かつて日本では、ステーションワゴンは商用バンとろくに区別もされず、ひと括りに「ライトバン」などと称されてセダンなどよりも1段低く見られがちな時代がありました。
しかし1989年に発売されたレガシィツーリングワゴンをきっかけにアウトドアブームが盛り上がり、荷物のたくさん積めるステーションワゴンが一気に市民権を得て現在に至っています。
一方、日本よりも車に実用性を求める海外では、かなり前からステーションワゴンは普及していました。ステーションワゴンを自家用車として利用する文化は海外の方が先行しているわけで、おのずと厳しいユーザーの目に応えるべく、質の高いステーションワゴンが生まれる土壌があります。
そこで今回は、外車のステーションワゴンの中から5車種をピックアップして、ランキング形式で紹介してみます。
目次
【おすすめの外車のステーションワゴン・第5位】VWゴルフヴァリアント
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/36488#image-13
車種名 | ゴルフヴァリアント |
価格帯 | 299万円~589万9,000円 |
燃費(ガソリン仕様・JC08モード) | 17.3-18.6km/L |
燃費(クリーンディーゼル仕様・WLTCモード) | 17.7km/L |
2019年おすすめの外車ステーションワゴン、第5位はゴルフヴァリアントです。
エンジンは1.2Lガソリンターボ、1.4Lガソリンターボ、2.0Lクリーンディーゼルターボで、トランスミッションは7速DSGのみ、駆動方式はFFのみです。
ゴルフは言うまでもなく、Cクラスのベンチマークとして世界中のメーカーが「追いつけ、追い越せ」と凌ぎを削っています。
しかし現行型ゴルフが日本で発売されたのが2013年なので、基本設計はやや古くなっている感があります。
2019年8月に発売されたカローラ、カローラツーリングは「カローラ史上初めてゴルフを超えた」と絶賛されていますが、2013年と2019年の差は大きいようで、確かにカローラツーリングの方が出来が良いように思えます。
外車のステーションワゴンをランキング化する場合、本来ゴルフヴァリアントはもっと上位に持って行きたいところですが、この基本設計の古さを理由に第5位としました。
引用:https://www.goo-net.com/magazine/104415.html
ゴルフヴァリアントの魅力は、何と言っても荷室容量にあります。2列目シートを使用している状態で、なんと605Lもの大容量となっています。
国産ステーションワゴンの荷室容量はシャトルの570Lが最大ですので、これを30L以上も上回っています。
ボディサイズは全長4,575mm、全幅1,800mm、全高1,485mmと、全幅を除けば決して大きくはありません。特に全長はジェイドと同じくらいしかありません。
それで605Lもの大容量荷室を確保できるのは、VWのパッケージングの巧みさを評価するしかありません。
【おすすめの外車のステーションワゴン・第4位】アウディA4アバント
引用:https://openers.jp/Gallery/1487338?
車種名 | A4アバント |
価格帯 | 485万円~687万円 |
燃費(ガソリン仕様・JC08モード) | 15.5~16.6km/L |
2019年おすすめの外車ステーションワゴン、第4位はアウディA4アバントです。
A4アバントは、アウディのステーションワゴンの中では最も小さいサイズとなります。なお、A4アバントの上にはA6アバントがあります。
クラス的にはDセグメントとなるので、Cセグメントのゴルフヴァリアントよりは1つ上のクラスです。
A4アバントは1.4Lガソリンターボと2.0Lガソリンターボに分かれ、トランスミッションは7速Sトロニック、駆動方式はFFと4WDがあります。
A4アバントは全体的に80点主義的な雰囲気が漂っており、正直なところ特徴という特徴があまりないように思います。
逆に言えば誰が買っても大きな失敗はない、という見方もできます。
個人的に評価をしたいのはエクステリアデザインです。
引用:https://openers.jp/Gallery/1487338?
エンジンルーム、居住スペースと荷室スペースという典型的な2ボックスのスタイルでありながら、各部が空力特性を意識した丸みを帯びたデザインとなっており、伝統と先進性が適度にミックスされています。
全体的に伸びやかさを感じるボディラインも好感が持てます。
また、アウディの4WDシステムである「クワトロ」は、スバルのシンメトリカルAWDと双璧をなす強力な4WDシステムといえます。
豪雪地帯に住んでいる人や、ウインタースポーツをする人にはおすすめです。
【おすすめの外車のステーションワゴン・第3位】BMW3シリーズツーリング
引用:https://motor-fan.jp/article/10010062
車種名 | 3シリーズツーリング |
価格帯 | 494万円~1,005万円 |
燃費(ガソリン仕様・JC08モード) | 15.5~16.6km/L |
2019年おすすめの外車ステーションワゴン、第3位はBMW3シリーズツーリングです。
3シリーズツーリングは2.0Lガソリン仕様、2.0Lディーゼル仕様、3.0Lガソリン仕様があり、駆動方式はFRと4WD、トランスミッションは8速ATです。
3シリーズはA4アバントと同じDセグメントに属します。
3シリーズは2019年フルモデルチェンジを受けていますので、ヴァリアントやA4アバントに比べるとおすすめ度は高いです。
ヴァリアントがCセグメントのベンチマークだとしたら、3シリーズツーリングはDセグメントのベンチマークといえます。
同じDセグメントにはメルセデス・ベンツCクラスがありますが、Cクラスは2014年以来フルモデルチェンジを受けていませんので、おすすめ度は3シリーズツーリングの方が高いです。
3シリーズツーリングの魅力は、何と言っても素直な操縦性能とシルキーなエンジンです。
引用:https://motor-fan.jp/article/10010062
BMWは最近でこそ2シリーズやXシリーズにFFモデルを用意していますが、元々FRに強いこだわりを持っています。主力の3シリーズ、5シリーズ、7シリーズはずっとFRです。
FFはエンジンと後輪をつなぐドライブシャフトがなくなるので、室内空間を広く取れるメリットがある反面、駆動輪と操舵輪が同じなので少々クセのあるハンドリングとなります。
一方のFRは室内空間が多少犠牲にされるものの、ハンドリングは非常に素直かつ自然で、扱い易いとされています。
運転の愉しさを考えるなら圧倒的にFRです。
また、BMWのエンジンは非常に滑らかに吹け上がることで定評があります。
BMWには伝統的に直列6気筒エンジンが搭載されていて、その滑らかさを称して「シルキー6」と呼ばれたりもします。
最近はダウンサイジング化の波によって量販グレードは4気筒モデルが中心になっていますが、それでも滑らかさは全く変わりません。
国産車の出来が輸入車と肩を並べた、あるいは超えた、と言われて久しいですが、BMW、特に最も売れ筋で力を入れて開発しているであろう3シリーズに乗ると、「国産車はまだまだBMWにかなわないなあ」と思わされてしまいます。
そのくらいBMWのハンドリングとエンジンは素晴らしいです。
【おすすめの外車のステーションワゴン・第2位】ボルボV60
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/41135#image-10
車種名 | V60 |
価格帯 | 508万2,407円~844万3,519円 |
燃費(ガソリン仕様・JC08モード) | 12.9km/L |
燃費(プラグインハイブリッド仕様・WLTCモード) | 13.7km/L |
2019年おすすめの外車ステーションワゴン、第2位はボルボV60です。
ボルボのステーションワゴンV60の上にV90がありますが、今回紹介するのはV60の方です。どちらも別車種扱いでCross Countryという、レガシィアウトバックのような最低地上高が高めに取られているモデルもあります。
V60はガソリン仕様とプラグインハイブリッド仕様があり、トランスミッションは8速AT、駆動方式はガソリン仕様がFF、プラグインハイブリッド仕様がAWDです。
現行型V60は2018年にフルモデルチェンジを受けたので、比較的新しいモデルになります。
モデルチェンジにあたっては、全長が125mm大きくなったものの、全幅は15mm小さくなっています。これによってボディサイズは全長4,760mm、全幅1,850mm、全高1,435mmとなりました。
全幅の縮小は日本法人からの要望を受けて反映されたものだそうで、ボルボがいかに日本市場を重視しているかがよくわかります。
V60は何と言ってもプラグインハイブリッド仕様がおすすめです。
引用:https://www.webcg.net/articles/gallery/41135#image-2
プラグインハイブリッド仕様は、バッテリーがフル充電された状態ならモーターのみで約45kmの走行が可能です。
これだけ走れれば、車の利用の大半を占めると言われる日々の買い物や家族の送り迎え、通勤通学などには十分です。ガソリンを給油する回数が劇的に減るので、ガソリン代がかからなくなります。
もちろん充電をすれば代わりに電気代がかかりますが、自宅での充電なら電気代の安い深夜に充電する、などの工夫でかなり安くなります。
また、プラグインハイブリッド仕様は室内が非常に静かです。発進はモーターのみで、加速をしていくとエンジンがかかりますが、その継ぎ目は非常に自然で、振動も騒音も一切ありません。
その上、V60はモーターが非常に力強いためか、走りがとてもパワフルです。ドライブモードを「Power」に入れた時の加速感は、シートに背中が押しつけられるほどです。
また、バッテリーを車体後方ではなく車体中央近くの低い位置に配置していることから、前後の重量バランスに優れています。そのためハンドリングも意外なほど楽しいです。
【おすすめの外車のステーションワゴン・第1位】メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク
引用:https://motor-fan.jp/article/10010160
車種名 | CLAシューティングブレーク |
価格帯 | 482万円~544万円 |
燃費(クリーンディーゼル仕様・WLTCモード) | 12.6~18.2km/L |
2019年おすすめの外車ステーションワゴン、第1位はメルセデス・ベンツCLAシューティングブレークです。
CLAというのはメルセデスベンツのラインナップにおいては「Aクラスより上、Cクラスより下」という位置づけで、2019年8月にフルモデルチェンジされました。
クラス的にはCセグメントとなりますので、ヴァリアントと同じクラスです。
ステーションワゴンタイプのシューティングブレークは、2019年12月から納車が始まっています。
エンジンは2.0Lクリーンディーゼル仕様、トランスミッションは8速AT、駆動方式はFFと4WDがあります。
CLAシューティングブレークの特徴は美しいスタイリングにあります。
シューティングブレークというのは「スポーツクーペ的な要素を持つステーションワゴン」という意味で、ステーションワゴンでありながらクーペ的なボディラインを描いています。
引用:https://motor-fan.jp/article/10010160
特にルーフからテールゲートに至るラインはどのステーションワゴンにもない美しさです。
デザイン重視で使い勝手が犠牲になっているかというとそうでもなく、荷室容量は505Lが確保されています。これだけあればステーションワゴンとしては十分でしょう。
クリーンディーゼルターボエンジンの出来も素晴らしく、低中速域から高速域まで、全域でしっかりとしたトルク感を感じることができますし、踏み込めばトップエンドまできちんと吹け上がります。
しかもディーゼルエンジンらしいちょっと荒々しいエンジン音が、ちょうどいい具合に車内に入ってくるのが走りの雰囲気を盛り上げてくれます。
足回りも非常にしなやかにストロークするので、振動の角をきちんと丸めてくれます。つまり「ガツン」という突き上げを感じる場面はほぼありません。
これで価格が500万円台半ばで収まりますから、上位のCクラスワゴンに比べるとかなりお買い得度は高いと思います。