新型軽自動車の乗り心地を徹底比較! おすすめ人気ランキング

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軽自動車といえば、ひと昔前までは「車内が狭い」「乗り心地が悪い」といったネガティブな意見が多くみられましたが、近年は技術の進歩やパッケージングの工夫などによって、普通車を凌ぐ室内空間の広さや、乗り心地の良さを備えた軽自動車も見かけるようになってきました。

今や軽自動車も、快適性を重視して選ぶ時代に突入したといえます。

そこで今回は、軽自動車の乗り心地にスポットをあて、乗り心地の良いおすすめの軽自動車を3車種ピックアップして紹介していきます。







【2019年乗り心地の良い軽自動車ランキング・第3位】ダイハツムーヴ/ムーヴカスタム/ムーヴキャンバス

ダイハツムーヴ

引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/move/report-5000203/photo/0028.html

2019年乗り心地の良い軽自動車、第3位はダイハツムーヴ/ムーヴカスタム/ムーヴキャンバスです。

現行型ムーヴは2014年に登場しましたが、開発にあたっては徹底したユーザーアンケートが行われたようです。

そこで浮き彫りになった「小型車並みの乗り心地が欲しい」という声を受けて、乗り心地にはかなりこだわっています。

その結果、ボディの骨格構造は「Dモノコック」を開発、ボディ骨格のサイドアウターパネルを全面厚板ハイテン化、構造断点を減らして骨格全体で力を受け止める作りにしたことで、従来と同程度の衝突強度を確保しつつ、約20kgの軽量化と高剛性化を実現させています。

Dモノコック

引用:https://www.daihatsu.com/jp/car_information/safety/driving.html

加えて足回りは「Dサスペンション」を開発、リヤサスペンションやストラットの高剛性化、コイルスプリングとショックアブソーバーの最適化、ブッシュ特性の見直しなどを行ったことで操縦安定性と乗り心地を向上させることに成功しました。

また、軽自動車の本質である低価格と低燃費、そして求められる基本性能を進化させると共に先進装備を充実させ、全方位で総合力を高めることを目指して開発されています。

つまり全体的に従来の軽自動車のイメージを超えた、1クラス上の走行フィールや質感、乗り心地を実現させている、ということです。

ダイハツムーヴカスタム

引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/move/report-5000203/photo/0023.html

ムーヴを運転するとわかりますが、ムーヴは直進安定性が非常に高いです。

これはひとえにハンドリング性能、特にパワーステアリングの設定が上手くいっているためだと思います。

個人の好みもあるとは思いますが、ムーヴのパワステは速度に合わせた軽重のバランスが絶妙で、重すぎたり軽すぎたりということがありません。特にある程度の速度で巡行している際のステアリングのどっしり感は大きな安心感を感じます。

また、ムーヴのステアリングはセンターがばっちり出やすいです。ステアリングのセンターとはすなわちぴったり直進している状態のステアリングの位置ですが、車によってはセンターに合わせようと思っても微妙に左右にずれてしまい、しょっちゅうこまめにステアリングを修正しなくてはいけないことがあります。

ムーヴのステアリングはセンターに合わせたい時にすっと合うので、無駄なステアリング操作があまりありません。

このハンドリング、ステアリング操作の安定感が高い直進安定性につながり、乗り心地の良さに貢献していると思います。

細かなふらつきや揺れは乗員に疲労感を与え、ひいては乗り心地が悪い、という評価に繋がるからです。

ダイハツムーヴキャンバス

引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/35430#image-11

そしてムーヴはブレーキの利き方が非常に穏やかかつ滑らかで、踏み始めから完全停止までの間に唐突さを感じるところがありません。

軽自動車は圧倒的に一般道を走ることが多いと思いますが、一般道は信号がありますし、歩行者もいるので、どうしてもストップ&ゴーを繰り返すことになります。

ブレーキの利き方に唐突さがあると、カクンカクンしてしまいますので、乗り心地の悪さにつながります。この点、ムーヴのブレーキは乗り心地に影響を与えません。



【2019年乗り心地の良い軽自動車ランキング・第2位】スズキハスラー

スズキハスラー

引用:https://www.goodspress.jp/news/270471/

2019年乗り心地の良い軽自動車、第2位はスズキハスラーです。

ハスラーは2020年1月にフルモデルチェンジを受けて2代目に移行しています。

外観は先代からそれほど変化はありませんが、中身は相当進化しました。そしてこの進化によって乗り心地が大きく向上しています。

スズキは2014年にプラットフォームを一新し、軽量・高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT」を開登場させましたが、先代のハスラーのデビューはその直前だったので、旧型のプラットフォームを使っていました。

それが今回のフルモデルチェンジで、ようやくHEARTECTを採用することになりました。

ちなみにHEARTECTは2014年にフルモデルチェンジされたアルトで初採用され、今回のハスラーでスズキのラインナップをほぼ一巡したことになります。

プラットフォームがHEARTECTになったことで、ボディ全体の高剛性化が進んだことはもちろん、NVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)が低減されますので、乗り心地が向上しました。

そして新型ハスラーではさらに「環状骨格構造」と「構造用接着剤」、そして「高減衰マスチックシーラー」を採用したことが乗り心地の向上につながっています。

環状骨格構造とは、アンダーボディーの屈曲した骨格を滑らかにつなぐことで合理的かつシンプルな形状にしたもので、乗り心地の向上に寄与します。

スズキのHEARTECT

引用:https://www.suzuki.co.jp/car/hustler/performance_eco/

構造用接着剤と高減衰マスチックシーラーは共にボディの合板と合板の繋ぎ目の接合に使われるものです。

従来、合板の繋ぎ目にはビスやネジが使われていましたが、近年は高級車を中心に接着剤が使われるようになっています。

接着剤を使うことの最大のメリットは、衝撃や振動がボディに伝わりにくくなるので、NVHの低減化、乗り心地の向上につながることです。

なお、構造用接着剤の採用はスズキ初、高減衰マスチックシーラーの採用は軽自動車初となります。

以上のような技術が投入された結果、新型ハスラーの乗り心地は先代に比べて大きく向上したと共に、軽自動車としては新たなステージに入ったといえます。

スズキハスラー

引用:https://www.goodspress.jp/news/270471/2/

また、新型ハスラーはプラットフォームがHEARTECTに一新されたことによって、ホイールベースが35mm大きくなっています。これも乗り心地向上の要因の1つです。

ハスラーは軽自動車には珍しいSUVということで、オフロード走行をする機会が普通の軽自動車に比べると多いと思います。

先代ハスラーでオフロードを走るとお世辞にも乗り心地が良いとはいえませんでしたが、新型ハスラーはオフロードでの乗り心地向上も期待できるでしょう。



【2019年乗り心地の良い軽自動車ランキング・第1位】ホンダN-BOX/N-BOXカスタム

ホンダN-BOX

引用:https://autoc-one.jp/honda/n-box/report-3476432/photo/

2019年乗り心地の良い軽自動車、第1位はホンダN-BOX/N-BOXカスタムです。

先日、全国軽自動車協会連合会が発表した2019年の車名別販売ランキングで、N-BOXは販売台数1位を獲得しました。

同時に、日本自動車販売協会連合会が発表した、普通車も含めた2019年の車名別販売ランキングでも1位となりました。

つまりN-BOXは2019年に1番売れた車、ということです。

2019年どころか、普通車と軽自動車を合算した統計では3年連続、軽自動車のみでは5年連続の1位なので、N-BOXは売れに売れてバカ売れしています。

なぜこんなに売れているのか、というと、その理由は「走りの質」「先進安全装備」などいくつもありますが、間違いなく「乗り心地の良さ」も理由の1つだと考えられます。

ホンダN-BOXカスタム

引用:https://autoc-one.jp/honda/n-box/report-3476432/photo/0029.html

現行型のN-BOXは2017年にフルモデルチェンジを受けていますが、この時にサスペンション周りの高性能化を行っています。

この際に先代からセッティングを大幅変更して、乗り心地を重視したものに変えています。

具体的にはソフトさの中にしっかりとしたしなやかさがあり、乗り心地の良さと走行安定性の高さを見事に両立させたものになっています。

サスペンションのセッティングをソフトにすれば乗り心地は良くなりますが、反面ふわふわとしてコーナリングが安定しないなどの問題が出てしまいます。

逆に走行安定性を重視して硬めのセッティングにすると乗り心地は悪くなってしまいます。

そのためこの両方のバランスをとる必要があるわけですが、N-BOXはバランスが絶妙です。

全高1,700mm台の軽ハイトワゴンでありながら、どんな場面でも路面の設置感は失われずに安定しています。路面の障害物や道路の繋ぎ目を越えても、不快な突き上げ感を感じることはありません。

何か画期的な技術が採用されている、というわけではありませんが、熟成感とバランス感が非常に優れている、という印象を受けます。

そしてN-BOXで特筆すべきはシートの出来です。特に後席のシートの出来が素晴らしいです。

ホンダN-BOXの後席

引用:https://autoc-one.jp/honda/n-box/report-3476432/photo/0118.html

軽自動車にしては座面が肉厚なので、長時間座っていても疲れにくいです。座面が厚いということは、当然揺れや振動なども体に伝わりにくいので、乗り心地もよく感じます。