トヨタ、ホンダ、日産の3社は日本国内の自動車市場のシェアトップ3であり、市場争いに凌ぎを削っています。
特にここ数年は各社ともハイブリッド車のラインナップを充実させており、魅力的な車がたくさんリリースされている状況です。
そこでこの記事では、トヨタ、ホンダ、日産の3社のラインナップからそれぞれおすすめのハイブリッド車を1車種ずつピックアップして紹介したいと思います。
※記事中の燃費表記は、特に断りのない限りJC08モードで計測した数値です。
【トヨタの2019年おすすめのハイブリッド車】トヨタプリウス
引用:https://www.webcg.net/articles/-/40583
まずはトヨタのハイブリッド車の中でおすすめの車種は、トヨタプリウスです。
プリウスは世界初の量産型ハイブリッド車であり、そのプリウスを開発したトヨタは、日本はもちろん世界的に見てもハイブリッド技術で他社を大きくリードしています。
そんなトヨタからおすすめのハイブリッド車を、となると、プリウスを選ぶことに異論はないと思います。
プリウスの魅力は、圧倒的な低燃費にあります。
最廉価グレードにはなりますが、Eの燃費は39km/Lにも及び、国産車としては最高燃費を誇っています。
その他の売れ筋グレードも、2WDで37.2km/L、4WDでも34km/hと国産車トップクラスの燃費です。
他社のハイブリッド技術も熟成が進んでおり、かつてほどトヨタのハイブリッド車との燃費差はありませんが、それでもプリウスの燃費は頭1つ飛び抜けているといえます。
燃費にこだわってハイブリッド車を選ぶのであれば、プリウス一択と言っても過言ではないでしょう。
プリウスがここまで低燃費を出せる理由は、車体のすべてが低燃費のために設計されているからに他なりません。
引用:https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/prius/prius_main_201908.pdf
たとえばバンパー周りやピラー周り、果ては車体下部に至るまで、デザイン性と共に空力性能を極限まで追求しています。
特に車体下部はフロント部にアンダーカバーを設置して床下を徹底的にフラット化、空気がスムーズに車体後部に流れるようになっています。
引用:https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/prius/prius_main_201908.pdf
また、フロントバンパー内部にはグリルシャッターが取り付けられており、走行状態やエンジン状態に応じて自動的に開閉するようになっています。走行風によるエンジンの冷却の必要がない時などはグリルシャッターを閉じ、余計な風が床下に入り込まないような工夫がされています。
ただ単に高効率なエンジンとパワフルなモーターによるアシストによって低燃費が実現しているわけではなく、このような細かい技術の積み重ねによる効果も大きい、というわけです。
【ホンダの2019年おすすめのハイブリッド車】ホンダヴェゼル
引用:https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17254131/album/16782117/image/16812829
次にホンダのハイブリッド車の中でおすすめの1車種として、ホンダヴェゼルを紹介したいと思います。
ホンダのハイブリッドといえばフリードやフィットの人気が高いですが、ここではあえて人気カテゴリのSUVの中からヴェゼルを取り上げます。
ヴェゼルはSUVカテゴリに限っていえば、2019年上半期の新車販売台数で1位となっています。
年間販売台数こそ2017年、2018年とトヨタC-HRに1位の座を奪われましたが、2016年までは登場以来ずっと1位に君臨し続けたホンダのベストセラー車種です。
ヴェゼルがここまで売れている理由は簡単で、「コンパクト」は「SUV」で、なおかつ「ハイブリッド」があるからです。
「コンパクト」「SUV」「ハイブリッド」は今の日本の自動車市場において人気があります。売れないわけがありません。
気になるハイブリッド仕様の燃費は、FFが23.4~27km/L、4WDが21.6~23.2km/Lとなっています。
エンジンが1.5LのNAであることを考えると、この燃費は決して良いとはいえません。
フィットは同じ1.5LのNAでFFの燃費が37.2km/L、4WDの燃費が29.4km/L、フリードも1.5LのNAでFFが27.4~28km/L、4WDが26km/Lだからです。
ヴェゼルの燃費がフィットやフリードに劣る理由は「車両重量」と「スタイリング」にあると思います。
ヴェゼルはフィットやフリードに比べると車重が200kg程度重いですし、SUVとしてある程度の悪路走破性を確保しようとすると最低地上高はそれなりに上げる必要があり、自然と車高も高くなります。
車高が高くなれば空気抵抗も高くなるので、ガソリンを多く消費する=燃費も悪くなる、というわけです。
そのため燃費を重視する人にはフィットやフリードがおすすめなのは間違いないですが、ヴェゼルにはヴェゼルにしかないメリットがあります。
その1つが「後席の広さ」です。
引用:https://autoc-one.jp/hikaku/5001677/photo/0038.html
ヴェゼルはホンダお得意の「センタータンクレイアウト」を採用しているので、ガソリンタンクが前席下部にあります。
その分後席と荷室に余裕が生まれ、特に後席はホンダ曰く「身長185cmの人でもゆったり座れる」という広さを実現しています。
実際に膝回りはミニバン並みの広さが確保され、座面の奥行にもゆとりがあります。
また、荷室は後席シートを立てた状態で393Lという大容量が確保されています。
引用:https://autoc-one.jp/hikaku/5001677/photo/0065.html
ヴェゼルの荷室は開口部が大きい上に地上高が低いので、荷物の積み込みが比較的容易という特徴があります。
また、センタータンクレイアウトのおかげで多彩なシートアレンジが実現しています。特に後席シートは座面を跳ね上げることによって高さを確保することができるので、観葉植物のように高さのある荷物も積むことができます。
この使い勝手の良いSUVを、低燃費のハイブリッドで乗れる点がヴェゼルハイブリッド最大の魅力です。
【日産の2019年おすすめのハイブリッド車】日産スカイライン
引用:https://www.webcg.net/articles/-/41579
最後に日産からおすすめのハイブリッド車を紹介します。
日産といえばノートやセレナのe-POWERが人気を集めていますが、ここではあえてスカイラインを取り上げたいと思います。
現行型スカイラインは2014年にフルモデルチェンジされたV37型ですが、2019年7月にビッグマイナーチェンジが行われて商品力がアップしています。
このビッグマイナーチェンジを機に、それまで日産のアメリカにおけるプレミアムブランドである「インフィニティ」のエンブレムをつけていたものを、日産のエンブレムに付け替えています。
これは日産によると「スカイラインが『技術の日産』の象徴である」ということを再定義し、日産ブランドの車として再出発を図るため、とのことです。
そしてこれを証明するかのごとく、スカイラインには運転支援システム「プロパイロット」の進化版、「プロパイロット2.0」が搭載されました。
従来型のプロパイロットとプロパイロット2.0の違いは、「ナビ連動ルート走行」と「同一車線内ハンズオフ機能」との2つが追加されたことです。
まずナビ連動ルート走行ですが、これは「追い越し支援」と「車線変更支援」の2つからなります。
追い越し支援は、同一車線上に自車設定速度よりも遅い車がいる場合、追い越し可能であることが車からドライバーに伝えられ、ドライバーがスイッチ操作を行うと自動的に車線変更して、追い越しが終わって安全な車間距離が確保されたら再びドライバーに知らせて元の車線に戻ることができる、というものです。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety/nim.html
車線変更支援はドライバーがウインカーを操作すれば、ウインカーの方向へ向けて車線変更をする、というものです。
そして同一車線内ハンズオフとは、高速道路や自動車専用道路のナビ連動ルート走行時に、同一車線走行時に限ってステアリングから手を離した状態でのハンズオフ走行が可能、というものです。
引用:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/skyline/performance_safety/nim.html
ただしドライバーの顔や目の動きはカメラによってモニタリングされているので、必ず前方を向いている必要があります。前方を向いていない場合はシステムによって警告が出ます。
目玉は同一車線内ハンズオフ機能の方で、条件つきではあるものの手放しでの自動運転が可能になった、というわけです。
そしてこのプロパイロット2.0は、ハイブリッド仕様の全グレードで標準装備されます。ガソリン仕様はオプションでも装備することはできません。
プロパイロット2.0は国産車として最も先進的な自動運転システムです。そしてこのプロパイロット2.0が搭載されているのは、現状でスカイラインのハイブリッド仕様だけです。
これが今回、日産のハイブリッド車としてスカイラインをおすすめする最大の理由です。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/41579#image-4
なお、燃費はFRで14.4km/L、4WDで13.6km/Lとなっており、決して良いわけではありません。
ただしノンターボのNAとはいえ、3.5Lエンジンを搭載していることを考えると仕方がないといえます。
この数字はむしろ、3.5L車にも関わらず15km/L近い燃費が出る、と好意的に捉える必要があるでしょう。