新型FJクルーザーのスペックが公開されています。
こちらでは新型FJクルーザーのスペックと主な特徴をまとめましたのでご覧ください。
新型FJクルーザーの概要
引用:http://autoc-one.jp/toyota/special-649590/
FJクルーザーはトヨタ自動車が2006年から製造・販売しているSUVです。
元々は北米市場向けの輸出専用モデルとしてして開発されたものですが、一部のSUVファンやショップの手によって逆輸入されるなど人気がありました。
そこでトヨタは2010年から国内販売に踏み切り、正式に国内向け右ハンドル仕様の販売が始まり、現在に至っています。
FJクルーザーは1960年から1984年まで超ロングセラーモデルとして製造・販売されていたFJ40系ランドクルーザーを彷彿とさせる外観が人気の秘訣です。
引用:http://silodrome.com/fj40-toyota-land-cruiser/
既にヒストリックカーの部類に入る古さの車ですが、長く販売されていた上によく売れていたため現存するものが多く、マニアの間では「ヨンマル」「フォーティー」といった愛称で親しまれています。
FJクルーザーの車名の「FJ」はFJ40系から取られていますし、丸目二灯ヘッドライトやそれを囲む楕円型のグリル、中央部に入るトヨタロゴ、更に白いルーフなど、随所にFJ40系の意匠を取り入れていて、実にマニアの心をくすぐる憎い作りです。
北米はもちろん、日本にもランクルマニアは数多くいるために大きな人気を博しましたが、その後北米市場では2014年モデルを最後に販売を終了しています。
一部メディアによると「2016年夏に販売終了」と報道されていましたが、トヨタ自動車お客様相談センターによると「現在のところ販売終了の予定はない」とのことです。
複数のディーラーにも取材を行いましたが、「メーカーから販売終了という知らせは来ていない」と口を揃えていますので、当面は販売が継続されると考えて良さそうです。
FJクルーザーは「外観だけおしゃれにしたSUVルック車的なもの」と考えたら大間違いで、シャシーはランドクルーザープラドと共通のラダーフレームを採用しており、本格的なオフロード走行にも十分耐えられる作りになっています。
FJクルーザーの特徴は、観音開き型のドアを採用したという点でしょう。
引用:http://autoc-one.jp/toyota/special-649590/photo/0033.html
FJクルーザーを象徴する観音開きのドアですが、「後ろのドアを先に閉めないと前のドアが閉まらない」「狭い駐車場で後席へ乗り込むのが大変」など実用上の問題を指摘する声は多いようです。
新型FJクルーザーの主要スペック
引用:http://autoc-one.jp/toyota/fjcruiser/report-672538/
それではFJクルーザーの主要スペックをご紹介しましょう。
■総排気量
3995cc
■トランスミッション
5 Super ECT
■使用燃料
レギュラーガソリン
■エンジン最高出力(ネット)
276ps/5600rpm
■エンジン最大トルク(ネット)
38.8kgfm/4400rpm
■全長
4635mm
■全幅
1905mm
■全高
1840mm
■室内長
1785mm
■室内幅
1560mm
■室内高
1225mm
■車両重量
1940kg
■乗車定員
5名
■燃料消費率(JC08モード)
8.0km/l
■価格帯
約324万円~約346万円
以上がFJクルーザーの基本スペックとなります。
元々は北米で先に発売されていただけのことはあり、さすがにかなりの大きさと重さで、一昔前のクロカンのイメージをそのまま受け継いでいるFJクルーザーです。
しかし、その独特のスタイルで濃いファンが多いのも特徴です。
今のハイブリッドカーなどと価格で比べてしまえば、割高感はあるかもしれませんが、そこはしっかりと値引き交渉をしていきましょう。
新型FJクルーザーの値引きの方法については、
ぜひ参考に、お得にFJクルーザーを購入して下さい。
ランドクルーザープラド、エクストレイルとの比較
FJクルーザーは、その性格上中々直接的なライバル関係にある車種は見当たりません。
FJクルーザーを買う方はほぼ「指名買い」だと思います。
しかしシャシーを共有するという意味ではトヨタのランドクルーザープラドが、比較的価格帯が近いという意味では日産のエクストレイル辺りが競合対象になってくるでしょう。
引用:http://autoc-one.jp/toyota/andcruiser_prado/report-2322828/photo/0010.html
プラドにあってFJクルーザーにないのは「7人乗り」と「ディーゼルエンジン」です。
5人以上乗る機会が考えられる方はプラドを選ぶべきでしょう。
また、4WD好きの方にはガソリンエンジンよりも力強いトルク感があって、単価の安い軽油を燃料とするディーゼルエンジンの人気が根強いです。
ディーゼルエンジンにこだわりのある方もプラドの方が良さそうです。
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior.html
一方のエクストレイルですが、エクストレイルにあってFJクルーザーにないのが「2WD」と「ハイブリッド」です。
FJクルーザーの4WDはフルタイム4WDではなくパートタイム4WDなので、道路状況によって2WDと4WDをドライバーがトランスファーノブを使って任意に切り替えることが出来ます。
エクストレイルは2WDモデルと4WDモデルがあるので、「スタイルが好きだから買う」「オフロードはもちろんスキーやスノボにも行くつもりはない」「4WDは燃費も悪いし価格が高いから嫌だ」というような方は積極的に2WDを選ぶ、ということが可能になるわけです。
逆にFJクルーザーでそのように思っても、強制的に4WDモデルを買うしかないわけです。
また、エクストレイルにはハイブリッド仕様があるのが最大の強みです。
エクストレイルハイブリッドの燃費は、2WDモデルで20.6km/l、4WDモデルでも20.0km/lという低燃費を誇ります。
低燃費志向の今の時代、SUVでこの燃費は大きな魅力でしょう。
ちなみにプラドの燃費は2.7Lガソリンエンジンで9km/l、2.8Lディーゼルエンジンで11.2km/l~11.8km/l、FJクルーザーにいたっては8km/lです。
もう少し細かい点も比較してみましょう。
なお、プラドは「TX」(ガソリン仕様・5人乗り)、エクストレイルは「20Xtt “エマージェンシーブレーキ パッケージ” [2列]」(ガソリン仕様・4WD)を対象とします。
■ボディサイズ(全長×全幅×全高)
FJクルーザー
4635mm×1905mm×1840mm
ランドクルーザープラド
4760mm×1885mm×1850mm
エクストレイル
4640mm×1820mm×1715mm
FJクルーザーは全長が最も短く、全幅が最も大きいです。
この「ショート&ワイド」というのはFJクルーザーの大きな特徴となります。
引用:http://toyota.jp/fjcruiser/gallery/
国産車で最も全幅が大きいのはレクサスLXの1980mmですが、ランドクルーザーの1970mm、NSXの1940mmに次ぐ4番目の大きさです。
さすがにこの大きさになると、住宅街の細い路地などを走るのはかなり慎重な運転が要求されます。
日本の道路事情を考えるとやや厳しい面があると言えるでしょう。
■室内サイズ(室内長×室内幅×室内高)
FJクルーザー
1785mm×1560mm×1225mm
ランドクルーザープラド
1825mm×1565mm×1240mm
エクストレイル
2005mm×1535mm×1270mm
室内長はエクストレイルが最も大きく、2000mmを超えています。
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/interior.html
室内長はインパネから後席背面までの長さで荷室は含みませんが、室内長が長いということは特に後席の足元スペースの広さや後席の座面の長さに影響します。
平たく言えば「室内長が長い=(主に後席の居住性が良い」ということです。
室内高が最も高いのもエクストレイルです。
室内高が高いということは頭上高に余裕があるということですが、特に後席に座った時に前方の視界に余裕が出来るため、実用上はもちろんのこと視覚的に室内を広く見せる効果もあります。
■エンジンスペック
FJクルーザー(4.0L V型6気筒)
276ps/5600rpm
38.8kgfm/4400rpm
燃費:8km/l
ランドクルーザープラド(2.7L直列4気筒)
163ps/5200rpm
25.1kgfm/3900rpm
燃費9km/l
エクストレイル(2.0L直列4気筒)
147ps/6000rpm
21.1kgfm/4400rpm
燃費16.4km/l
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior.html
FJクルーザーが排気量も馬力も飛び抜けていますが、その分燃費は8km/lと最も低いです。
プラドはFJクルーザーに比べると排気量で1300cc、馬力で113psも落ちますが、燃費は9km/lとFJクルーザーと比べると1km/lしか変わりません。
燃料効率という意味ではプラドは極端に悪いと言えるかもしれません。
なお、エクストレイルでガソリン仕様の4WDモデルの燃費は16.4km/lとなっています。
ハイブリッド仕様の燃費には及びませんが、SUVとしてはまずまず優秀な燃費です。
新型FJクルーザーのスペックのまとめ
引用:http://toyota.jp/fjcruiser/gallery/
以上、新型FJクルーザーのスペックを、ランドクルーザープラド、エクストレイルと比較しながらご紹介しました。
スペックを見る限り、FJクルーザーを買う上でネックとなりそうなのが「全幅の大きさ」と「燃費の悪さ」です。
全幅が大きいと住宅街等の路地を走る際に気を遣う、ということの他に、自宅の車庫に入るかどうかという問題や、1台分の駐車スペースや隣の駐車スペースとの間隔が小さな商業施設等の駐車場に停める際にぶつけられないかどうかという問題などが考えられます。
燃費の悪さは排気量の大きさや馬力の大きさを考えると致し方がないと言えます。
その代わりに高いオフロード走破性を備えていますし、誤解を恐れずにいえばFJクルーザーはスポーツカーなどと同様、あまり燃費を気にしながら乗る車でもないと思います。
非常に趣味性の高い車だと思いますので、スペックがどうであれ「気に入ったら買う」ということでも良いのかもしれません。
そのくらいFJクルーザーは「唯一無二の存在」だからです。