今の日本の自動車市場で、最も良く売れているのが軽自動車です。
2019年の新車販売台数ランキングでは上位3車種がすべて軽自動車で、今や「一家に一台は軽自動車」という様相を呈しています。
そんな軽自動車を使って、最近ではキャンプを楽しむ人も増えているようです。ボディサイズが小さい軽自動車は果たしてキャンピングカー代わりに使うことができるのでしょうか。
そこで今回は、キャンピングカー代わりとして使えて、車中泊のできる軽自動車を3車種紹介したいと思います。
目次
「軽自動車で車中泊」がブーム
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/hustler/
既にブームの域は通り過ぎて、今や定番の趣味の1つになった感のあるキャンプですが、近年は車を宿代わりにする「車中泊」をしながらのキャンプが人気を集めているようです。
何百万円もするキャンピングカーを趣味のためだけに買うのは、普通のサラリーマンにとっては中々難しいです。しかし普段使っている車のシートを倒して車中泊をすれば、プチキャンピングカー気分が味わえる、というわけです。
室内空間に比較的余裕のあるミニバンであれば、大人2人程度が横になることは十分可能ですし、たまにしか行かないキャンプであればそれで十分楽しめます。
軽自動車での車中泊ということを考えると、さすがにアルトやミライースといった軽セダンでは厳しいものの、軽ワゴンであれば恋人や夫婦、あるいや親子2人であれば十分可能です。
セカンドカーとして軽ワゴンを買って、車中泊仕様に改造して楽しむ人も多いようで、Youtubeを見るとそのような動画が多数アップされています。
2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車3選
それではここから、キャンピングカー代わりに使える軽自動車を3車種紹介しましょう。
【2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車・その1】ホンダN-VAN
引用:https://www.webcartop.jp/2018/09/271838/
2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車、1車種目はホンダN-VANです。
N-BOXやタント、スペーシアにワゴンRなど、多くの人にとっておなじみの人気の軽自動車は、法律上「軽乗用車」に分類され、5ナンバーがつきます。
しかしN-VANは法律上「軽商用車」に分類され、4ナンバーとなります。宅配便の配達車として街中でよく見かけるエブリィバンやハイゼットカーゴなどと同じです。
そもそも4ナンバーは人が乗るスペースよりも荷室の方が大きくなくてはならない、というのが要件の1つとなっているので、車をキャンピングカー代わりにして車中泊をするにはピッタリといえます。
とは言えエブリィバンやハイゼットカーゴはあまりに商用に偏り過ぎていて、車中泊用とはいえ自家用に使うのは覚悟がいります。その点N-VANは軽商用車としては後発で、車中泊ブームを意識して作られている節もうかがえることから、自家用としての使用にも十分耐えられそうです。
車中泊用にN-VANをおすすめする最大の理由は「とにかく荷室の大部分がフラットになるから」です。
車中泊をするにはこの「床をフラットにする」というのが非常に重要になってきます。
フラットになれば布団やシュラフを敷いて寝る時も快適ですし、テーブルや物を置く台を設置する時も脚が安定します。車内で煮炊きをするにも安心です。
引用:https://www.honda.co.jp/N-VAN/webcatalog/interior/utility/
N-VANは、上の画像のように助手席と後席をダイブダウンさせると荷室と完全に地続きになります。この状態での荷室長はなんと2,635mmもありますので、大人1人が余裕をもって横になることができます。
運転席の後ろからテールゲートまでの長さは約1,500mmですので、大人2人の車中泊は無理です。しかし1人であれば、車内にテーブルやカセットコンロ、ノートパソコンなどたくさんのアイテムを広げた状態でも寝ることができ、まさに「2カ所目の自分の部屋」のような使い方ができます。
また、N-VANは車中泊に役立つ様々な純正アクセサリーが用意されていますので、好みに合わせてカスタマイズすることもできます。
中でもおすすめなのが「外部電源入力キット」です。
引用:https://kaelife.hondaaccess.jp/entry/20181226_04
これはキャンプ場の外部電源設備や発電機などから、車内にAC100Vを簡単に引き込める、というものです。ここから車内に電気を供給しておけば、車内にコンセントに電化製品をつないで使うことができます。
合計1,500WまでOKなので、寒い冬には車内で電気ストーブや電気毛布などで暖まることもできますし、炊飯器やホットプレートを使うこともできてしまいます。
孤独を愛する大人のソロキャンパーにはN-VANを強くおすすめします。
【2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車・その2】スズキワゴンR
引用:https://www.webcg.net/articles/-/36132
2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車、2車種目はスズキワゴンRです。
ワゴンRは全高1,600mm台の軽トールワゴンですが、同じスズキのスペーシアなどに比べると全高が低く、一見すると車中泊には向かないように見えます。
しかしワゴンRは、車中泊をする上で非常に大事な要素を備えています。
それは「後列シートを倒すと床面がほぼフルフラットになる」ということです。
引用:https://autoc-one.jp/suzuki/wagon_r/newmodel-3231221/photo/0106.html
軽自動車をキャンピングカー代わりにして車中泊をしようとすると、上の画像のように助手席と後席をダイブダウンさせ、荷室と繋げて寝るスペースを確保するのが一般的です。
これはN-VANでも見た通りです。
もしくは前席のヘッドレストを外した上で後ろへ倒すことでも寝るスペースは確保できます。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/wagonr_stingray/luggage/
しかしN-VANのような軽商用車はともかく、軽乗用車でフラットな床面を作るのは意外に難しいです。
一見フラットに見えても、実際は凹凸ができてしまいます。
凹凸が多いと寝る時にどうしても邪魔になってしまいますし、物を置いても安定しません。
そんな中、ワゴンRは軽乗用車にも関わらず、ほぼフラットに近い床面を作り出すことができ、車中泊がしやすいです。
ちなみに助手席までダイブダウンさせた際の長さは約2,000mmとなりますので、平均的な身長の大人であれば十分横になることができます。
なお、ワゴンRは純正アクセサリーに「ベッドクッション」というものがありますが、このようなマットを使うと広大なフラット空間を生み出すことができます。
引用:https://www.suzuki.co.jp/accessory_car/wagonr/wagonr/HTML5/pc.html#/page/14
この状態であれば大人2人での車中泊も可能です。
【2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車・その3】ダイハツウェイク
引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/wake/report-1981420/photo/0016.html
2019年キャンピングカー代わりになる人気軽自動車、3車種目はダイハツウェイクです。
ウェイクは、全高1,800mm台の軽スーパーハイトワゴンです。売れ筋のN-BOXやタントは1,700mm台なので、これらより1クラス上の全高となります。
ウェイクがキャンピングカー代わりになる理由は、この全高に由来する室内高の高さにあります。
1つ前に紹介したワゴンRの室内高は1,260mmしかありませんが、ウェイクは1,455mmもあります。この室内高の数値は軽自動車最大です。
車を寝床としてしか使わないであれば、室内高はあまり気にする必要はありません。しかし食事や飲酒など、車内で座った状態で何かをするのであれば室内高は高いに越したことはありません。
ちなみに身長170cmだと、座高は概ね90cm前後になります。
1,455mmの室内高があれば、頭上には約560mmの余裕が生まれることになります。新聞紙を縦にした時の長さが546mmですので、それほど圧迫感は感じないでしょう。
なお、ウェイクで助手席と後席をダイブダウンすると以下のようになります。
引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/wake/report-1981420/photo/0083.html
これに比べるとワゴンRがいかにフラットかがよくわかると思います。
この状態で2,000mm近い長さは確保できるので、大人が体を横にすることは可能です。
なお、ウェイクには純正アクセサリーとして「ジョイントクッション」というものがあります。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/accessory/wake/scene.htm
社外品であればワゴンRのベッドクッションのようなものもありますので、大人2人で車中泊をしたい場合は大きめのマットを用意すれば可能です。
また、前席のヘッドレストを外して後ろへ倒すパターンだと、更に広いスペースを作り出すことができます。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/wake/04_interior.htm
前席を後ろへ倒し、後席は前に倒す、という変則形ですが、この形だと床面がより一層凸凹になってしまいます。
しかし厚手のマットは必須になるでしょうし、隙間を埋めるタオルなどもあった方がよさそうです。