「クロスオーバーSUV」とはオンロード走行、オフロード走行の両方を高いレベルでこなす「一粒で二度おいしい」的な車のことを指し、今やSUVといえばクロスオーバーSUVのことを指すといっても過言ではありません。
トヨタにはランドクルーザー、ランドクルーザープラドなど本格的なオフロード志向が強いSUVがありますが、オンロードでの走りをおしゃれにこなすエレガントなクロスオーバーSUVとしてはハリアーを挙げることが出来ます。
トヨタのSUVラインナップの中でハリアーはある意味異質で、「都市型SUV」としてはトヨタで唯一無二の存在です。
一方トヨタのライバルである日産は、現在SUVはジュークとエクストレイルの2車種しかなく、フルラインを標榜するメーカーとしては少々寂しい状況です。
しかしエクストレイルは2WDと4WD、ガソリン仕様とハイブリッド仕様、2列シートと3列シートなど多彩なモデルを用意し、タウンユースからオフロード走行までユーザーのあらゆるニーズに応えようとしています。
そこで今回はハリアーとエクストレイルという、ちょっと毛色の違うクロスオーバーSUVを比較してみたいと思います。
目次
ハリアー・エクストレイルの価格・値段を比較
引用:http://autoc-one.jp/nenpi/1779376/
それでは最初にハリアーとエクストレイルの価格から比較してみたいと思います。
■ハリアー(ハイブリッド車)
PREMIUM“Advanced Package”(E-Four):4,591,963円
PREMIUM(E-Four):4,032,000円
ELEGANCE(E-Four):3,774,857円
GRAND(E-Four):3,713,143円
■ハリアー(ガソリン車)
PREMIUM“Advanced Package”(2WD):3,697,527円
PREMIUM“Advanced Package”(4WD):3,891,927円
PREMIUM(2WD):3,137,143円
PREMIUM(4WD):3,331,543円
ELEGANCE(2WD):2,880,000円
ELEGANCE(4WD):3,074,400円
GRAND(2WD):2,797,714円
GRAND(4WD):2,992,114円
ELEGANCE“Gʼs”(2WD):3,291,055円
ELEGANCE“Gʼs”(4WD):3,485,455円
■エクストレイル(ハイブリッド仕様)
20S HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,669,760円
20S HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):2,876,040円
20X HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,858,760円
20X HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,065,040円
モード・プレミア HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):3,306,960円
モード・プレミア HYBRID”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,513,240円
20X HYBRIDエクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,270,240円
20X HYBRIDブラックエクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,294,000円
モード・プレミア HYBRID<オーテック30周年特別仕様車>(2列シート・2WD):3,360,960円
モード・プレミア HYBRID<オーテック30周年特別仕様車>(2列シート・4WD):3,567,240円
■エクストレイル(ガソリン仕様)
20S”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,238,840円
20S”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):2,445,120円
20X”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,412,720円
20X”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・2WD):2,485,080円
20X”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):2,619,000円
20X”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):2,691,360円
20Xtt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,828,520円
20Xtt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・2WD):2,900,880円
20Xtt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,034,800円
20Xtt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):3,107,160円
20Xt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,186,000円
20Xt”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):3,258,360円
モード・プレミア”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・2WD):2,877,120円
モード・プレミア”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):3,083,400円
モード・プレミア”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・2WD):2,971,080円
モード・プレミア”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):3,177,360円
20X エクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):2,824,200円
20X エクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):2,896,560円
20X ブラックエクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(2列シート・4WD):2,912,760円
20X ブラックエクストリーマーX”エマージェンシーブレーキ パッケージ”(3列シート・4WD):2,985,120円
モード・プレミア<オーテック30周年特別仕様車>(2列シート・2WD):2,931,120円
モード・プレミア<オーテック30周年特別仕様車>(2列シート・4WD):3,137,400円
モード・プレミア<オーテック30周年特別仕様車>(3列シート・2WD):3,025,080円
モード・プレミア<オーテック30周年特別仕様車>(3列シート・4WD):3,231,360円
ハリアーもエクストレイルもガソリン仕様車とハイブリッド仕様車に分かれています。
駆動方式はハリアーのハイブリッド仕様はAWD(4WD)のみとなりますが、ハリアーのガソリン仕様とエクストレイルのガソリン仕様、ハイブリッド仕様は2WDとAWD(4WD)の両方が設定されています。
エンジンはハリアーのハイブリッド仕様が2.5L+モーター、ハリアーのガソリン仕様が2.0L、エクストレイルのハイブリッド仕様が2.0L+モーター、エクストレイルのガソリン仕様が2.0Lとなっています。
エクストレイルのハイブリッド仕様とガソリン仕様は同じエンジンが搭載されています。
価格帯ですが、ハリアーのハイブリッド仕様が3,713,143円~4,591,963円、ガソリン仕様が2,797,714円~3,891,927円、エクストレイルのハイブリッド仕様が2,669,760円~3,567,240円、ガソリン仕様が2,238,840円~3,258,360円です。
ハリアーのガソリン仕様の下のグレードと、エクストレイルのガソリン仕様の上のグレードが一部重複していますが、ハイブリッド仕様は全く重複しておらず、ハリアーが上、エクストレイルが下、という関係性になります。
ハリアー・エクストレイルの性能・スペック・大きさを比較
引用:http://autoc-one.jp/nenpi/1710915/
次にハリアーとエクストレイルの性能と大きさを比較してみます。
まずはエンジンの性能の比較からです。
■ハリアー(ハイブリッド仕様)
最高出力:152ps/5,700rpm
最大トルク:21.0kgfm/4,400~4,800rpm
車両重量:1,750~1,800kg
■ハリアー(ガソリン仕様)
最高出力:151ps/6,100rpm
最大トルク:19.7kgfm/3,800rpm
車両重量:1,560~1,630kg
■エクストレイル(ハイブリッド仕様)
最高出力:147ps/6,000rpm
最大トルク:21.1kgfm/4,400rpm
車両重量:1,570~1,650kg
■エクストレイル(ガソリン仕様)
最高出力:147ps/6,000rpm
最大トルク:21.1kgfm/4,400rpm
車両重量:1,440~1,590kg
ハリアー、エクストレイル共にハイブリッド仕様はモーターのアシストがあるため、エンジンとモーターの出力を合わせた「システム最高出力」という概念があります。
システム最高出力はハリアーのハイブリッド仕様が197ps、エクストレイルのハイブリッド仕様が188psとなります。
搭載されるエンジンはハリアーのハイブリッド仕様が2.5L、エクストレイルのハイブリッド仕様が2.0Lと0.5Lの差があるものの、システム最高出力の差は9psと排気量の差ほど馬力差は開いていません。
ガソリン仕様は共に2.0Lエンジンを搭載していますが、エンジン性能はほぼ拮抗しています。
続いてボディサイズ(全長×全幅×全高)の比較です。
■ハリアー
4,720mm×1,835mm×1,690mm
■エクストレイル
4,640~4,680mm×1,820mm×1,715mm
ボディサイズは全高のみ25mmエクストレイルが大きく、全長は40~80mm、全幅は15mmほどハリアーが大きい、という形です。
なお、室内サイズはハリアーが1,965mm×1,480mm×1,220mm、エクストレイルが2,005~2,555mm×1,535mm×1,220~1,270mmとなっています。
エクストレイルの室内長の2,555mmというのは3列シート車です。
ハリアー・エクストレイルの燃費を比較
引用:http://autoc-one.jp/subaru/legacy_outback/whichone-1995832/photo/0074.html
次に比較するのは燃費です。
メーカーが公表しているハリアー、エクストレイルの燃費は以下の通りです。
■ハリアー(ハイブリッド仕様)
21.4~21.8km/l
■ハリアー(ガソリン仕様)
14.8~16.0km/l
■エクストレイル(ハイブリッド仕様)
20.0~20.6km/l
■エクストレイル(ガソリン仕様)
15.6~16.4km/l
繰り返しになりますがハリアーのハイブリッド仕様は2.5Lエンジン、エクストレイルのハイブリッド仕様は2.0Lのエンジンを搭載しています。
にも関わらず燃費はハリアーのハイブリッド仕様の方がわずかではありますが良い、という結果になりました。
普通は排気量の大きい車の方が燃費は悪くなりがちですが、逆転現象が生じている理由は「モーターの出力の差」だと思います。
ハリアーのフロントモーターの最高出力は105kW(143ps)、それに対してエクストレイルのモーターは30kW(41ps)と3倍近い出力の差があります。
ハリアーのハイブリッド仕様の方がモーターの力が強い分エンジンを使う機会(=ガソリンを消費する機会)が少なくなりますので、結果的に排気量の割に燃費が良い、ということになるわけです。
ハリアー・エクストレイルの色・カラーを比較
引用:http://autoc-one.jp/nissan/x-trail/special-2269691/0003.html
次にハリアーとエクストレイルに用意されているボディカラーを全色ご紹介します。
■ハリアー
・ホワイトパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・シルバーメタリック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・スパークリングブラックパールクリスタルシャイン
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラッキッシュアゲハガラスフレーク
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ブラッキッシュレッドマイカ
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
・ダークブラウンメタリック
引用:http://toyota.jp/harrier/style/
■エクストレイル
・バーニングレッド
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・キャニオンブロンズ
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・チタニウムカーキ
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・スチールブルー
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・ブリリアントホワイトパール
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・ブリリアントシルバー
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・ダークメタルグレー
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
・ダイヤモンドブラック
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/exterior_color.html
それぞれ用意されているボディカラーはハリアーが全7色、エクストレイルは全8色です。
数も色味も似通っていますが、エクストレイルのバーニングレッドは似たものがハリアーにはありません。
この色はエクストレイルのカタログ等でも多様されているイメージカラー的なもので、汚れを気にすることなくアウトドアで思う存分振り回すような、エクストレイルのアクティブな性格を象徴していると思います。
このような明るい色がもう少しあっても良かったかもしれません。
ハリアー・エクストレイルのオプションを比較
引用:http://autoc-one.jp/nenpi/1779376/photo/0011.html
最後にハリアーとエクストレイルのオプションを比較してみたいと思います。
エクストレイルの装備で特筆すべきは、何と言っても全てのグレードで「エマージェンシーブレーキ パッケージ」が標準装備されているところです。
引用:http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/safety_emergency.html
エマージェンシーブレーキ パッケージに含まれているのは、フロントカメラで前方の車両や歩行者を検知し衝突の危険が高まると音や画面表示で回避行動を促し、十分に減速されなかった場合は自動的に緊急ブレーキが動作するという「エマージェンシーブレーキ」と、アクセルとブレーキの踏み間違いなどを防ぐために低速時に障害物を察知すると自動的にエンジン出力やブレーキ制御を行う「踏み間違い衝突防止アシスト」、その他に「LDW(車線逸脱警報)」と「進入禁止標識検知」の4つです。
ハリアーの場合、エクストレイルのエマージェンシーブレーキに相当するのが「プリクラッシュセーフティ―システム(ミリ波レーダー方式)ですが、標準装備されるのは“Advanced Package”のみで他のグレードではオプションで注文しなくてはなりません。
「LDA(レーンディパーチャーアラート)(ステアリング制御付)」も”Advanced Package”とPREMIUMでは標準装備となりますが、それ以外のグレードではオプションでも装備することが出来ません。
こうしてみると予防安全装備の点ではハリアーよりもエクストレイルの方が充実しているように見えますが、実は必ずしもそうではありません。
確かにエクストレイルはあらゆる予防安全装備を標準装備されている点は評価出来ますが、相当する装備をハリアーと比較してみると、ハリアーの方が機能的には優れていることがわかります。
例えばエクストレイルのエマージェンシーブレーキはカメラで前方を捉えていますが、ハリアーのプリクラッシュセーフティーシステムはより正確な解析が可能なミリ波レーダーです。
エクストレイルのLDWはあくまでも車線を逸脱しそうになった時に音と画面表示で警告を出すだけですが、ハリアーのLDAはその上でさらにステアリングを自動制御して車線をはみ出さないように修正してくれます。
引用:http://toyota.jp/harrier/safety/active/
予防安全装備は「転ばぬ先の杖」のようなもので、普通に運転している限り使うことはありません。
「なくてもいいけどあった方が安心」という程度であればエクストレイルの装備で十分でしょうし、「いざという時のために出来るだけのことはしておきたい」という場合はハリアーで標準装備が充実している上級グレードを選ぶか、オプションとして装備可能なグレードを選ぶと良いでしょう。
ハリアー・エクストレイルの比較まとめ
引用:https://www.goodspress.jp/reports/27390/2/
以上、ハリアーとエクストレイルをあらゆる角度から比較してみました。
ハリアーもエクストレイルもクロスオーバーSUVという点は変わりありませんが、目指すところが違っているように思います。
ハリアーはどちらかというとオンロードを快適に走るためのSUVで、都会のネオンがよく似合います。
エクストレイルは夏はキャンプにサーフィン、冬はスキーにスノーボードとオンロード、オフロードを問わずアウトドアを楽しむためのSUVで、自然の中に佇んでいるのがよく似合います。
そしてエクストレイルを都市型SUVとして使う分には問題ありませんが、ハリアーをオフロードに持ち込んでもエクストレイルほどの悪路走破性は期待出来ません。
もちろん多少の悪路はハリアーのAWDでも対応可能でしょうが、本格的な泥濘地になると厳しいと思います。
そうなると汎用性が高いのはハリアーよりもエクストレイル、ということになりそうです。
ただしレクサスNXに勝るとも劣らない高級感はハリアーならではのものですし、ハイブリッド仕様の燃費の高さは非常に優秀です。
オフロードでの使用を全く想定しないのであればハリアーがおすすめ、比較的アウトドア志向が強い方が買うのであればエクストレイルがおすすめ、となります。