軽自動車は税金などの維持費が普通車に比べると割安なので、ご主人が大きな車を持つ一方で奥さんが軽自動車を持ったり、同居している結婚前の娘さんに専用の軽自動車を買ってあげたり、といった「セカンドカーとしての需要」もかなり大きいと思います。
また、車体サイズが小さく運転しやすいので、運転が苦手な女性に好まれる、という側面もあると思います。
そこで今回は「子育てママや女性に人気の軽自動車」をテーマに、子育てママがチェックすべき軽自動車のポイントと、女性におすすめの軽自動車を紹介したいと思います。
なお、文中に記載した燃費は「JC08モード」で計測された燃費とします(WLTCモードの燃費が発表されていない車種もあるため)。また、最も低燃費なグレードの燃費を、その車種の燃費として記載しています。
目次
【2019年版】子育て中のママがチェックすべき軽自動車のポイント
具体的な車種を紹介する前に、子育て中のママが軽自動車を購入する際にチェックしておきたいポイントを3つ紹介したいと思います。
後席はスライドドアがベスト
1つめのチェックポイントは「後席がスライドドアであること」です。
引用:https://kakakumag.com/car/?id=11531
スライドドアとは、上の画像のようにドアを水平にスライドすることによって開閉するドアのことをいいます。前席のように手前に引いて開けたり、奥に押して閉めたりするドアはヒンジ式ドアといいます。
子供を抱っこしていたり、両手に荷物を抱えている場合、ヒンジ式ドアよりもスライドドアの方が開けやすいからです。
ヒンジ式ドアは、ドアを開けた後に一旦体を引いてから車内に乗り込む必要がありますし、開いたドアが抱きかかえた子供の頭にあたらないように注意しなくてはなりません。
スライドドアの車を選ぶ場合、できれば電動式のパワースライドドアのものにしてください。パワースライドドアの場合、キーにスライドドアを開閉するボタンがついているので、ボタン1つでドア操作ができるので非常に便利です。ドアハンドルについているボタンを押すことでも開閉が可能です。
引用:https://aucfree.com/items/o334059121#
手動スライドドアの場合、最低でもドアハンドルを引く、という動作が発生してしまいます。これでもヒンジ式ドアに比べるとはるかにラクですが、ドアの開閉には少なからず力が必要になります。
特に上り坂停車時は閉めるのが、下り坂停車時は開けるのにかなり力が必要です。重力がかかる方向とドアを動かしたい方向が逆だからです。
スライドドアを装備している軽自動車は主に軽ワゴンが中心となりますが、原則として全高1,700mm台の軽ハイトワゴン以上に装備されていると思ってください。
例外はダイハツムーヴで、ムーヴは全高1,600mm台の軽トールワゴンの中で唯一スライドドアが装備されています。それ以外の軽トールワゴンはワゴンRもデイズも後席はヒンジ式ドアです。
全高が1,700mm台の軽ハイトワゴンは、人気のN-BOX、タント、スペーシアなど、すべてがスライドドアを装備しています。
ただ、スライドドアはヒンジ式ドアに比べると子供でも簡単に開けられてしまう、というデメリットがあります。ママが注意をそらした隙に子供が勝手に開けてしまい、思わぬ事故が発生する可能性もありますので、常時施錠しておくべきでしょう。
安全装備が充実しているものを選ぶ
2つめのチェックポイントは「安全装備が充実しているものを選ぶこと」です。
安全装備には大きく分けて「予防安全装備」と「衝突安全装備」があります。
前者は事故を未然に防ぐためのもので、主に衝突被害軽減ブレーキや誤発信抑制機能、レーンキープアシストなどを含む安全運転支援システムを指します。
後者は事故が発生してしまった際の被害を軽減するためのもので、エアバックや衝撃吸収ボディが該当します。
安全運転支援システムは各メーカー共非常に力を入れており、ほとんどの車に何かしらが装備されています。
引用:https://www.suzuki.co.jp/car/spacia/safety/
一見どれも同じであまり差がないように見えますが、細かく機能を見比べていくとその差は結構あるので、根気よくカタログを見比べるようにしましょう。
見極めるポイントは「カメラ」と「レーダー」です。
安全運転支援システムを搭載している車は、ほとんどがカメラとレーダーの両方を装備していますが、機能に差があります。
カメラはレンズが1つの単眼のものと、レンズが2つの複眼のものがありますが、複眼のものの方が奥行きを認識できるので高性能です。
奥行きを認識できないと、目の前に2つの障害物を検知した時にどちらが手前でどちらが奥かを判断しにくいです。
レーダーはレーザーのものとミリ波のものがありますが、ミリ波の方が天候に左右されない上に検知できる距離が長いというメリットがあります。
レーザーのものは低コストで搭載できるというメリットがありますが、性能的には劣ります。
衝突安全装備は、前席用のサイドエアバッグとサイドカーテンエアバッグの有無をチェックしてください。
引用:https://www.honda.co.jp/Nbox/webcatalog/performance/passive-safety/
上記の画像でピンク色になっているのがサイドエアバッグで、水色になっているのがサイドカーテンエアバッグです。
サイドエアバッグがあることによって側方からの衝突時などから、サイドカーテンエアバッグはガラスの破片の飛散などから乗員を守ってくれます。
室内高は高い方が便利
3つめのチェックポイントは「室内高が高いものを選ぶこと」です。
小さい子供は汗をたくさんかいたり、服を汚してしまったりして、出先で服を着替えさせたいことがよくあると思います。
そのような時に、室内高が高い方が着替えがしやすいです。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/04_interior.htm
上の画像はダイハツタントのものですが、タントの室内高は1,370mmあります。つまり身長137cm程度までの子供であれば車内で立ち上がることが可能なので、車内での着替えもできる、ということになります。
なお、当たり前ですが室内高と全高は比例しますので、全高が高い車は室内高も高くなります。
全高が1,700mm台の軽ハイトワゴンの室内高は、おおむね1,300mm台以上です。
購入金額は安い方がいいに決まっている
4つめのチェックポイントは「購入金額が安いものを選ぶこと」です。
これは子育て中のママに限らず、誰が買う時でもチェックポイントになると思いますが、家計を預かっている主婦であればよりシビアにチェックすべき項目といえるかもしれません。
一般的に新車は値引き販売が行われています。
そのため、新車購入時は車両本体価格をそのまま比較するのではなく、値引き交渉の結果いくらになるのか、で比較する必要があります。法定費用は消費税以外は同じになるので、あまり考慮する必要はありません。
値引き交渉では、ライバル車同士で条件を競合させるのが効果的です。
たとえばN-BOX、タント、スペーシアの3車種はお互いライバル関係にあるので、上手く競わせればより大きな値引き額を勝ち取ることができます。
この3車種では、スペーシアの値引きが比較的大きい傾向にあります。N-BOXやタントに比べると販売が振るわないのがその理由です。
そのため最初から大型値引き狙いでスペーシアを本命にするのもいいですし、スペーシアの大型値引きの条件をN-BOXにぶつけて、「もっと値引きしてくれないと、条件の良いスペーシアを買う」と揺さぶりをかける、という手もあります。
この他、フルモデルチェンジを控えている車種や、不人気車種は大型値引きが出る可能性が高いので、最新の情報をチェックするようにしましょう。
一応お肌への優しさもチェックしておく
5つめのチェックポイントは「お肌への優しさ」です。
ちょっと意味がわからないかもしれませんが、これは「紫外線(UV)や赤外線(IR)をカットするウィンドウが装備されているものを選びましょう」ということです。
引用:https://www.honda.co.jp/Nbox/webcatalog/interior/cabin/
「UVカットガラス」や「IRカットガラス」などが装備されているものを選ぶと、運転中の日焼けを防ぐことができます。紫外線はシミの原因にもなると言われていますので、カットするに越したことはありません。
また赤外線は暑さの原因にもなるので、カットしておくと冷房効率が高まります。
2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車3選
それでは続いて、現在発売されている軽自動車の中から、子育てママや女性におすすめの軽自動車を3車種紹介しましょう。
【2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車・その1】ダイハツタント
引用:https://bestcarweb.jp/feature/test-drive/90840
2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車、1車種目はダイハツタントです。
タントをおすすめする理由は2つあります。
まず1つ目は「ミラクルオープンドア」です。
引用:https://bestcarweb.jp/feature/test-drive/90840
ミラクルオープンドアはタント伝統の装備ですが、これはドアにBピラーを内蔵することでボディ剛性を確保しつつ、大開口部を実現させたものです。
助手席側のドアと左側のスライドドアを開けると、後席へのアクセスが非常に容易になります。
子育て世代のママにとっては、ベビーカーを折りたたまずに載せることができたり、後席に取り付けたチャイルドシートに子供を乗せやすくなったりするので、便利だと思います。
また、現行型から搭載された世界初の機構「運転席ロングスライドシート」の存在も見逃せません。
引用:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/04_interior.htm
これは運転席を540mmスライドさせられる、というもので、助手席ロングスライド(380mm)と組み合わせて活用すると、車外へ降りることなく後席へスムーズに移動することができます。
これは例えば雨の日に、後席のチャイルドシートに座った子供を連れて車外へ出る時のことを考えると、便利さがよくわかります。
一旦車外に出て傘を差し、後席ドアを開けて傘を畳んでチャイルドシートの子供の元へ、というのはとても煩わしいですが、車内を通って移動できれば煩わしさから解放されます。
逆に乗り込む際も、左側のスライドシートから乗り込んで後席のチャイルドシートに子供を乗せ、そのまま運転席に移動、ということが可能です。
まだ親の手を離れない小さな子供がいるママには最もおすすめしたい軽自動車です。
ただし、標準で両側電動スライドドアになるのはカスタムRSとカスタムXのみで、XターボとXは左側のみ電動で、右側はオプションで電動にすることができます。
L、カスタムLは完全に手動スライドドアになります。
【2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車・その2】ホンダN-BOX
引用:https://autoc-one.jp/honda/n-box/report-3476432/photo/0004.html
2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車、2車種目はホンダN-BOXです。
N-BOXは今や日本で1番売れている車ですが、子育てママや女性にも自信を持っておすすめできる車種です。
最大の理由は、安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車標準装備されていることです。
引用:https://www.honda.co.jp/Nbox/webcatalog/performance/active-safety/
その上、N-BOXに搭載されるHonda SENSINGは「単眼カメラ+ミリ波レーダー」となっており、ステレオカメラのみのタントと、単眼カメラ+レーザーレーダーのスペーシアに比べると、機能的には上です。
スライドドアは最廉価グレードのG系ではオプションでも装備できないものの、L、EX系は左側のみ標準で電動、右側がオプションで電動となり、それ以外のグレードは標準で左右電動となります。
室内高は1,400mmなので、小学校低学年程度までの子供であれば車内での着替えはできるでしょう。
ちなみにタントは1,370mm、スペーシアは1,410mmとなっており、この点だけはスペーシアが有利です。
ネックとなるのは価格で、最も安いグレードで約141万円、最も高いグレードは約213万円となっています。
タントが約124万円~約197万円、スペーシアが約129万円~約194万円で買えることをかんがえると、20万円程度高い計算になります。
しかもN-BOXは大人気で、値引きしなくても売れるので、値引きがほとんど期待できません。
走りの質が高く、乗り心地も良い、数年後に乗り換える時は下取り価格の高さが期待できる、といったように評価ポイントはとても多いですが、高いお金を出してまでN-BOXが欲しいのか、という点はよく考えるべきだと思います。
【2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車・その3】ダイハツミラトコット
引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/mira_tocot/report-5002483/photo/0012.html
2019年子育てママや女性におすすめの軽自動車、3車種目はダイハツミラトコットです。
ミラトコットはアルトやミライースと並んで「軽セダン」「軽ハッチバック」と呼ばれるボディスタイルです。
軽ワゴンに比べると車内は狭いですし、使い勝手も多少悪いので、正直なところ子育てママにはあまり向いていません。
しかし軽セダンは車高が低い分車体が安定するので、少しペースを上げて走っても車体がフラつくような怖さがありません。つまり運転は軽セダンの方がしやすいと思います。
女子大生が通学に使ったり、OLが通勤に使うにはピッタリでしょう。
ミラトコットは女性が中心となって、女性向けに開発されたモデルです。
全体的なフォルムやヘッドライト周りのデザイン、アルミホイールなど、随所にみられるキッチュなイメージはまさに女性好みといえそうです。
引用:https://autoc-one.jp/daihatsu/mira_tocot/report-5002483/photo/0046.html
内装は若干のプラスチック感は否めないものの、白と灰色を基調としていて明るさと開放感を感じることができます。
なお、似たようなコンセプトの車として、スズキのラパンというアルトベースの車種があります。
引用:https://www.carsensor.net/contents/editor/category_1471/_61642.html
ラパンはかつてミラトコットに比べると安全装備が大きく劣っていましたが、2019年6月の一部改良でかなり手を入れてきたので、ミラトコットと同等レベルになってきました。
ミラトコットとラパンは甲乙つけがたいですが、ミラトコットは2018年6月発売なのに対してラパンは2015年6月と、ミラトコットの方が3年近く基本設計が新しいことを評価し、ここではミラトコットを推したいと思います。
ただし、ラパンはエネチャージを採用しており、減速時のエネルギーを利用してモーターを発電し、その電力を電装品に利用しています。
そのため燃費性能が優れており、ミラトコットの最高燃費27.2km/Lに対してラパンの最高燃費は35.6km/Lにもなります。
あくまでも燃費を重視する人はラパンを選ぶのも良いでしょう。