2017年の年明け直後、トヨタの人気コンパクトカー、ヴィッツにハイブリッド仕様が追加されるという大きなニュースが自動車業界を揺るがしました。
トヨタのコンパクトハイブリッドとしてはアクアがハイブリッド専用モデルとして大人気を集めていますが、ガソリン仕様とハイブリッド仕様の併売はオーリスに続いて2車種目となります。
元々売れ筋モデルであるヴィッツへのハイブリッド仕様の投入なので、ライバルメーカーにとっては大きな脅威となることでしょう。
ヴィッツのライバルとなるコンパクトカーはいくつかありますが、今回はディーゼルターボエンジン搭載モデルを擁し、ヴィッツとは全く異なるアプローチで省燃費に取り組んでいるマツダのデミオを取り上げ、両車を様々な角度から比較してみたいと思います。
目次
ヴィッツ・デミオの価格・値段を比較
引用:http://autoc-one.jp/toyota/vitz/report-3168119/photo/0023.html
それではまず最初にヴィッツとデミオの価格を比較してみたいと思います。
■ヴィッツ(ハイブリッド仕様)
HYBRID U “Sportyパッケージ”(2WD・電気式無段変速機):2,087,640円
HYBRID U(2WD・電気式無段変速機):2,237,760円
HYBRID Jewela(2WD・電気式無段変速機):1,983,960円
HYBRID F(2WD・電気式無段変速機):1,819,800円
■ヴィッツ(ガソリン仕様)
1.3U “Sportyパッケージ”(Super CVT-i):1,952,640円
1.3U(2WD・Super CVT-i):1,798,200円
1.3U(4WD・Super CVT-i):1,906,200円
1.3Jewela(2WD・Super CVT-i):1,703,160円
1.3Jewela(4WD・Super CVT-i):1,811,160円
1.0Jewela “SMART STOPパッケージ”(2WD・Super CVT-i):1,553,040円
1.0Jewela(2WD・Super CVT-i):1,473,120円
1.3F(2WD・Super CVT-i):1,481,760円
1.3F(4WD・Super CVT-i):1,589,760円
1.0F “SMART STOPパッケージ”(2WD・Super CVT-i):1,405,080円
1.0F(2WD・Super CVT-i):1,325,160円
1.0F“Mパッケージ”(2WD・Super CVT-i):1,181,520円
■デミオ(ディーゼルターボ仕様)
XD Tailored Brown(2WD・6EC-AT):1,998,000円
XD Tailored Brown(4WD・6EC-AT):2,203,200円
XD Touring L Package(2WD・6EC-AT):2,019,600円
XD Touring L Package(2WD・6MT):2,019,600円
XD Touring L Package(2WD・6EC-AT):2,224,800円
XD Touring(2WD・6EC-AT):1,965,600円
XD Touring(2WD・6MT):1,965,600円
XD Touring(2WD・6EC-AT):2,170,800円
XD(2WD・6EC-AT):1,782,000円
XD(2WD・6MT):1,782,000円
XD(2WD・6EC-AT):1,987,200円
■デミオ(ガソリン仕様)
13S Tailored Brown(2WD・6EC-AT):1,717,200円
13S Tailored Brown(4WD・6EC-AT):1,922,400円
13S Touring L Package(2WD・6EC-AT):1,738,800円
13S Touring L Package(2WD・5MT):1,738,800円
13S Touring L Package(4WD・6EC-AT):1,944,000円
13S Touring(2WD・6EC-AT):1,684,800円
13S Touring(2WD・5MT):1,684,800円
13S Touring(4WD・6EC-AT):1,890,000円
13S(2WD・6EC-AT):1,458,000円
13S(2WD・5MT):1,458,000円
13S(4WD・6EC-AT):1,663,200円
13C(2WD・5MT):1,350,000円
13C(4WD・6EC-AT):1,555,200円
ヴィッツのエンジンラインナップはハイブリッド仕様が1.5L+モーター、ガソリン仕様が1.3Lと1.0Lの2本立て、価格帯はハイブリッド仕様が1,819,800円~2,237,760円、ガソリン仕様が1,181,520円~1,952,640円となっています。
一方のデミオのエンジンラインナップはディーゼルターボ仕様が1.5L、ガソリン仕様が1.3Lで、価格帯はディーゼルターボ仕様が1,782,000円~2,224,800円、ガソリン仕様が1,350,000円~1,944,000円です。
どちらもガソリン仕様よりもハイブリッド仕様やディーゼルターボ仕様の方が価格帯が上になっている点は同じですが、それぞれの価格帯自体はほぼ重複しています。
ヴィッツとデミオで大きく異なる点は、デミオには6MT、5MTといったマニュアルトランスミッッション仕様のグレードがラインナップされていることです。
ここは「Be a driver」というキャッチフレーズを掲げ、人と車の一体感をより重視するマツダの車作りに対する姿勢がよく表れていると思います。
ヴィッツ・デミオの性能・スペック・大きさを比較
引用:http://autoc-one.jp/catalog/mazda/demio/
次はヴィッツとデミオの性能とボディサイズを比較してみましょう。
まずはエンジン性能からです。
■ヴィッツ(ハイブリッド仕様)
最高出力:74ps/4,800rpm
最大トルク:11.3kgfm/3,600~4,400rpm
車両重量:1,100kg
■ヴィッツ(1.3Lガソリン仕様)
最高出力:99ps/6,000rpm
最大トルク:12.3kgfm/4,400rpm
車両重量:1,000~1,010kg
■ヴィッツ(1.0Lガソリン仕様)
最高出力:69ps/6,000rpm
最大トルク:9.4kgfm/4,300rpm
車両重量:970kg
■デミオ(ディーゼルターボ仕様)
最高出力:105ps/4,000rpm
最大トルク:25.5kgfm/1,500~2,500rpm(6MT=22.4kgfm/1,400~3,200rpm)
車両重量:1,070~1,230kg
■デミオ(ガソリン仕様)
最高出力:92ps/6,000rpm
最大トルク:12.3kgfm/4,000rpm
車両重量:1,020~1,130kg
最もパワフルなのはデミオのディーゼルターボ仕様でした。
同じ1.5Lのエンジンを搭載するヴィッツのハイブリッド仕様はエンジン単体だと74psですが、モーターも加えたシステム最高出力は100psと公表されているので数値的にはデミオのディーゼルターボ仕様と同等と見ることが出来ます。
ただしディーゼルターボエンジンはわかりやすくトルクフルなフィーリングを実感出来るという特性があるため、実際に乗ってみると力強さはデミオの方が上、と感じる方が多いと思います。
続いてボディサイズ(全長×全幅×全高)を比較してみましょう。
■ヴィッツ
3,945mm×1,695mm×1,500~1,530mm
■デミオ
4,060mm×1,695mm×1,500~1,550mm
ボディサイズは全長でデミオが115mm上回っていますが、全幅はどちらも5ナンバー枠いっぱい、全高はグレードによって多少差はあるもののほぼ同じ、と考えて良いでしょう。
取り回しにおいて差が出る差ではありません。
ヴィッツ・デミオの燃費を比較
引用:http://autoc-one.jp/toyota/vitz/report-3168119/photo/0016.html
続いてコンパクトカーを購入する際には気になる燃費を比較してみましょう。
メーカーが公表しているヴィッツとデミオの燃費は以下の通りです。
■ヴィッツ(ハイブリッド仕様)
34.4km/l
■ヴィッツ(ガソリン仕様)
1.3L:18.0~25.0km/l
1.0L:21.6~24.0km/l
■デミオ(ディーゼルターボ仕様)
22.8~30.0km/l
■デミオ(ガソリン仕様)
20.6~24.6km/l
ご覧の通り最も燃費が良いのはヴィッツのハイブリッド仕様で、30km/lの大台を軽々突破しています。
デミオのディーゼルターボ仕様も大健闘を見せていますが、残念ながら省燃費性という点ではハイブリッド仕様には敵わない、という状況です。
デミオのディーゼルターボ仕様は燃費に大きく差がありますが、4WDは22.8km/l、2WDの6EC-ATが26.4km/l、2WDの6MTが30.0kmとなります。
ヴィッツのガソリン仕様も4WDは燃費が悪くなりますが、2WDであれば1.3Lも1.0Lもそれほど変わりません。
デミオのガソリン仕様も同じような燃費ということを考えると、ヴィッツの1.0Lモデルは排気量が小さい割に1.3Lモデルと比べて燃費は必ずしも良いとは言えない、ということになります。
1.0Lモデルは1.3Lモデルに比べると走行性能はやや落ちるため、1.0Lモデルを買おうと考えている方は必ず1.3Lと乗り比べをした上でよく考えた方が良いと思います。
ヴィッツ・デミオの色・カラーを比較
引用:http://autoc-one.jp/mazda/demio/newmodel-1897280/photo/0010.html
次にヴィッツとデミオに用意されているボディカラーを比較してみたいと思います。
■ヴィッツ
・スーパーホワイトⅡ
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ホワイトパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・グレーメタリック
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ブラックマイカ
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・スーパーレッドⅤ
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・チェリーパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・オレンジメタリック
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・アバンギャルドブロンズメタリック
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ルミナスイエロー
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ブルーメタリック
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・クリアブルークリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ダークレッドマイカメタリック(シャイニーデコレーション専用色)
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ボルドーマイカメタリック(シャイニーデコレーション専用色)
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・オリーブマイカメタリック(シャイニーデコレーション専用色)
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ジェイドグリーンメタリック(シャイニーデコレーション専用色)
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
・ダークブルーマイカ(シャイニーデコレーション専用色)
引用:http://toyota.jp/vitz/exterior/?padid=ag341_from_vitz_navi_exterior
■デミオ
・ディープクリスタルブルーマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・エターナルブルーマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・ダイナミックブルーマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・ジェットブラックマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・マシーングレープレミアムメタリック
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・スノーフレイクホワイトパールマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・ソウルレッドプレミアムメタリック
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・ディープクリムゾンマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・ソニックシルバーメタリック
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
・チタニウムフラッシュマイカ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/design/
ヴィッツのボディカラーは全17色、そのうち5色はシャイニーデコレーション専用色となっています。
シャイニーデコレーションはドアミラー、アウトサイドドアハンドル、バックドアガーニッシュにメッキ加工が施されたモデルです。
デミオのボディカラーは全10色が用意されています。
ボディカラーの数自体はヴィッツの方が多くなっていますが、グレードによって適用されるカラーが多少異なるので注意して下さい。
ヴィッツは派手めな色味も含めて比較的はっきりとした色味のボディカラーが多く、デミオは比較的シックな色味のボディカラーが多いように思いますが、いずれも選び甲斐があるといえます。
ヴィッツ・デミオのオプションを比較
引用:http://autoc-one.jp/toyota/vitz/report-3168119/photo/0013.html
最後にヴィッツとデミオのオプションを比較してみましょう。
この2車のオプションを比較する際にぜひ触れておきたいのが予防安全装備であるヴィッツの「Toyota Safety Sense C」とデミオの「i-ACTIVSENSE」の違いです。
どちらの方が高性能か、というと、これはi-ACTIVSENSEです。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/demio/feature/safety/i-activsense/
両者の間には様々な違いがありますが、最も大きな違いがi-ACTIVSENSEにはレーダー・クルーズ・コントロール機能があることです。
レーダー・クルーズ・コントロールとはミリ波レーダーで先行車との速度差や車間距離を認識した上で、適切な車間距離を維持したまま追従走行を可能にするものです。
ヴィッツにはクルーズ・コントロールは一部グレードに用意されていますが、車の流れに合わせて加減速を行う働きはありません。
これは高速道路を使った長距離ドライブにはドライバーの疲労軽減に絶大な効果を発揮します。
i-ACTIVSENSEは他に周囲の状況に合わせて自在にヘッドライトの配光を変化させる「アダプティブ・LED・ヘッドライト」、側方および後方から接近する車両を感知しドライバーに警告を促す「ブラインド・スポット・モニタリング」と「リア・クロス・トラフィック・アラート」、「車線逸脱警報システム」、車が学習したドライバーの運転の癖と大きな違いが出ると休憩を促す「ドライバー・アテンション・アラート」、先行車と衝突する危険を察知すると警告を促し強制的にブレーキをかける「スマート・ブレーキ・サポート」、AT誤発進抑制制御などが含まれています。
ヴィッツにオプションで用意されているToyota Safety Sense Cは、衝突回避や衝突時の被害軽減をサポートする「プリクラッシュセーフティーシステム」、車線逸脱を防ぐ「レーンディパーチャーアラート」、夜間の歩行者の早期発見に役立つ「オートマチックハイビーム」の3つで構成され、これとは別に急発進、急加速を防ぐ「ドライブスタートコントロール」がハイブリッド仕様にのみ標準装備されます。
数的にも機能的にもデミオに用意されているi-ACTIVSENSEの方が勝っていると言えるでしょう。
ヴィッツ・デミオの比較まとめ
引用:http://gazoo.com/car/newcar/impression/Pages/article.aspx?IMPRESSIONID=WCG_0000131341&IMGNO=22#TopTarget
以上、ヴィッツとデミオを比較してみました。
燃費を重視するのであれば間違いなくヴィッツハイブリッドを選ぶべき、といえます。
カタログデータで30km/hを超えるということは、恐らく実際の燃費も20km/h代後半はコンスタントに出るでしょうから、いかに燃費の良いコンパクトカーといえどもこの数字はやはり驚異的です。
先進的な予防安全装備が欲しい、という方はデミオになります。
パワフルなディーゼルターボエンジンやマニュアル車の設定があるという意味では、スポーティーな走りを重視したい方もデミオの方がおすすめです。
車にそれほどこだわりはない、普通に走って止まって荷物が積めれば良い、という方はスタイルやボディカラーなどが好みに合う方を選べば良いと思いますが、そのような方にあえてどちらか一方をすすめるとすればヴィッツがおすすめです。
なぜならトヨタ車はマツダ車に比べると中古車市場での人気が高く、下取り時の査定価格の点で期待出来るからです。
いずれにしても実際の購入にあたっては、両方の車に実際に試乗して、本当に自分が欲しい方を購入するようにして下さい。