新型ムーヴカスタムは試乗レポートが数多く寄せられています。
こちらでは新型ムーヴカスタムの試乗に関するデータをまとめましたのでご紹介します。
軽自動車ながら、小型車に相当するような価格の新型ムーヴカスタムとは、前モデルからどんな進化を果たしたのか、その詳細をレポートします。
http://www.asahi.com/and_M/interest/gallery/20141224_webcgnews/images/01_R.jpg
前モデルからの変更点
人気車ムーヴの上位グレードとして誕生した新型ムーヴカスタム。
最近目立つようになってきた小型車からのダウンサイザーを意識したこのモデルは、内外装に大幅な上級感、高級感を盛り込んだ差別化が図っています。
さらに足回りに大幅に手を入れることによって、小型車にも劣らない上質感あふれる走りになったことにより、これまでの軽のイメージを覆すほど魅力的なパッケージになりました。
http://clicccar.com/wp-content/uploads/2014/12/move_custom_141212020.jpg
エンジン性能
搭載するエンジンの基本は従来のものとは変わることなくそのまま踏襲。
自然吸気とインタークーラー付きターボ仕様の2種類からの選択となります。
どちらも車重に対して十分な動力性能を持っていて、エンジンを回さなくてもスムーズな走りが得られますし、アクセルを踏み込めば豪快な加速が得られ、気持ちのいい加速が得られます。
http://www.daihatsu.co.jp/lineup/move_custom/05_driving.htm
加えて新たに追加された「パワーモード」は、ハンドル手元のスイッチを切り替えることによってエンジンの燃焼制御とCVT(無段変速AT)の変速制御プログラムが切り替わり、エンジンの吹き上がりと変速制御がスポーティさを感じさせるモードへと切り替わります。
これによってアクセル操作に対するレスポンスを良くし、加速の伸びを重視した文字通りパワフルな走りを得ることが出来るようになり、多人数が乗車時、坂道や高速道路での合流時など、非常に使い勝手のいい機能に仕上がっています。
加えてエンジンの高回転域を維持するSレンジ、Bレンジもあり、Bレンジで「パワーモード」を選択すると、まさにエンジンのフルパワーを使った走りが得られます。
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/impression/20150121_684380.html
ターボモデルは、最高出力は64馬力(6400回転)で、最大トルクはノーマルエンジンの154%に相当する154%にも達します。
このトルクの発生回転数は3200回転ですから、十分実用域であり、加速感はノーマルエンジンとは全く異なる胸のすくような気持ちよさが味わえます。
市街地走行が中心になるのであれば、燃費効率に優れたノーマルエンジンで十分であり、坂道の多い地域に住んでいる場合や高速道路の使用頻度が多いユーザーはターボ付きを検討してみるのもいいでしょう。
燃費性能は両エンジンとも優秀で、同じエンジンを搭載する前モデルと比較しても約2lm/ℓも向上しています。
これはエアロパーツの追加や走り抵抗の改善などによって達成されており、ノーマルエンジン車で31km/ℓ、ターボ車で27.4km/ℓとなりました。
特にターボ車の数値は、国産ターボ車の中でも最高峰に位置する見事さとなっています。
操縦性・走行性
今回の新型ムーヴカスタムで、一番注目すべきことは、クルマとしての「走り」が見事に改善されたことにあります。
滑らかな走り心地で、軽とは思えないフラット感というか4輪の接地性、安定感が素晴らしく、よくできた小型車に匹敵するほどのレベルに仕上がっています。
基本的なプラットホームは前モデルと変わらないにも関わらず、ここまでレベルがアップしたのはボディの底面やドアの開口部などに補強を施し、サスペンションの剛性とセッティングを見直したことにより達成されたもので、走行性の改善に見事に結びついています。
その骨太感を感じさせる乗り心地は、上質感を感じさせるのに十分といっていいでしょう。
こうして高回転域まで回さないで済むエンジンに加え、足回りの改良によって、直進安定性にも優れ、多くのコンパクトカーよりも静かな印象を与える結果につながっています。
ターボ車では装着タイヤも14インチ(155/55R14)から15インチ(165/55R15)となり、ワイドになって扁平率が下がったことによって、カーブを曲がったときや車線変更時の踏ん張り力がさらに強くなりました。
パッケージング
ドアを閉めただけでわかるボディの剛性感。
それだけで上質感を感じさせるものですが、さらに走らせてみれば乗り心地の質感も高まっているのに気づくはずです。
http://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/684/380/html/37.jpg.html
新型ムーヴカスタム2016では、高張力剛板の採用によって前モデルより20kg軽量化したということですが、一方でボディの補強、サスペンションの見直し、装備の充実によって30kg重くなり、結果としてカタログ上では10kg重くなったとのことです。
サスペンションの改良については、フロント・リアともに取り付けなどの最適化、特製の見直しが図られており、とくにフロントではスプリング内にウレタン製のバンプスストッパーを仕込み、小さなストロークからバネを効かせてロール挙動を抑制する手法がとられています。
これによってロールを効かせながらも早い段階でしなりを消し、次のコーナーが狙いやすいという効果を果たしています。
これによって軽であることを感じさせない「走り」の質感を高めることにつながっています。
機敏な走りと切れ味のいいハンドリング、そして収まりのいいボディと、見事なバランスでパッケージングされているのがよくわかり、ずっと載っていても飽きを感じさせない楽しさを味わせてくれるいい出来上がりです。
エクステリア
通常、ベースとなるモデル(ここでの例でいればムーヴ)が先にデザインされ、その上で上級グレードが設定されていくものですが、今回の新型ムーヴカスタム2016では先にこちらのデザインが手掛けられ、そこからベース車が作られたという、全く逆の手法がとられました。
確かにフロント周りなど、標準車とは明らかに差別化されたデザインが取り入れられ、フェンダーなどよりボリューム感のあるものに仕上げられています。
フロントグリルはミニバンを思わせるほどの印象さえ与え、より個性的で存在感のある外観にすることによって、「スポーティさ」「走り」を意識したデザインであることを感じさせます。
さらにハイパーでは、ダークメッキされたフロントグリルやLEDイルミネーションランプの追加によって、より高級感のある印象を与えており、小型車からの乗り換えを考えるダウンサイザーを意識していることが伺えます。
インテリア
新型ムーヴカスタム2016では、質感を高めたインテリアや装備の充実によって、ダウンサイザーをも納得させるだけの仕様が各部に散りばめられています。
http://jp.autoblog.com/photos/daihatsu-move-custom-0/#slide=3289537|!
まずは最初に感じるのはドアを閉めたときに感じるボディの剛性感。
これだけで上質な印象を与えるのに十分です。
さらにシートは座面と背もたれの形状や硬さを細かく改良して腰回りしっかりと包まれるような柔軟性があり、カラダをしっかりとホールドしてくれます。
シート生地も本革とファブリックの組み合わせです。
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運転席座って最初に気付くのは正面のインパネにはメーター類が機能的に配置されていることです。
正面にはTFTカラーマルチインフォメーション・ディスプレイが設置され、縦型の液晶ディスプレイによって瞬間&平均燃費や、レバーのシフト位置、メネナンス状況や安全装備の警告情報などを、直観的でビジュアルな表示で示してくれます。
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http://jp.autoblog.com/2015/01/19/move-custom/
室内スペースは身長170cmの大人4人が乗車して頭上や足元には十分な空間が確保されており、セダンでいえばLサイズ並みのスペースになっており、また視界の広がりも十分であり居住空間には十分な広さになっています。
後席は左右それぞれが最大で240mmスライド出来ることやリクライニングも可能。さらに50:50分割可倒式になって、乗員の人数や荷物のボリュームに応じて調節しやすくなっています。
後席を倒した時には575mmとクラストップレベルの室内長が得られますが、一方で荷物室の床に少し段差ができてしまうのは気になるところでもあります。
リアゲートは前モデルでは左右に開く方式だったのに対して、一般的な縦開き式に変更になりました。
狭い場所での開け閉めが不便になったものの、雨天時には持ち上げたリアゲートによって雨を避けられる効果もあります。
安全装備
安全装備の「スマアシII」はさらに改良が進み、対応する速度を30kn/時から50km/時に高めたほか、人間の認識もできるようになりました。
価格差で75,600円となりますが、ぜひとも取り付けたい装備です。
後方に向けたセンサーも新たに加わり、時速10km以下で後退中に障害物を検知すると、警告音を発したり、前方・後方共に車両が壁などに向いた状態でアクセルを強く踏むと、誤作動と判断してアクセル開度を制限する機能も備わっています。
インプレッション
あの頼りなさそうで非力な軽四輪の面影は、この新型ムーヴカスタム2016には微塵も感じられません。
それどころか、上級クラスの小型車をも凌ぐ上質な走りは、もはや軽自動車も来るところまで来てしまった感さえ抱かせます。
これまで小型車に乗りなれてきた人々に対し、抵抗感を持たれずに乗り換えを勧められる軽自動車であると断言できるだけのものを持っています。
今後こうした流れはさらに強まっていくのでしょうが、一方の小型車もさらに商品力を進化させないと、軽自動車との差はさらに縮まっていくことにもなってしまうのも確実です。
ただこの個性の強いデザインは乗る人を選ぶ可能性もあり、どう評価されるかがポイントとなるでしょう。
まとめ
ダウンサイザーとして、小型車からの乗り換えに格好の1台。
もはや軽自動車とは思わせない意志が明白に感じ取れます。
従来からの軽自動車に対する偏見を拭い去ったという点で、まさに「ダイハツ史上最高傑作」とクルマのプロが言い切れるほどの出来に仕上がったようです。
良い車だからこそ、買う時はできるだけ安く、お得に購入したいものです。
新型ムーヴカスタムの値引きの方法については、
「新型ムーヴカスタム 値引き術!」で詳しく解説しています。
ぜひ参考に、お得に賢くムーヴカスタムを購入しましょう。