだと思います。
まずエクステリアデザインですが、ヴェゼルはいかにもクーペを思わせるような流麗なデザインとなっています。
ここまでに紹介したジムニーやジムニーシエラ、クロスビーを見てもわかるように「SUV=角張ったデザイン」というのが今までの常識でした。ヴェゼルはそこに風穴を開けたと言ってもいいでしょう。
SUVとしての使い勝手の良さというのは「室内空間の広さ」と「荷室の広さ」です。
クーペ調のルーフデザインを採っているので特に後席の頭上空間は狭くて居住性が悪かろう、と思ってヴェゼルに乗ってみると、意外に広いのでびっくりさせられます。
これはホンダの特許である「センタータンクレイアウト」が奏功しています。
引用:https://kakakumag.com/car/?id=13384
通常であれば後席の後ろに設置されるガソリンタンクが前席の床下に設置されるので、その分室内空間に余裕が生まれます。
また巧みに低床化が行われているので、その分頭上空間にも余裕が生まれます。
この2つの併せ技でヴェゼルは外から見ただけでは想像できないような室内の広さとなっています。
センタータンクレイアウトのおかげで荷室容量も稼ぐことができているので、後席を使用している状態でもサブトランクも含めると404Lという大容量を積載することができます。これは同クラスのCX-3(350L)、C-HR(318L)と比べると群を抜いています。
【2019年おすすめの新型コンパクトSUV・第1位】トヨタC-HR
引用:https://www.motordays.com/newcar/articles/c-hr-toyota-imp-20170210/
2019年おすすめのコンパクトSUV、第1位はトヨタC-HRです。
C-HRは2位のヴェゼルと販売競争において激しいつば競り合いを演じており、2019年上半期はターボモデルを追加するなどして猛追してきたヴェゼルについにSUV販売台数1位を明け渡してしまいました。
2019年下半期と年間の販売台数ランキングがどうなるか見ものですが、ユーザーにとっては激しい競争の結果両車のクオリティが上がるのは歓迎すべきことです。
コンパクトSUVを選ぶにあたって「ヴェゼルにすべきかC-HRにすべきか」というのは永遠のテーマなわけですが、C-HRがヴェゼルに明確に勝っている点は「走りの質の高さ」と「(ハイブリッド仕様の)燃費性能」です。
かつてヴェゼルのガソリン仕様にはターボがなかったので、C-HRのガソリン仕様はターボであることがアドバンテージとなっていました。しかしヴェゼルは2019年1月のマイナーチェンジでターボ仕様を追加してきましたので、この点におけるC-HRの優位はなくなってしまいました。
引用:https://www.motordays.com/newcar/articles/c-hr-toyota-imp-20170210/
しかし走りの質は今でもC-HRの方が上です。その理由はリヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用しているからです。
製造コストが高いダブルウィッシュボーン式は本来スポーツカーや高級車に搭載されるもので、コンパクトカーにはSUVも含めて中々採用されません。
ダブルウィッシュボーン式は路面に対して常にタイヤが水平状態であろうとするため、タイヤの路面追従性が高いです。そのため良いタイヤを履いていれば履いているほど、車のハンドリング性能は高くなります。
またC-HRのハイブリッド仕様は、全SUVの中で唯一30km/Lを超える燃費を叩き出すほど低燃費です。この燃費はもちろんSUVの中では最も低燃費であり、何よりも燃費を重視する人にとってはC-HRのハイブリッド仕様しか選択肢はありません。